[&] cannes lions 2007 report
第54回カンヌ国際映画祭
入賞作品研究発表会
散文的なメモ書き。でも肝心のポイントは押さえていると思う。
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CANNES LIONS 2007
広告は進化しているか。
「リアル」と「転換」の 2007 カンヌ
自分の視点の転換を迫られることが多く、今回ほど疲れる審査は無かった。
YouTube や Blog がからんできて、TV だけでは無くなってきている。
制作のスタンスともかかわってくる。
■■■リアル■■■
表現主義から、構造を含めたおもしろさを示しているものが多い。
■ ワーゲンのCM / GOLD
「安全」は起きるもの。
safe happiness
ダミーを使っていない。
壊れた車を使っている。
もしかしたら死ぬ可能性もあったけれども、「車」という商品に自信があった。
車の CM は夢を描いたものなどは入選しなかった。
車の特性を示したものもダメ。
■ Apple PC vs. Mac / SILVER
日本ではラーメンズが担当
反対する審査員も多かった。
比較広告がきわめて洗練された形で作られている。
カウンセラーが出てくるのもアメリカっぽい。
全部で 20数本。
地に足がついたもの。
■ 世界共通語バイアグラ / 一昨年 GOLD をとったもの
女性審査員の評価が高かった。
女性が話している内容がリアル。
交通広告、血を見せたりするのは、もういい。
たんたんと語りかけ、切実に訴える方が伝わる。
■■■絵解き■■■
これって、ビジュアルで言うとこういうことだよね。
という素直なものが多かった。
■ CD の波が押し寄せる BIG YELLOW
BBC RADIO すごいラインナップ
SEDAL 髪であそぼう
思い出させてくれる効果。
髪のスタイルを変えることは、戦うこと。
シンプルなエンターテインメントにしている。
細かいことが良くて来ている。
向かいあった表情が同じ、下着の選び方とか。
■ Holiday Inn ネット接続が快適なホテル
私たちが呼吸する酸素の半分は海が作っている GREEN PEACE
入賞数が例年に比べて少ない。今年は 79本。
審査の中で、ショートとブロンズを行ったり来たりしたものが多かった。
ショートリストから紹介。
■馬車の幅は 1.47m だったから。馬二頭の幅にあわせて。LUFT.COM.BR
cell C ナンバーポータビリティの CM
様々な映画から車のシーン。スマートの CM. 後部座席が無い
うんちくをうまい表現で示している。納得させる。
南アフリカの携帯電話の会社。
多くの審査員に関しては、ナンバーポータビリティの大変さがわからない。
2シータの良さをうまく示している。
■今年は常連の入賞が少なかった■■■
良くできているけど、メッセージが伝わらなかったのは入選しなかった。
NIKEは奮闘。
■オランダの広告会社 Centraal Benhar お電話ください
リーバイス。FROM THE ORIGINAL
今までの構造と変わっていない。よって評価が低くなる。
オリジナル音楽、キャスト、演出、全てが良くできている。
審査員がいろんなものを観るうちに、かすれてしまった。
今までと同じことが評価が低い理由。
■ SONY ブラビアの CM カラーペンキ編
最後のグランプリ、強行に推す審査員が 2名
インターネットで観た時はもっと楽しかった。
ピエロが走っていたのが無かった。
ここだけの話。
クリエイティブディレクターが、各国の関係者にリールを送った。
音楽があって、ピエロがついたバージョンを送った。
率直な意見を求めて、変えてしまった。
音楽とピエロだと、観た後の印象も大きく違う。
音楽部門には、別にエントリーされていた。
ある審査員が怒って、消えてしまった。
あまりこそくなことはしない方がいい。
正義感の強い審査員も多いので。
■そこまでやるか!アメリカ■■■
1/4 はアメリカからのエントリー
久々の大量エントリー
昔はバドワイザーの What's Up とか IKEAとかがあったけど、
最近は入賞が少なく、出品も少なかった。
■ got milk?
GOOST WHISPER 足が動くところがリアル
バドライト
アメリカっぽい。やけっぱち。
君は何を伝えたいんだ。アメリカは?
■ bahamas
観光の新しいやりかた。
ノイローゼギリギリの人が登場。
あぶない表情の人がそれぞれ、ハッピーに!
セラピスト診断、web サイトも。
全員がふざけて観光キャンペーンをやっている。
だいぶ観光客が増えたみたい。
■ ダブルバック、両しっぽの犬
CURIOUS
手がバナナの人。
おかしな状況を描いて、それよりも気になるチョコレート。
アイデアはどんなところでも出せるんだなと。
配役の眉の形が変。細かなところがいちいちおかしい。
■アルトイズ
こういったものが普通に流れているアメリカは病んでいる?
アルトイズは過去にも果敢なことをやっている常連
そう悪くないんじゃないかな。
下品なものはいやがられる。
■けんかをお探し? FIGHT NETWORK
カナダのテレビキャンペーン
口語表現がわからない人でも下品が。
言葉が下品。
映像が下品なのは避けられるが、言葉が下品なものはうけいられた。
■タレント広告は、ある。
タレント広告がアジア圏以外でも増えてきた。
■GEICO
リアルサービス(声が楽しい)
トカゲが入ったロゴは全く変えた。
バカラック(ピアニスト)
映画の予告編をほとんど担当しているムービーガイが担当
おかしいんだけど、誠実さを表している。
ベルベットにピーナツバターを塗ったような声
Holiday Inn 有名な解説者が出演
Orange 携帯電話で映画を台無しにしないでください。
ジョー・ザック(大リーグの解説者)
大リーグオフィシャルホテルのアピール。
レザボアドックスのパロディ。
■ブランドということ
コークとユニリーバが!
ほっと思わせるものが良かった。
ある一定のクオリティが保たれている。
Coke のきいた人生を
Coke のきいた音楽を
Coke ; Happiness Company
グランプリ候補、最有力だった。
悪い人が Coke を飲んだとたんにイイ人になってしまう。
単なるさわやか広告から、脱皮した。
綺麗な中に、単にカワイイものだけではなく、
ヘンテコなフレーバーを加えている。
bird man ; なぜ入賞しなかった?
コーラを分け合ったら、どんどん変わっている。
斬新なんだけど、斬新すぎる。飲みたくは無い。
普通なら気持ち悪く終わるとことだけど、良い終わり方をしている。
■ユニリーバ
イギリスの燃料でしょ!
制作費をいくらかけているんだろう?
ユニリーバであることが審査員が驚いた。
食べ物は議論のターゲットとなりやすい。
ユニリーバに何があったんだ?
不思議なインパクトのあるものが多かった。
AXE なんじゃこれ?
色んな職業の女性を MIX
インタラクティブ広告。携帯電話で投票
2種類のフレーバーをミックス。
商品開発に2年くらい。
職業の違う人を組み合わせて、新しいキャラクター
インテグレーテッドのグランプリ。
■まじめな側面。
あなたの肌は驚異的だ vaseline
LUX SHINE
ゴールド確実
お金をかけ過ぎ。大変よくできているんだけど。
良くできているんだけど、メッセージが良くない。
ちょっとしたものを作ると YouTube で凄い勢いで広がる。
■新しいアプローチとして評価されたもの。
ロマンが無い時代だからこそ、私たちは変わる。
Nity まあ、好きだよ。
新しい香水。あたらしい男をゲットというもの
新しい女性像を描き始めている。
■彼女作れば? AXE
会場中、笑い騒然。
審査の現場でもゲラゲラ笑いが。
AXEが新しく見える。
キモチ悪いから却下された。
どうしても賞が
若い人が中心にモメた。
エライ人、若いひと、全くの初心者。
20年間くらい積み重ねてきたものが、壊されるのが恐かった。
カッコイイイメージが壊されるのがイヤだった。
ワールドワイドでイメージを統一している。
■強いメッセージ
ダンスでつくるボディ。汗が流れ落ちているところがポイント Nike アルゼンチンと MTV
苦痛を少しでもやわげるために nikeair.com
アルゼンチンは韓国についで整形が多い。
セルライトをとるために吸引手術が多い。
女性陣に好意的に受け取られている。
少しだけ演出上に不思議な絵が入っている。
短期な人が多く、長尺のものは嫌われる傾向があった。
■あなたの署名は想像以上に力があります。
↑ My Best
公共広告。同じメッセージ。
より訴える感じ。
もともとフランスは死刑に反対している。
お金を請求せずに、広告を作っている。
表現が違うのになぜ2本なのか。両方とも入賞。
毎年カンヌを観ると、
世の中には色んな問題があることがわかる。
テレビ番組で長々と見せるよりも TVCM の方が訴えかける。
■ヒューマンインサイト
こんなのあるよなという状況を大げさに表現したもの。
わりと現場でもウケていた。
値段のことで評判になった広告。
よりリアルになった。大げさなことをしなくてもいい。
今っぽい。
何処の国もお父さんは子供のことを知らない。世界共通。
■ラスベガスと携帯電話。
とぎれない携帯電話を!
通話切断が少ないこと。
↑会場のウケよし!
人のコミュニケーションのツボをついている。
この 5本のうち、審査員に一番人気のあったものは?
ラスベガス・妊娠・ブーケ・義理の息子・リレーションシップ
一番人気は最後のリレーションシップ
判断基準も日本とちょっと違っている。
いつもこういう会話をしているから、実感として感じられる?
■シミを黙らせましょう。
ロトくじ
コピーが秀逸。
今まで宝くじというと豪華だというものだったが、
見せ方が違う。
北欧の人は凄い。自分の国のことだけを考えず、
全体がどうあるべきなのかを考えている。
■新しい公共
いろんなものがあるなかで、
現在どういう問題があるのかを気づかせてくれる。
平均賃金の日
同性婚
牧歌的な音楽で救われている。メッセージは直接的。ベルギーのCM
そういったところでも問題があることが認識されるのが良い。
説教じゃない感じで説明する。新しい方法論
■公共医療サービス
アンチタバコキャンペーン
新しい切り口を見つけ出してくることが良かった。
チョコレート中毒、ジョキング中毒とタバコとの関係。
こどもがなぜ様々なフレーバーが好きなのか?
試みは凄いけど、表現がわかりにくい。
続けているところが凄い。
しゃべらなくても票がとれないし、
しゃべりすぎても票がとれない。
■アジアって何だろう?
どれも小さいエピソードで繋いでいくもの。
化粧品は一番難しい分野。
美意識が牽引してきた意識がイギリス・アメリカにはある。
観ていて楽しいけど自分たちには出来ないという意識がある。
明確な定義ができていない。
社員も財産なのに、ゴキブリにたとえるのはすごい。
表現が難しい。
トカゲとか、好みが左右される。
■クシャクシャ派
この世で味わおう。
それぞれの国っぽいのがウケた。
■日本のもの
松下電器の乾電池。
はじめのところで振るいにかけたものを、
リアルショートリストを選出する。
インターネットではまだ出来ないことある。 TOYOTA
One-Touch Pass
乾電池の力で空を飛びたい
飛べるって信じている。
松下電器産業
オキシドライト乾電池 ←思わず泣きそうになった。
単なるドキュメンタリーだと言われた。
バイラルから始まって、話題になって、最後に CMになった。
商品が凄いといことがあたりまえだと思っていた、
日本は商品そのものが凄いのに、どうしてそこをツイてこないのか。
TOYOTAが車を出していないのがすごい。
でも商品から逃げているのじゃないか。
■インド 献眼の CM
インド ホワイトニングガム(おおげさ)
評価、インドっぽい。
いろいろな意見があった。歯を光らせるアイデアは昔からあった。
アイデアは普通だけど、表現は良くできている。
■アルゼンチン!
この数年一番伸びてきている。
自虐的なネタがおおかったけど、今はなんでもあり。
演出が秀逸。
不動産オーナー
わからない人にはわからない。
アルゼンチンの審査員がしゃべりすぎた。
ハゲはイヤだと嫌がられた。
汚いものに関しては嫌がられる傾向が。
■グランプリへの道!
グランプリがどう決まったか。
power of wind 風力に投資
圧倒的に1位だった。
どこでオンエアするの?
広告賞のために撮ったものではなく、リアルに放映されているものにあげるべき。
環境にシフトした年でもあった。
本当にオンエアされた広告であるべき。
実は良くできたタレント広告。
みんなが歌っているのは West Side Story 。
マリアがマリアを歌っている。
最初はプリティはカワイイ。後には、すごいというプリティ
全米オープンの時に、撮られている。
いい音楽を聴いていると、いい気分になって、投票してしまう。
受賞してしまうと、カンヌは10年後退すると思う。
よく設計されている。
ダブもすんなりいったわけではない。
最初は公共広告の一種。
そこからはグランプリを出さない。
ダブのブランド広告。
バイラル出身であること。YouTube から始まったもの。
1−2時間は議論。
委員長が、今の時代を考えてみろ」という一言。
なんでもフィルム CMとしてみなければいけない時代になってきている。
全ての女性がありのままの自分を美しいと思うべきです。
最初の一ヶ月でYouTube 170万ヒット。ものすごいこと。
いまだに見続けている人がいる。
大統領選のキャンペーンよりも上をいった。
一種、広告の自己否定につながっている。
かなり勇気のあること。
凄いことを言っている。
非常に勇気のあること。
リアルビューティーをワールドワイドで言い続けている。
ぶれていない。
メッセージを評価して受賞
オランダ語。
テレビとしてオンエアされたオランダ版。
表面だけでのアイデアだけではなく、
構造のアイデアが重要。
カンヌが Web を許した最初の年。
広告というのは、アマチュアの人でも何でもできるようになった
プロとして何をすべきなのか、
次から次へ新しいものができている。
自分の生活から
商品から逃げない広告を作ることが大切。
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