[&] Design & Media
デザイン史学研究会 =シンポジウム=
Design & Media
デザイン史学研究会
■タイポグラフィにおける可読性と品位について
新聞のフォントが最近大きくなってくる。
台湾の新聞は横書き。
新聞がやってはいけないレイアウトが平然と使われている。
横書き新聞は可能か?
日本語の文字は通常正方形で形成されている。
ひらがなは縦組にふさわしいように設計されている。
国語以外の教科書は横書き。官公庁の書類も横組である。
手で書くというよりもコンピュータで入力して印刷する。
だからこそ「行間」が重要。
文字を大きくすれば読みやすいというわけではない。
小さい文字でも適切な行間があると読みやすい。
日本語と合わせるために [ y ] の下部が変わりつつある。
本当に素晴らしいタイポグラフィはその存在や美しさを感じさせてはいけない。
自然に違和感無く、そこに存在するタイポグラフィこそが本来の書体。
文字が小さくなればなるほどゴシック体的な飾りの無い文字になる。
大きな文字になればなるほど装飾される。
書体の数を少なくすれば少なくするほど意味がある。
字体による読み方の速い/遅いは正確には測定できない。
一度読んでしまった文章はさらに速く読むことができる。
分かち書きによる認識の高さ、意味の把握。
テレビはすべてのものが横長い。
文字が力を持つようになればいい。
本を単なるメディアではなく、存在として捨てられないものにしたい。
----- CG 45 より引用 -----------------------
■レイアウトはシンメトリーの構成を極力避け、アンシンメトリー = 非対称の即物
的成形にする。シンメトリーには、シンメトリーという形体概念と意味がすでに
備わり、ひそんでいるからだ。既成の概念や意味を利用するのではなく、与えられた
役割と機能に従ってレイアウトを薦め、新しい視覚の形成言語、文脈と意味記号
を発明するのである。字間および行間は、可視性 = レジビリティ (legibility) および
可読性 = リーダビリティ (readability) を意識して優先し、調整する。
和文の場合は、2分4分以上行間をとるのが鉄則である。
文字だけを大きくしても行間を確実に十分とらなければ可読性も可視性もよくはならない。
2分4分 (2/4 + 1/4 + 3/4 = 75%)
■イラストレーションは内容を客観的に忠実に伝達する図像および即物的写真
によって構成する。ペンや筆等のフリーハンドによる記筆の残る個性的なものは
極力避ける。
写真も中立 = ニュートラルな背景のもので扱わなくてはならない。
特別な伝達として必要な場合は、その対象物が現実に使用され、
また配置される環境でなければならない。写真のレタッチは常に、より自然に行なわれる。
■グリッド・システム = ラスター・システムを採用する。そのプロポーションは、
活字のサイズを単位とした尺度によって決定されるが、用紙を主とする完成時の
被印刷物のサイズの尺度によって決定される。いずれにしても、伝達すべき内容の
理解と分析を性格に把握する必要がある。垂直と水平および傾斜や円等々の
数学的・幾何学的基準規格によるもの。
■色彩はデザイナーによる色彩の調和と調整の感覚的個性が最大限に表現される。
写真等のグラデーションによる自然の必然の濃淡は存在するが、その他の
グリッドを基盤とした、数学的、幾何学的な方法により、生成される造形の各々の
エレメントは、特別な場合を除き、同一の色で表現される。色彩の調和の方法や、
理論的な思考、たとえば補色や同時対比等を基調に配置しながら、あくまで
個人の色彩感覚が優先される。
■いくら万全なグリッド・システムが完成しても、最終的に客観的にも主観的にも、
それを活用する人 = デザイナーのセンスによる。十分な伝達価値の存在する
作品にならなければいけない。それには、均整のとれた、すぐれた知性と感覚の
グリッドの選択、タイポグラフィと色彩、およびイラストレーションの展開によって
形成される。また独立して生成する「余白」などの空間と感覚の意味 = シンタックス
syntax を獲得しなければならないだろう。
--- 引用終わり --------------
------
■メディアデザインがつくるもの -「ライフ」の写真をたどって
もの+情報+環境。もの+情報 がデザインの領域。
車も一つのメディアとして考えられる。
体験や気分を購入する。
日本でも欧米でも単一のすごい流行は無くなりつつある。
8P-16P の freepaper の LIFEが存在している。
誰にでも興味があるものから、人々の興味が多様化している。
メディアは人々の暮らしを変えていく。
------
■ディスプレイ表示を前提としたビジュアルデザインの手法
歴史には残らない、あるデザイナーとディスプレイ表示との格闘の日々。
イスラエル/サイテックス社 トータルスキャナシステム
紙というところから文字が飛び出したらどうなるのだろう?
立体視できる文字のデザイン。
マスメディアではなく、自分のメディアが持てたのがインターネット(WWW)
紙には無いスクロールという概念。紙メディアとのシンクロ。
本棚をメタファーとして Webページを作る。
動くフォント、動くロゴマーク。
流行のポータルサイトのメニューではなく、空間性や触ってみたくなる要素を含める。
画面に向かってデザイン作業をしていると、周りが何をしているかわからない。
ワープロソフトやイラストレータではなく、大きなフォントをじっくりと見比べる仕組み。
コンピュータの中で、写植の切り貼りを体験する。フリーハンドで文字組。
苦労して一度は文字組の難しさを知る。
文字をばらばらにして扱わないと新しい発見が無い。
手話の手の形は自分が見るものと相手がみるもの。声も同時に発するのがいい。
語源、気づくことでより記憶に定着する。
斬新すぎる、進みすぎるのもいけない。
実体験をベースに体験デザインする。
その場のメタファーだけでなく、人の振る舞いを考える。
普通の人が普通にやっている行為の中に新しさや面白さを含めるというこだわり。
「歴史にタッチ」博物館の展示用デザイン。歴史民族博物館。
「誘う」触らなくても情報が動くことがポイント。
「ヘルプ」をコンテンツそのものに組み込む。
ヘルプが別メニューなのではなく、コンテンツの中で使い方を説明する。
触ることを促すような「誘う」仕組み。
紙じゃないグラフィックデザインを追求。
携帯電話のためのフォント
Lim Uni-Type
読み間違わない文字。濁点と半濁点。点の片方だけを大きくする。
ひらがなは丸みを持たせ、漢字はヘンよりツクリを大きく見せる。
間違えにくい書体。難読症の論文参考に。
預金通帳や駅の表示板などに採用される。
動的図解表現 (DIG: Dramatic InfoGraphics)
// テロップなど横に動く文字。大型テレビのような巨大な表示装置用の文字が知りたい。
------------------
■メディアアートの最前線(森山さん)
次世代のメディアアートとは何か。
何がメディアアートの次のステージなのか。
メディアアートで言うときの「メディア」とは何か。
70年代より。5つの要素。
イメージ、動き、奥行き、拡大、記録。
メディアを使って伝えることをメディアアート。
古典的なメディアではなく、複製可能芸術時代以降のメディア。
身体や知覚を拡張させる仕組みを使ったもの。
メディアアートのダイアグラムあり。
ZKMでも日本へのアート&テクノロジーへの興味が高まっている。
ART , ANTI-ART, NON-ART
従来はデザインとメディアアートは密接に関係している。
デザインの領域からも、メディアアートからもアプローチする。
入場者数で評価されてしまう。
メディアアートは学問として体系化されていない。
メディアアートが作られるプロセスを知ることによる広がり。
海外で活躍しているメディアアーティストが日本で紹介する場所が無い。
the next idea 部門。1,2,3位が日本の学生。
water bubble
メディアアートの次世代。表現するプラットフォーム自体を作る。
宇宙技術、深海。身体。最後のフロンティアをアート化する。
無重量表現下でアート表現する。0grabity
お茶の儀式を無重力で。
三つの可能性:
ITプロダクト、複製可能芸術として作る。TENORI-ON など。インタリアデザインへの展開。
映像メディア教育の教材。コンピュータが無くでも映像教育はできる。
デジタルパブリックアートの可能性。
紙のアンケートをワイヤレスペンで入力。
携帯電話で、どこから来たかを入力。Google Earth にマッピング。
デジタルでありながら、ハプティック。
決められたアートではなく、クロスしないと思われている分野から新しいものを生み出す。
三つの課題:
違う領域として進んできた 建築+アート、ファッション+アート
自己生成モデルを建築に展開。
研究成果発表としてのアート展示が効果的。
showing the result of research by media art 研究成果発表としてのアート展示が効果的。
Hybrid art area, as "Synesthesis" アートとアート以外ものもを結びつける
Exhibition supporting system どの作品でも巡回できる、隣り合わせの作品を設計する自動システム。
<< Home