[&] DESIGN IT Conference 2009 (Google UX)
DESIGN IT! : イベント
DESIGN IT! Conference
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立ちこめる暗雲 - Web サービスとクラウドコンピューティングにおける課題をかんがみる
Google UX Researcher - Donal Mountain
Google UX Designer - Braden Kowitz
注:UX専門家としての発表で、Google の公式見解では無い
1. クラウドはいつでも利用できます。
2. クラウドは安全に利用できます。
書類をなくしたり、壊れたりしてデータを無くすことが無い。
違うノートパソコンでもおなじ作業が続けられる。
思い出を次の世代に残せる
3. クラウドはみんなで利用できます。
クラウドは共同作業の場になります。
FAX は、紙を送るだけで根本的な違いはない。
クラウドは新しい方法で、ドキュメントをオンラインで一度に変更できます。
Challenges Ahead - この先に進んで行こう。
どういった要因がクラウド化を妨げているのかを認識することが大切
DM: UX の仕事。ユーザーを理解する仕事をしている。
製品をどうやって使っているのかを理解する。
BK: いろいろとプロトタイプをつくって、ストーリーをつくっている。
さまざまな課題に対する回答があるわけではない。
シリコンバレーのさまざまなところで調べた情報を伝える。
1. Always Available : いつでもつかえる
2. Safe : 安全に使える
3. Collaborative : みんなで使える
世界の貧困に立ち向かう非営利団体、世界中で活動するのに
クラウドは最適な回答。
ガーナで活動していて、クラウドの持つ問題に直面。
インターネットにつながらなかったり、遅かったりする。
ネットの復旧を待たずに作業を続けなければいけない。
ガーナの回線速度は東京の 1/400
実はネットが必要なのはデータを送受信する時のみ。
このプレゼンテーション自身もクラウドに保存されています。
ネットにつながっていなくてもプレゼンテーションできなければいけません。
ネット接続が万全でもサービスの予期せぬ停止もありえます。
Challenge #1
Works offline
オフラインでも使えるように
オフラインアプリはつくることができる。現在は少々難しいが。
ブラウザの中に多くのデータを置かなければいけない。
オフラインで使いやすいブラウザ (Gears, HTML5)
ブラウザ自身がオフライン作業に適していない。
オフラインで稼働するウェブ
Gmail のオフライン版でできる作業とできない作業があることを認識してもらう。
1987年に登場した HyperCard はさまざまな利用方法で愛されたツールでした。
Apple は HyperCard の販売を停止したが、ユーザーにとっては大きな問題では無かった。
クラウドと比較してみます。
magnolia はブックマーク共有サービス。
magnolia はバックアップからの復旧がうまくいかず、サービス自体が停止してしまった。
これがクラウドアプリと、デスクトップアプリとの違いになる。
Challange #2
Data Portability
データポータビリティ
ユーザーはデータの所有権を持つべき。
データをまとめてダウンロードすることができる。
クラウドからローカルにデータをダウンロードするアプリがある。
違うアプリを使えるように。
iPhoto から LightRoom へデータを移行。
ハードディスク上にデータがあるので、容易にデータを移行できた。
クラウドだったらどうする?
Picasa web から Flickr へデータを移行する時には悩むことになる。
サービスが Open APIをもっていれば、間をつなぐことができる。
情報の移行だけでなく、ユーザに選択肢をあたえ、満足感につながる。
手元に物理的にデータを持つことは安全に思える。
手元におきたいというのは人間的な欲求。
安全な感じはするが、新しいハードディスクの 2% は故障し、交換が必要となる。
米国ではあたらしいノートパソコンの 10% は盗難にあう。
ノートパソコンに飲み物をこぼすこともある。
手元にデータを置いたとしても、データの消失はありえる。
2. Safe : 安全に使える。
これがクラウドにおける大きな可能性「安全性」
データを手元に置くのは短期のプロジェクトでは良いが、長期的にみると良いことではない。
銀行とお金に似たようなこと。安全性の確保につながる。
大昔は手元に金貨を置き、人に預けるのはおかしいこと。
これが現在のクラウドの状況。
時を経て、金貨ではなく、価値を表す紙幣に移行した。
近年では、オンラインで銀行口座をチェックするようになった。
お金を預けることによる安心感と同様にクラウドにデータを預ける。
すべては信頼を表している。
昨今、銀行が危機におちいった場合、現金を引き出して手元におこうとする。
クラウドにおける信頼性
例:100分の Gmail サービス中断
その間、多くの人がメールにアクセルできなかった。
また、ホワイトハウスのメールが停止したことがあった。
こういった問題は起こりえる。
クラウドはデータを保存していて、安全だと考えている。
多くの人がサービスが中断しないよう努力している。
この先 10年を考えるとサービスの中断は起こりえることである。
業界としてサービス中断にたいしてどう対応していくか。
ほかの重要な業界から得た教訓を取り上げてみましょう。
2008年 BA 38便、突然空から落ちてきた。
なんとか飛行場にたどり着いた。
「それでも僕たちはおなじ飛行機で東京に飛ぶ」
信頼して飛行機に乗ることができた。
なぜ命を預けるまで信頼しているのか?
航空業界は信頼が重要であると認識している。
事故に関する情報が公開している。情報の公開は信頼を生む。
航空機のブラックボックス:間違いから学ぶ。
クラウドも問題の原因解明、探求、共有で、クラウド業界の信頼性をあげることができる。
サービスが 100% 稼働していて、間違いがなくても、
信頼は努力して得なければいけない。
その一つが「パスワード」
もしパスワードを忘れてサービスを利用できないことは、ハードディスクが壊れるのとおなじ。
パスワードを他人が持った時は、ノートパソコンが盗まれたこととおなじ。
パスワードは UIの中で大きな課題。
Twitter 内部資料の漏洩。
ペイリン元副大統領候補のメール漏洩
Challenge #4
セキュアなアカウント
企業向けソリューションとして、1タイムパスワードのトークン
トークンは堅牢で安全な解決策である。
一般人へのソリューションとはいいがたい。
一般の人がどうやってパスワードの安全性を確保できるかは、大きな課題。
3. Collaborative : みんなで使える。
新しいコラボレーションの形。
広がるコラボレーションの形。グーグルだけではなく数多くのサービス。
コラボレーションの良さはコンテンツを作り出すことにある。
文章作成だけでも難しいこと。Google Document
文章をつくるだけでもブラウザ上で行うには難しいこと。
フォントや印刷の問題が難しいこと。
どうしてこれだけ苦労して、こういった問題が解決していないのか?
一つの要因:ブラウザはそのために設計されていないから。
Challenge #5
コンテンツ作成。
現状、オフラインでコンテンツを作成して、オンラインにアップロードするのが普通であった。
これからはオンラインで品質の高いコンテンツをオーサリングするのが普通になる。
将来は Web 上でビデオの編集、写真の画像加工などができるようになる。
ウェブは共有を簡単に共有にできる。
すべてが URL なので、URL を送るだけで情報を共有できる。
同時に共有するのは複雑なことである。
個人情報を間違えて公開してしまうのは良くあること。
Challlenge #6
共有のコントロール。簡単、わかりやすく、必要な可能性を合わせ持つインタフェースをつくる。
まとめ
いつでも使える、安全に使える、みんなで使える。これがクラウドの価値。
クラウドのいいことばかりではなく、課題や挑戦も語りました。
みんなでクラウドコンピューティングに挑戦し、インターネットをいいものにしていきます。