12/18/2009

[&] SIGGRAPH Asia 2009 (SEGA Corporation’s Training Programs)

SEGAの新人研修について
SEGA Corporation’s Training Programs
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セガが最近出しているゲーム :
ビヨネッタ、End of Eternity, 初音ミク、PHANTASY portable、みんなのプヨ顔

カリキュラムやトレーニングについて(ゲームに関係するところのみ)
セガはAMゲーム部署と、CSコンソール部署に別れる。今回は CSの説明
新人とは新卒者のみ。中途採用は研修の対象では無い。

新人研修は二種類。グループトレーニングと
Game Design ,Visual Arts, Programming の3分野に分かれ、二ヶ月
ゲーム制作の基礎知識などを職種に関係なく受講する。
社内のスタジオでアフレコの体験なども。
新人などもある程度の知識を身につけている人もいるが、
常にベーシックレベルに合わせた研修を行なっている。

Gme Graphics 研修に関して。
CGに詳しくないことを前提に基礎的なことを教える。

デザイナーの場合、必ずしも CG に詳しいことが重要ではなく絵が描けることが重要なので、
CG のことを詳しく知らない人も居る。
一般的な説明以外に、リアルタイム描画、
 アルファチャンネルに関する説明ではゲームならではのポイントも教えている。
 (あまり重要ではないオブジェクトは白黒の 1bit で表現するなど)

3D に関する概要、基礎的な内容だが、ゲームに特化した内容が含まれる
例えばモデリングの場合、多角形ポリゴンに関して説明する。
(三角形、四角形ポリンゴンが主流。それ以上のポリゴンだとゲーム機で表示できない場合があり、
 かならず確認するように教育している)
(四角形に見えてもエッジがあって、実際は六角形の場合もあり)
(口角の部分など、六角形になりがち、多角形が発生しがちなところを教えている)
(車の車輪など、普通にモデリングすると、ピザのような形状になるが、
 縦に分割することによって、ポリゴン削減することができる)
見た目を保ちつつ、できるだけモデルデータを削減するテクニックを教えている。

ZBuffer の説明。Z-Sorting の説明。
画面上のピクセルごとに前後判定する。カメラからの奥行きを保存するバッファ。
間違えると表示に影響を及ぼすこと。
ZBuffer では後ろの物体が透けるような半透明な表現ができない。
透明度を含む場合は Z-Sorting で描画する。
半透明は色をブレンドする処理もあり、負荷がかかる描画であること。
負荷が高いので本当に必要なところだけ使うように。

カメラからの距離に応じてモデルの詳細度を変更する LOD (Level of Detail) について。
複数段階の詳細度をもったオブジェクトモデルを用意し、
カメラとオブジェクトの距離に応じてモデルを切り替えて表示する。
例えば車のモデルの場合、遠景用は形がだいたいわかるくらいにポリゴンを削減している。
近景は 12000ポリゴン。遠景は 50〜100ポリゴン

テクスチャの LOD. テクスチャのミップマップ手法に関して。
元のサイズの 1/8, 1/4, 1/2 などのサイズを用意しておく。描画の高速化にも貢献する。
ギザギザになる現象を避けることができる。
デザイナーが小さいテクスチャを用意する場合と、
プログラムで自動生成して用意する方法を使い分けている。

カリングの説明。視線、カメラの範囲外を表示しない手法の説明。
カメラから見えない、オブジェクトの裏側にあるオブジェクトなどをレンダリングしない。
同じシーン内のオブジェクトでもカリング用にいくつかのオブジェクトに分割しておく。

集合研修では、ゲームの企画を作る。
研修中の試作ゲームの企画として使われる。
デザイナーは 3DCG ツールを使い簡単なキャラクタを作る。
一昔前はパソコンさえ触ったことが無い人もいた。
プログラマは、環境構築、デバッグまで教える。

3DS MAX を教えている。
海外のゲームでは一般的に使われているが、SEGAではそれほど多くない。
sega の中では主に背景制作に使われている。
キャラクタスタジオデータ情報をゲームで生かすのが難しい。
ゲーム業界でアニメーションで活躍したい人は Softimage を覚えることをおすすめする。

vertex color の説明。頂点カラーの説明。
ライトの位置が変わった場合、あとから修正するのが大変な場合。
テクスチャの枚数を減らし、修正も容易になる。
影付け用に、あえてエッジのあるポリゴンを増やす場合もある。

Notmal map の説明。
球体のような比較的簡単なオブジェクトで説明している。
制作は思った以上にデザイナーに負荷をかける。
必要なオブジェクトにしぼって作業するようにしている。
この段階ではオブジェクトスペース、タンジェントスペースの概念は説明していない。

職種別にどのような目的を持って欲しいかを説明している。

◆企画
企画を立てるためには、ゲーム機でできること、できないことを知る必要がある。
描画に関わるグラフィックスは開発の大きな部分を占める。
 詳しく知らないとトライ&エラーが生じ、コストが跳ね上がることになる

一画面に数百人の登場するといった企画は、無駄な時間になってしまう。
できないことをプログラマのせいにしないためにも限界を知っておくことが必要。

◆アーティスト
デザイナーに必要なのは、ゲーム描画に必要な素材、データを用意すること、
デザイナーは画面で表現されるものに責任を持つ。品質に責任を持つ。
画面上の見た目が同じであれば、より高速に表示できる表現ができれば、
より全体の品質をあげることができる。

◆プログラマ
ハードやソフトの仕組みを詳しくしる。
新しい表現が必要になった場合は、ネットや書籍で自分で探して解決する必要がある。
ただ単に絵を出すということだけではなく、データサイズの削減を考える。
高速に動かすことも重要だが、
同じように見えるが、データが少ないといったことをデザイナーと協議して進める必要がある。

◆テクニカルアーティスト
ゲーム機の高機能化にともない、プログラマとデザイナーとの間に位置する職種。
プログラマの意識をもって、デザイナーの支援ができる。
パイプラインやワークフローを構築し、
必要があればスクリプトプログラムなどを描いて、デザイナーの補助をする。
映画業界であれば、テカニカルディレクターに相当する。
プロシージャル(手続き型)に映像を作る必要が高まってきている。

デザイナーを目指している人で、スクリプト作成できる人、
プログラマで絵が描ける人は、現在需要の高いテクニカルアーティストを目指すと良い。

知的財産関係も研修中に学ぶ。
ネットから容易く手に入れられる素材が多いので、フリー素材でも商用利用の際には
問題が生じるので、使用許諾を確認すること。
情報取得の重要性として、英語の大切さ。最新情報や、最新機能のドキュメントは英語であること。
教育6年間の英語教育は800時間、ネイティブであれば、たったの50日間でしかない。

研修の最後には社内見学。モーションキャプチャスタジオの見学。
一ヶ月間の研修中はスーツを着るように決まっている。社会人としての自覚を持つように。
通常の開発部署はカジュアルな服装で仕事している。
アーケードゲームの開発部門も見学する。

Q&A
Q. 二年目以降、ベテランに対する研修は?
A. 全社的に研修は無いが、勉強会は実施している。イントラネット上に情報を載せている。
不定期でシェーダー研修をおこなったりはしている。

Q. 新人研修の中でキャラクタセットアップ、モーションデータの扱いなどは研修に含まれている?
A. 一気にそこまで教えると難しすぎてついてこれなくなるので、おいおい教えていく。

Q. 中途採用者に対してのフォロー研修は?
A. 厳しくて、できていることを前提に採用するケースがほとんど。