[&] SIGGRAPH Asia 2009 (Sketch Interface)
Sketch Interface
Teddy で有名な東大の五十嵐さんの講演。
五十嵐さんの研究自身も素晴らしいのももちろんのこと、
リファレンスの調査、研究の物量がはんぱない。
論文のことを「巨人の肩に乗る」と比喩することが多いが、
ものすごいたくさん調べて、巨人の上に乗っているんだなと。
あと、Teddy のすごくいいところは、アクションに音がつくところだと再認識した
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◆イントロダクション
スケッチはシンプル、入力される情報量が少ない
補うことが必要
アルゴリズム:特定の対象に特化した知識を利用(特定用途)
インタフェース:アイアイ性を解消するための手段を提供
Pegasus のデモ
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/java/pegasus/pegasus.html
コンピュータは間違える。もともとの問題があいまい。
複数の選択肢を用意することによってあいまいなものを正確なものにできる。
予測インタフェースのようなものも実現。
予測なので外れることもある。予測は色々なことに使える。
SKETCH [ Zeleznik 96 ]
http://www.cs.brown.edu/~bcz/sketch/sig.html
全てのオブジェクトは外のオブジェクトの上に乗っているというルールを作った。
ジェスチャー操作で3本線をかけば直方体がかける
空中にものを置きたいときはどうする?
影を描くと空中に浮いていることにする。
Suggestive Interfaces [ Igarashi 01]
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/chateau/chateau.htm
やりたい操作に対応するところを選択すると、コンピュータが3種類操作を提案してくれる。
コマンドやメニューを使わないで図形的な入力だけでコンピュータを操作する。
Teddy
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/teddy/teddy-j.htm
まるっこいものに限定したことで実現したインタフェース。
二次元の線をくるくる書いていくだけで三次元形状がつくれる。
このスケッチシステムで大切なことは、Maya に取って代わるものではない。
子供用のゲーム、落書き、ホビーユース。
プロがデザインする時にも使える。
コミュニケーションの道具として使える。
絵を描いて具体的なコミュニケーションをとるとき。
コミュニケーションの最中に立体的な概念を伝えるときに優れている。
(お医者さんが歯の説明をするとき。高校の地理の授業、理科の授業など)
海溝が穴ではなくて、溝であることがわかってもらえる。
等高線の説明にも優れている。山を見せておいて、高さを示す線を見せると納得する。
応用例
Vteddy [ Owada 2003 ]
Smooth Teddy [ Igarashi 2003 ]
ShapeShop [ Schmidt 2005 ] 後から位置を変えられるもの
FiberMesh [ Nealen et. al . 07 ]
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/research/fibermesh/index-j.html
描いた線が残っていて、ユーザが引っ張って、あとから調整することができる。
メッシュの曲率の変化が最小限になるものをみつけて、きれいなサーフェスを生成するようになっている。
コントロールカーブを追加することができる。
Plushie [ Mori and Igarashi 07 ]
http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/~yuki/plushie/index-j.html
ぬいぐるみを作るための布の型紙モデルを作る。
Structured Annotations for 2D-to-3D Modeling
http://www.cs.nyu.edu/~gingold/annotations/
新しい論文発表。
回転しなくても三次元モデルができる研究。
絵本の中のキャラクタを三次元化できる。
二次元の参照画像が与えられたら、同じ長さの部分、左右対称の部分、繋がっている部分など、
二次元状で幾何学的な条件を指定すると、コンピュータが計算して三次元モデルを作れる。
Analytic Drawing of 3D Scaffolds
http://www.dgp.toronto.edu/~rms/pubs/DrawingSGA09.html
始めにガイドとなるような直線から構成される消失点のある直線的な形状を描いて、
それから曲線を描いていくことで正確な形状を描くことができる。
◆形状変形手法
Sketching Skeleton [ Kho 05 ]
自由にポーズがつけられる
スケルトン、軸を中心にした変形。
Silhouette Sketching [ Nealen 05 ]
外観を調整することによる変形。ユーザーの指定はなんとなくで良い。
ディテールプリザービング(形状を保ったまま、なんとなく変形してくれる)
◆アニメーション
Articulated Animations [ Davis 2003 ]
http://graphics.stanford.edu/papers/sketch_interface/Davis_149_SketchingAnimation_SCA2003.pdf
人間の体の知識(関節はこれいじょう曲がらないなど)から動きをつくる
アニメーション用の棒人間の動きを作る。
二次元で見ると複数の候補がありえる。人間として不自然なものは取り除くが、ユーザーに選択決定してもらう。
そのままだと、ギクシャクしてしまう。物理的に整合性がとれた動きを計算してスムースにする。
Motion Doodles [ Thorne 04 ]
http://people.cs.ubc.ca/~van/papers/doodle.pdf
描いたキャラクタの動線をスケッチ入力できる。
ゆっくり描くと、ゆっくり動いてくれる。
Animations by Performance [ Igarashi 05 ]
空間的キーフレーム法によるキャラクターアニメーション
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/research/squirrel/index-j.html
今までは動きを一枚一枚描かなければいけなかったが、
これはモゾモゾ動かすだけでアニメーションがつくれる。
マルチタッチに対応。絵を手でつかんで利用できる。
一つ一つはそれほど凄いポーズではないが、
マウス一個で複雑なアニメーションもあやつれる。
◆モデリング
Trees Modeling [ Okabe 2003 ]
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/papers/siggraph2003-okabe.pdf
二次元の木を描くと、三次元化してくれる。
閉じた線だと葉っぱ、閉じた線だと幹。幅や大きさを指定できる。
Flower Modeling [ Ijiri 2005 ]
http://www.riken.jp/brict/Ijiri/papers/ijiri_EG06_seamlessIntegration.pdf
花の知識を盛り込んだ専用のエディタを使う。部品をスケッチで作り、構造を作る。
普通の三次元 CGソフトだと制作が困難なものも、慣れていない人でも使えるツール。
Garment Design [ Turquin 04 ]
http://sketch.inesc-id.pt/sbm04/papers/20.pdf
二次元の人の画像の上に二次元でスケッチすると、服のモデリングできる。
服は人の表面を覆うものというルールのもとに生成する。
Clothing Mannipulation [ Igarashi 03 ]
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/papers/cloth.pdf
すでにある服のモデルをどうキャラクタに着せるかというインタフェース。
着せた後にも回転させたり、ずらしたりもできる。
◆まとめ
スケッチによってインタフェースを簡略化
初心者でも簡単に使うことができる。
デザインの初期段階にも使える
効果的なデザインのために重要な点
対象に特化した知識を利用して不足する情報を推測
曖昧性を解消するためのインタフェースを提供
デザイナーとモデラーが別々なのではなく、
デザイナーが本来使えるようなものが理想。
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