2/16/2010

[&] xtel: Ubiquitous Content Project

xtel: Ubiquitous Content Project: ユビキタスコンテンツシンポジウム 2010 開催のお知らせ

xtel
ユビキタスコンテンツ制作支援システムの研究

[以下敬称省略]

石黒:次のメディアは遠隔コントロールできる新しい携帯電話
奥出:直感的にやることを整理してあげると、皆が使える道具になる。
   親しみやすいデザインとは、ユーザビリティを超えた世界。
山中:形を描こうとしてはいけない。
   構造を描くことによって自然に形が生まれる。
稲蔭:生活空間に誰しもが持っているものを使ってどう見せるか。
   だれもが持っているものを進化させる。

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創造社会到来
 日常の中の非日常
 
クリエイティブな活動が社会的にも重要に。
ひとつのデザイン的な建築で世界的な注目をあびるきっかけになったり。
生活に密着した生活者のための実空間に根ざしたコンテンツ
生活の中でふとした驚きや楽しさをういmだし足り、没入的な感覚ではなく、
長い時間をかけてじっくりと体験を生み出したりという
生活の豊かさそのものに関わるコンテンツ

デザイン理論(哲学/方法論)
コンテンツの製作 事例の実証
制作支援システム 環境の整備
ユビキタス/コンテンツ新領域の創出

スペインのホテルのロビー (josonbruges.com) 擬似的な陰を生み出す壁
オーストリにある建物 (www.bix.at) 建物全体がディスプレイになる。
ブティックのインテリア。行動に反応する照明 (electroland.net)

空間の中に楽しさをどう演出するのか?
センサー、アクチュエーターの投入で生まれつつある。
人の会話、人の発表によってライティングが変わることも自動的にできる。
新しい空間づくりの技術開発と、技術をつかったコンテンツ開発をすすめている。

xtel (moXa, Talktic, Entity collaborator, Life)
moXa: 小型のネットワークコンピュータ。
    床に埋め込むとかマイクに埋め込むなど。
Talktic : コンテンツアプリケーションの実行開発環境。
    画面を制御するように部屋を制御できる。
ENtity collaborator : コンテンツ同士の交換ネットワーク
Life : 活動の経験をどうやって生かしていくのか。
    コンテンツの経験をLifeシステムに蓄積する。
Xtel with xtunnel : 小型無線ノードからのウェブアクセスを実現

ユビキタスコンテンツ理論
 Design Thinking to Sketching Hardware

最新のもの
 フリミフラズミ:ミラノ・サローネ サテリテ部門に採択

どう製品化していくのか、社会へ貢献していくのか、
足りない研究は何なのか?

本研究は JST の CREST 事業として 5ヵ年活動
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「親しみのデザイン」
石黒浩:大阪大学基礎工学研究科システム創成専攻

アルスエレクトロニカで展示以降、アート的なものも面白くなってきた。
ロボットをやっていると「いつこういう時代がくるのですか」と聞かれる。
評論家では無いので、そんなことはわからないが、
明日にでもそういう時代が来る。5年後?10年後?
人とロボットの関わりを研究したり、センサーネットワークを開発したりしている。
そういう未来がくるのかな?
アランケイに情報化社会がくるのですか?と聞いたら、
自分は思い描いた世界を作ったので、お前も作れと言われた。

ショッピングモールでロボットが案内したり、
アシモが店員のカフェとか。
実証実験にこだわる理由がある。
人とどう関わるのか?一番疑問で、一番難しい部分が
研究室の中ではわからない。実証実験にこだわって研究してきた。

ロボットへの疑問。
見かけ、動き、近く、対話、発達するソフトウェア、生体模倣型メカニズム。
人間型のロボットでサービスしようとしており、結局は人間を求めている。
ロボットを作りながら問題を考えていく。
ぶつかる問題も難しい。

見かけと動きの基本問題、人間らしさ、人間らしい存在感、
人間のような発達機能。
人がロボットを作っているに関わらず、動きばかり研究している。
人は見かけを重視する。
奇麗なお姉さんをみて、動きがカッコイイと思うことは少ない。

不気味なアンドロイド。
 世界で最初の4歳児のアンドロイド。
 頭部にのみモータを埋めこむ。
 最初に娘がアンドロイドに対面したら、ものすごく怖がった。

不気味の谷
 人間に近づく直前で不気味になる(不気味の谷)

女性のアンドロイドの開発(with 株式会社ココロ)
 無意識的動作はアンドロイドを非常に人間らしくするが、
 脳の専門家は不自然さを指摘する。
 人間は心の状態を持つため、その反応動作はより複雑
 改良するためには脳科学や認知科学の研究が必要。
 (頭を叩いても反応しない)

不気味の谷は超えたが、何か違うところが残る。

ジェミノイドの開発
 人間のように対話可能なアンドロイドの開発。
 遠隔地で「存在」するためのメディア(通信機)
インターネットを介した世界中からの遠隔操作
 2つのモニタ(ジェミノイドの体と相手)を見て話をする
動かないジェミノイドは立体鏡
しかし自分の動きを見ても自分だと思えない
 自分の動きは実は良くわかっていない。
頬を触られると感じる。他の感覚も補完される。

実は見かけで無いことに気づいた。
人間と変わらない自然な会議。
学生は教授の権威までも感じる。
子供と遊ぶ。子供はすぐに適応する。人として受け入れる。
父親としてのジェミノイド「偽物のパパ」と呼ばれる。

盲人と対話する @アルスエレクトロニカ
カフェの中のジェミノイド(日本から遠隔操作していた)
半分くらいのひとは気づかない。

携帯電話に続く新しいメディアとしてのジェイノイド
レストランで携帯電話で話す怒られるがジェミノイドに話すのはOK.
ジェミノイドを通して恋愛できるか?
次のメディアは遠隔コントロールできる新しい携帯電話。

映画「サロゲート」のオープニングシーンに謎のロボットとして登場。
このままサロゲートの世界がやってくるわけでは無い。
映画の中で何を想うか?

あなたは、あなたのサロゲートに似ている。
本当の君が欲しい。君の心はどこにあるの?

化粧は(サロゲートは)人を変えるのか?
精神は体に(ロボットに)宿るのか?
人とは何か?

ATRの所長に「ジェミノイドに似ているね?」と言われる。
化粧が進化したものがサロゲート?

現実は人間の創造を超える。
サロゲートの世界は遠からずやってきる。
SF映画は絵空事から、近未来の思考実験の場にかわってきた。
しかし、現実は映画以上にまれである。
悲しむアンドロイド、人間のような豊かなアンドロイドの表情がつくれる。

アンドロイドによる死の表現。
死んでいくアンドロイドは人にしか見えない。
修理を受けるアンドロイドを見ても生々しさを感じる。
解体されるアンドロイドは人間を強く意識させる。芸術か?

アンドロイドは人よりも人らしい。
ロボット演劇(心の表現)
 役者には心は必要ない。ロボットでも十分心を表現できる。
 ロボットは単純なプログラムに従って動いただけ。
 ロボットの演技にほとんどの観客が人間らしい心を感じる。

人よりも人らしい人を造る。
 人間のマキシマルデザイン
 人間よりも豊かな表情 
 
人間の最低限の形。ミニマルデザイン(挑戦)
人間から人間には必ずしも必要ではない部分をそぎ落とした形。

人とは何か?何が人を人間たらしめているのか?
 体を機械に置き換えた人間に残るものは何か?
 心の実体を持たないに人間には何が残るのか?
 人間にミニマルデザイン(最低限の形)はあるのか?

メディアとしての人間とは何か?
 人は自分のことを他人ほどしらない。
 心は互いに持っていると思う故に、自分にもあると感じる
(相手がいないと自分がわからない)
 人間は社会的な存在である。
 脳と体は密に繋がっていない故に、
 情報/機械と融合できる(メディア/人間社会)

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道具としての親しみ (Naohito Okude - Experience Design)

人間と機械とのインタラクションの中に、生きている感覚。
機械の道具としての親しみやすさがある。

アンドロイドと社会
 仮象少史 - 古代かコンピュータ時代まで(ノルベルトボルツ)
 まさに機械と人間という関係。身体性を感じるか。

日常世界と経験
 経験デザインと親しみやすさ。
 親しみを生み出す道具をデザインする。

人間は経験がある。経験を何らかのメディアとしてくれるのが道具。
人間を何かの経験をさせるのが価値だということに気づいた。
スターバックスでコーヒーを飲むこと。高価なコーヒーでも、そこで経験することに意味がある。
Nike はなぜ Nike なのか、ランニングしている人へのメッセージを発している。
シューズを買うことだけではなく、ランニングコニュティに属していることを思い起こさせる。
ハーレーダビッドソンに載るという経験を生み出す。中年で革ジャン。
ハーレーの物語が生まれた。会社のロゴを入れ墨にするくらい。

日常生活を生み出す。
ホスピタリティの演出と日常。
Service Design (A brief introduction to service desingn - live|work)
コミュニケーションが介在する。サービスをデザインする。
サービス思考。バスを待っている、銀行の列を待っているとき。

サービス産業はサービスを「もの」にしようとしている。
商品にしようとしているのでわからなくなってきている。
ものの魅力をデザインする。
Alvin Toffler
ものを使ってみて「親しみ」を感じる
ものをつかって「親しみ」をあたえる
つくることと使うことを分けて考えなくていい。

道具としてものを考える
 道具は使ったときに意味がでりう。

デザイン思考
消費者ではなくユーザーである。
 買って満足するのではなく、使って満足する。

サービス思考
 サービスの中心に人をおく

加賀屋(ホテル):道具としての心地よさ。

加賀屋の哲学と尾錠。
 哲学:笑顔で気配り
 客の気体に応える
 正確なサービスを心がける。
サービスの問題
 労働集約的で難しい。
 サービスを可能にするネットワークを構築する。
 台所から客室まで配膳するトレイロボット
 コンセプト:ハイテク/ハイタッチ
客室中心のシステム
客室係がきめ細やかなサービスをするためのデータベース
継続的なサービスが出来るように従業員を支援するシステムを構築

◆道具としての親しみやすさ
 
親しみやすい道具をつくる7つのステップ

1. サービスデザイン
 サービスデザインとは様々な「タッチポイント」を使って
 人々に触れることのできない経験をある程度の時間の中で
 提供する仕組みをデザインすることである。
 デザイン思考方法論を使う。

2. サービスエコロジーをみつける
 サービスエコロジーとはサービスとそれが提供されている
 民族誌的調査を行なう。
 医療行為によって感謝が発生している。
 彼らの世界とのタッチポイントを見つけないと行けない。
 どうやって医療従事者が患者をみているのか?

3. Touch Point
 ペーパープロトタイプ。動かしてみる。形が見えてくる。

4. ものではなくサービスを望む
 親しみをあたえてくれる「もの」を求めるにではなく、
 親しみのサービスを望む(service envy) ように演出していく。
 ここが一番難しい。
 モデル分析

5. 実証する
 開発した道具をどうつかってもらえるのか?
 ペルソナを作成する。
 患者、医師、ヘルパー、全てのペルソナをつくった。
 シナリオをつくる。

6. 経験をプロトタイプする
 顧客とサービスを提供する専門家に実際に使ってもらいながら
 デモをしてフィードバックをもらう
 何も言わないで使ってもらう。いきなり使い始められるか?
 在宅医療という目的がはっきりしているところで検証した。

7. 検証モデル。
 実際にどういう形でサービスを提供するのか?
 過去から存在していたかのように使ってもらえるのか?
 当たり前の項目があたりまえに使えること。
 フィールドテスト
 
ヘルスケアという特定の状況。
日常生活は非常に複雑なことを行なっている。
体験があると思い込んでいる。
inter subjectivity のポイントをつかんでインタラクションに
持ち込んでいても、日常と変わらないのですぐ使える。

コンピュータの設計は、システムを使うと物事が解決する。
直感的にやることを整理してあげると、
皆が使える道具になる。
カンナ(鉋)のような道具。

人間は均質で同じ運動している。
人間が端末を持って、複雑な世界にはいっていく。
人々と人々がコミュニケーションが積み重ねるところに
どう経験デザインをいれていくのか?
親しみやすいデザイン、ユーザビリティを超えた世界。

奥出:アートとエンジニアリングの境界線にデザインがある。
石黒:超えてはいけない一線は無い。やろうと思ったらやってしまう。

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山中俊治 美しさのデザイン

大学の時に機械工学科、卒業に6年かかった。漫画を書いてばかりいた。
漫画と機械工学の両方を生かせる仕事を探してプロダクトデザインに行き着いた。
日産のデザイン部に漫画をどっさり持ち込んで面接をうけた。
Nissan 945 のデザイン、その後独立して、時計のデザインなど。
一番皆さんに使ってもらっているのは、スイカの自動改札。

最初に設計する時に、どうやったら人がうまく使ってくれるのか考えた。
ほんの少し斜めにする、丸く光らせる。
それだけで劇的に認識率が高くなった。
スイカの改札、13.5度傾いている。その角度を決めたのは私。

W-SIM カード、カードそのものをデザイン。
時計の内部機構、そのものをデザイン
大根おろしのデザイン。
両手親指キーボード。NY MOMAのコレクションになった。

年配になるとデザインを辞めてしまう人もいるが、私はずっと続けている。
富士通に依頼されてつくった、携帯電話のコンセプトモデル。

その1:構造をデザインする

 形を描こうとしてはいけない。
 構造を描くことによって自然に形が生まれる。


絵を描くと輪郭線を書いてしまう。
昔書いていた漫画はスポーツマンガ。
重要なのは、構造、骨格がどうなっているのか描けると自然に人間の形が奇麗に描ける。
外観を造ろうとするのではなく、構造を自然に造ることでできる形が美しい。

 有機的なスタイルを与えることよりも、
 洗練された設計解の達成によって、
 結果的に有機的な印象になることの方が上位にある。


yumihiki.jpg

からくり人形:弓引き童子
玉屋庄兵衛、9代目、道具も全部自作。
最近になるまで内部構造を見せないものだった。
からくり人形の内部構造こそが美しいものを作ってみた。
加工性に応じて、様々な素材が使われている。
全部で 11本の糸が胴体の下にある。
カムが一本一本の糸をコントロールする。
イヌワシの羽が矢をまっすぐに飛ばすのが重要。

顔をのっぺらぼうになるよう提案した。
うっすらの鼻の部分が突起している。
玉屋氏は、まず顔から作っている。
図面書いて造らないとダメかと思ったが、
顔から全体が造られていく。
古き良き、デザイナー、エンジニアである。

◆美しいスポーツ義足
 現在手がけている。来週にも1本新しいものができてくる。
パラリンピック、人間に似せた義足ではなく、
人の足に似せるのをあきらめることによって、
性能が得られた。
その義足の構造が美しい。彼らの姿をスケッチしながら、
何ができるのかを考えていった。
新しい義足を造りつつある。

その2:生命感をデザインする

漫画が実物と似ない点において正に実物
自身よりも実物に似るというパラドクシカルな
言明はそのままに科学上の知識に適用することができる。
(大正13年、寺田寅彦「漫画と科学」)

この3体のロボットを造りながら探求してきたものは、
生き物の仕組みではない。
人がどんなものを生きていると認識するか、
つまり私たち人間にとっての「生き物っぽさ」の抽出である。

◆働かないロボット

ロボットはもともと「労働」の意味なので、矛盾した意味。

cyclops.jpg
Cyclops
2001 年に造ったロボット。愛知万博にも展示。
Cyclops の制作風景(takram の田川さんが作業している!)
動くものに反応してそっちを向く。人は何か知性のイリュージョンを感じる。
考え込んでいるのだろうか?と想い、皆が呼びかけする。
「ああそうか」ある意味での抽象化。
エッセンスを造ることが意味がある。

ephyra1.jpg
Ephyra
日本の繊維技術を示す展示。Sensware 。
4m のストッキングのような素材の中にアーム。
アームの先端には静電容量センサーがついていて、
人がさわったか触らないかで反応。
やわらかい動きに苦労した。
シリンダーに何秒後に伸びきるのか予想させて、
伸びきる少し前に勢い良く収縮するような作りに。

photo1.jpg
Flagella
SFCの研究室で作ったもの。
曲がった素材を組み合わせ、
お互いに回転することで曲がっているように見せかけている。
SFCは機械工学が無い。本を紹介し、独習させ、作った。

その3:応答をデザインする。

レイテンシーが無いことが重要。
メディアアートの場合、やれる可能性を探してしまうので、
何かするのに、一瞬遅れる。
携帯電話でさえ、一瞬おくれる。
山口のミニマルインタフェース展用の案内システム。
穴の開いた紙が配られ、会場に設置されたテーブルに置くと、
オーバーラップして案内が表示される。
レイテンシーが無い。
言語的な制限、覚えなければいけないことがない。
失敗して困ったことにならない。
使い勝手を教えないでも使えるようになる。
案内システムが一番人気の展示になった。
紙がしわくちゃでおちゃんと

iPhone Baby
1歳半の子供が、iPhoneを使いこなしている。
手のサイズとの比較だと、iPad のようにも見える iPhone(笑

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稲蔭正彦 xtel 21世紀型コンテンツのためのデザイン・エスセティクス

5年間、新しいデザインの領域を開拓しようとしてきたプロジェクト。
まとめのシンポジウム。美しいもの、心地良いものは何だろう?

iPhone baby に対抗するわけでは無いが、
動物達はとてもクリエイティブである。
 Monkey Painting (Hardcover) by Thierry Lenain
 巨匠の作品と比べるとたいてい間違える。
 When Elephants Paint
イルカも絵を描く?動物達はとてもクリエイティブ。
子供達にアーティストですか?と聞くと全員が手をあげる。
だんだん大人になると、アーティストでないと思ってしまう。
アーティストという職は楽で、自分がアーティストだと言えばアーティスト。

作品を作るときに大事にしているのは、プロセス。
作っては直し。作っては直す。
いかに早く繰り返すかが大事なポイント。
ラピットプロとタピング、いかにたくさん繰り返すかが
作品の優劣を決める。
Hagoromo Densetsu (Paris, France 2008) 舞台装置、映像。
セットでは出来ないことを映像でカバーする。

自分でアルゴリズムを作成し、反映してきたもの。
アーティストにとって、アカデミアの技術は、絵筆を開発するようなもの。
SFC入る前と後ではそれほど変わらない。
近未来のパフォーマンスを手がけている。
こういうコンテンツはスクリーンや舞台が主役。
生活の中にちょっとした、スナップサイズのコンテンツとして
作り出せないか。
映画は映画館にいって、2時間楽しむもの。

脇役としてのコンテンツ。
 ユビキタスコンテンツは、脇役として心豊かな生活を支援
 5 seconds of fun - 一瞬の癒し

生活とコンテンツ
 衣食住+楽
{行動的、視覚的、時間的 }コンテンツ

ユビキタスコンテンツのデザイン
 モノ・空間・情報をデザインする
 インタラクションをデザインする
 行為・行動をデザインする
 経験の連鎖をデザインする
 Collectivity をデザインする
 ストーリーをデザインする

インフォメーション・エスセティクス

データビジュアライゼーション、可視化。
美しく、興味深く可視化しないと人の興味をひかない。

SURROUNDINGSWELL
雨漏りをうけるバケツ。
フリミフラズミ。ミラノ・サローネ サテリテ部門に採択
局所的な天気予報がバケツの形の音と光で表現。
http://surroundings.sfc.keio.ac.jp/swell/

インタラクションのデザイン
どうやってインタラクションを促すかが重要。
生活の中でどうやって誘導するか?
「影の世界」影の中にキャラクタが表示される。

行為と行動のデザイン

Amagatana(雨刀)
傘を振るのは自然な行為。どうやってインタラクションに持ち込むか。

Panavi
フライパンが料理のアドバイザーになってくれる。
美味しい料理を作るプロセスを紹介。
生活空間に誰しもが持っているものを使ってどう見せるか。
だれもが持っているものを進化させる。

MYGLOBE
http://www.myglobe.jp/blog/
地球儀を進化させることができないか?
人が外で活動している経験を地図に引き戻せないか?
町を歩いていても、よく知っている道と知らない道がある。
認知地図。

Collectivity のデザイン
集合知。みんなの力でできることをデザイン。

Fleur(フルール:フランス語で花)
単なる照明器具ではなく、呼吸をしている。
膨らんだりしぼんだり、会話の盛り上がり度によって、変化する。
会話のスピードと合う、合わないことに気づくことがある。
パブリック空間とプライベート空間のスイッチ。

経験の連動。
連鎖をコンテンツに応用できないかと考えた。
Amagatana と Sound Candy の連動。

ストーリーのデザイン
 ライフスタイルは日々のストーリーの積み重ねである。 

Safe Social Networking
社会にどうやって使ってもらうのか。
かざすと建物の向こう側が見えるデバイス。
経験を蓄積する都市のコンテンツ化。

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Q(奥出)もともと違う分野から今の

山中:最初コンセプトを話しただけ。最初はギアひとつ知らないところから始まった。
   1年後には作れてしまった。適応能力の素晴らしさは驚きであった。
   そうやって鍛え上げて 1-2年すると居なくなってしまう。
稲蔭:大学に入って、学生と向き合うとき、教えるのではない、
   自分が学費を払わないといけないと思うくらい、アイデアをもらっている。
   学生がアイデアを出し、自分たちで作っている。
   自分は良きパートナー。「何々をやれ」とは言わない。
   大きな流れのを語る、コンテキストが固まってくる。

Q. 美学は意識している?

山中:僕はなにやっているんだろうと、考え続けている。
   美しいと思います。なんで?の問いが大切。
   シーンの直感。科学は抽象化概念を探している。
   美学は主観的に到達してしまう。アプローチは違うが
   我々が見ている中で、いつのまにか感覚的に
   健全さ、ものごとがうまくいっていること、
   起こっていることが明瞭に意識された時の直感。
   感情と正しく連動しているか。
   何に気づいて美しく感じているのか。
   「なんかいいから」という表現はダメ。
   作っている途中で分からなくなるからダメ。
   直感的に良いと思ったものが何だったのかを問いかける。
   それを言葉にできないといけない。

稲蔭:作家としてはスタイルが大切。複数の作品で1つの個性が大切。
   それが主張できないと一人前の作家とは言えない。
   うわべの色使いだけではな。
   どうやって魔法をかける。魅了する魔法のかけかたにスタイルがある。
   魔法のかけ方のスタイルを教えようとするが難しい。
   魔法の隠さないといけない部分を露出しないように。
   隠すことによって魔法が生じる。そうやって作品を仕上げていく。

山中:いろんなところに妖精や精霊がいる。
   それを皆が共有しているのがわかる。
   リアルな存在では無いが、ふと感じている直感のひとつ。
   
稲蔭:音楽の調律のようなもの。
   イマジネーションがどこかにいくとぶれてしまう。
   常に原点にもどす。

山中:ロボットでもセンサーや仕掛けが記憶にのこってしまい。
   同じ仕組みで何かしようとするが。
   生きているっぽい感じを表現する。センサーやコンピュータは隠す。
   ひとつ作ってしまうと、同じ仕掛けで似たようなものを作ってしまう。

Q. 人間の身体の動き、機械と身体の動きもデザインしている。
  インタラクションデザインで動きそのものはどうやってデザインしていく?

山中:昔スポーツマンガを書いていて、止まった絵だが、間が大切。
   どの瞬間を絵にしてもいいものではなく、人が印象的に思う「間」がある。
   それは実際に物を作っていても「間」やタイミング。
   身体は、重心の移動の瞬間がある。
   動的なところがつかめると動いているときに自然になる。
   そういう整理をちょっと入れてあげるだけの動きを美的直感でとらえる

稲蔭:もともと視覚メディアはビデオシンセサイザーから。
   時間には連続性がある。自分のイメージどうり作りたいときCG。
   CG は直感ではなく、思考でつくる。不連続ではなく、連続の錯覚。
   本質的にみると動きが違うことに気づく。
   本物そっくりに見えても動きが偽物に見える。
   考えながら作っているものに関しては、納得する動きが作れない。

Q. メカニカルな割には、時間の流れには敏感。
  頭の中でどうやって整理している?

山中:直感的にこうでないかと思ったことを単純に力学として理解することも重要。
   数学的な直感は大事。後で自分の美意識の裏付けになる。
   SFCは数学を教えないから....

メカニカルな数学的な動きを知った上で、もうひとつ上の段階で捉えないといけない。

稲蔭:クリエーターの立場から数学的にCGでは作れる。
   意外と自然界に無い動きに共感を有無ことが心地よい瞬間がある。
   それが見つかった時、その表現メディアの特性をとらえたことになる。
   実空間のコピーでしかない。
山中;最適化された何かが見つかるかもしれない。

実世界は複雑。CGはメカニカル空間。
僕らが持っている感覚の方が大きい。

稲蔭:実空間に無い空間での動きが新しい美学に繋がっているところもある。

Q: 複雑の物理現象を感じるときは?

山中;快感は、ある意味倒錯。
   子供はある種の食べ物を嫌う。
   大人になると、ちょっと危ない食事を味わうことが美食になってくる。
   完璧に動作しているものだけではなく、
   不自然と自然の間の絶妙なところを生み出す。

稲蔭:人間の本質は変わっていない。
   ストーリーを考えるときは予期させた結末と意外性の結末の微妙なバランス

山中:確かに少し前までは、モダンデザインで見逃していることがある気がしてきた、
   ひととおりやってしまうと、
   テクノロジーが未熟だったから、モダンデザインになった。
   最新テクノロジーで脱モダンデザインが可能になる。

Q. 心がけていること

山中:ひとつは、作家として気がついたこと。
   仲間と作らざるを得ないとき、人と作らざるを得ないとき、
   自分が一番わかっていて、それに従わせようとするとうまくいかない。
   自分が主導権を握ろうと無理をすると良くならない。
   いまいるメンバーで一番良いものを作るにはどうしたら良いかを考える。
   なにを人に期待すると最も良いものが作れるのかを考える。

稲蔭:違う文化圏、同じ人が組むとなにも生まれない。
   会話が成立しないようなバックグラウンドを持つ人と組むほうが何か生まれる。
   オペレーションが難しいが。
   2つのレイヤー。大きな流れ、ビジョンを持つちから。
   今作っているものを光らせる力を持つ。
   「何のため」という大きなビジョンを見失ってしまわないように。

山中:自分のアイデアを了解を得て、押し付けることもイイと思っている。
   自分の方が経験があるので、仕方が無いときもある。
   主導権争いは作家として本気で向き合う。

Q. 弟子として学びたいことと、師匠として学び取りたいことがある。

Q. 会場から:エンジニアとデザイナーとしての境界が自分の中にあるのか?

山中:エンジニアでもあり、サイエンティストでもありアーティストでもある。
  方法論が違う。主観をセンシティブにし、内製的なものを掘り返す。
  アーティスト的な作業。論文にもならない作業。
  これを終えると、実験やプロトタイプで検証しながら事実はなんであるのか
  客観化し、だれもが同じ言語でかたれるようになる。
  両方を混ぜない方がいい。
  エンジニアとアーティストが違う人ではなく、
  一人の人間がやることで到達できることがある。
  喧嘩しあうので、論理が主観を殺すときもある。
  人格の使い分けが大切。

稲蔭:レオナルドダビンチは天才だと思うが、
   日本には足りないのはエンジニアマインドもクリエイティブだと思うし、
   ビジネスにする新しい仕組みを思いつくのもクリエイティブだと思う。
   一人の中でこなせるし、一人だからこそ生まれるもの。
   アーティストでも、エンジニアでも、ビジネスマンでもある、
   だからこそクリエイティブな社会が生まれるので、分けることには意味が無い。

Q: 会場から:構造をデザインする。iPhone を考えたとき、
 ネットワークに作業させる、空っぽな構造になってしまう時、モノのデザインは?

山中:せいぜい手触りの良い背面がついているだけ。
 Apple は良く理解している。ボタンが 2個あるといろいろできるのになぜ?と学生はいい。
 Apple が言語的なルールをつけない。
 2個ボタンがあるとルールを決めないといけない。
iPhone はそれをしていないから赤ん坊でも使える。
 そこで何を言えるかというと、あらゆることをソフトウェアで実現する思想。
 ユーザインタフェースをソフトウェアで実現する。ハードウェアはそれを支える。
 フィジカルな構造が非常に重要になってくる。それはソフトウェアで解決しない。
 デザインがソフトウェアになってくるとき、
 ソフトウェアを含めた「フィジカル」をデザインするのが大切。