6/29/2011

[&] Cannes Lions 2011 + iPhone



先週、Cannes Lions 2011 が開催されていました。
今年から単なる「広告祭」じゃなくて、
Cannes Lions International Festival of Creativity という
クリエイテイビティを全部ひっくるめたフェスティバルになりました。
手のこんだ数々の感動的な映像広告に心が震えます。

そこでちょっと見渡してみると、iPhoneをうまく活用した広告がたくさんありました。
これはもしかして今後の iPhone アプリの勝ち組の方程式が見えてくるのではないかと思って
iPhone系の受賞作ばかりピックアップしてみました。
広告系のCannes Lionsレポートや、広告系の雑誌レポートは多いけど、
こういうIT系アプリ開発者からの変な見方で、
Cannes Lions を紹介しているのは初めてかも?

(ちなみに Cannes Lions は作品エントリーが有料で、
 必ずしも世界中の素晴らしい広告が全て選に入っているわけではありません。
 あと、一度も公開していないアート的な作品は認められず、
 必ず一度はパグリックな広告として公開されたことが無いとダメなはずです)


●宅配ピザのドミノ・ピザ「Domino's App誕生!!」 / KAYAC+A.C.O.+HAKUHODO
iPhoneのGPS機能を活用して、今居る場所にピザを届けてくれる。
お花見のときとか、ピクニックにも。iPhone経由の売り上げが5億円を突破したとのこと。
アプリは22万以上のダウンロード。


●SALUTE TRAINER~敬礼訓練プログラム~海上自衛隊 / HAKUHODO
海上自衛隊の敬礼を学ぶためのiPhoneアプリ。
いたってまじめな内容なのだが、ラーメンズ風のシニカルな笑いにつながっている。
一流のユーモアと、海上自衛隊の心意気が伝わってくる。


●Google DEMO SLAM: RUSHMORE / Google+JOHANNES LEONARDO
この映像の楽しさを知るために、説明しておかなければいけないことが二つあって、
まずはラシュモア山。歴代4大統領の巨大な彫像。ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」にも出てきた。
もうひとつは、Googleゴーグル, iPhone/Androidで動作するアプリで、
写真を撮影して、その写真に写っているものが何なのか、画像をもとに検索してくれるサービス。
で、Mt. RUSHMORE をリメイク?して、Googleゴーグルに本物だと騙せたら成功!ということだ。





●I LOVE YOU - VOLKSWAGEN / ALMAPBBDO São Paulo
iPhoneの文字入力時の、変なサジェスチョン(候補)のせいで、
変なメッセージを送ってしまうというもの。
I LOVE YOU 編の他にも、BOSS編と SON, YOU'RE ADORABLE編、IT´S NOT YOU編がある。
僕も同じような失敗を良くするだけに、なんだかものすごく共感できる。


●MUSICAL FITTING ROOMS / STARHUB+DDB SINGAPORE
買おうと思っている服をフィッティングルームに持って入ると、
その服についている無線ICタグ(RFID)から、その服に最適な音楽がフィッティングルームで
鳴り響くという戦略。もちろんその曲はその場でiPhoneで購入できる。
服買う時って、なんかアガる感覚があると思うんだけど、その気分をさらに強調/増強するような、
これこそ拡張現実だな。


●THE VOICE / REPORTERS WITHOUT BORDERS+PUBLICIS BRUSSELS
国境なき記者団のもの。雑誌の中に政治家の写真が載っているのだが、
その口の周りに点線が描かれている。そこに iPhone 動画を重ねて表示させる。
つまりは口パク映像アプリで、政治家達にしゃべらせるというものだ。
残念ながら QRコードのミス?とかで現在はアプリは公開されていないもよう。


●THE COMMBANK PROPERTY GUIDE APPLICATION
THE COMMONWEALTH BANK OF AUSTRALIA+THE WHITE AGENCY Sydney+VIVANT Sydney
AR(拡張現実)を利用して、売りに出ている住宅の価格/周辺情報/住宅ローンなどがiPhoneで入手できる。
これだけだと何だセカイカメラ風の普通のARだと思うんだけど、
実は新聞の広告から、ARの街に広がって、それがさらに現実の住宅にまでたどり着くというところがポイント。



●THE SAMPLER / CONVERSE+R/GA New York
靴のコンバースによる、iPhoneアプリ。
自分の足下をiPhoneで撮影して、コンバースの靴の画像が上書きされて、
あたかも新しい靴を試着している感じに見えるアプリ。


●GETAWAY STOCKHOLM / MINI+JUNG von MATT Stockholm
逃げる車MINIを探し出す、壮大な鬼ごっこ。
最初はバーチャルな車、見つけると実際の車を借りられたりして、
さらに鬼ごっこは町中を巻き込んで広がるみたい。


●M&M'S FIND RED / MARS+PROXIMITY CANADA
赤いM&Mチョコを探そう!というプロジェクト。
Google Street View のパノラマ映像とうまく組み合わせた作戦。
現実世界のリアルとインターネット上のバーチャルと、
さらにまた現実世界のM&Mチョコと。この循環が引きつけるポイントかも。


●360° / RENAULT+PUBLICIS CONSEIL Paris
車から見る風景がいかに広々と360度見渡せるか。。。という感覚を
iPadを使って知ってもらうためのアプリ。主軸はあくまで車というのがポイント。


●HEINEKEN STARPLAYER / HEINEKEN+AKQA London
試合を見ながら、次の局面を予測して、ポイントを貯めていくアプリ。
例えば、ゴールが決まるかどうか?とか、コーナーキックが成功するか?とか。
コーポレートカラーやグラフこそハイネケンビールけど、
あまりビールのことは前面に出ていなくて、
ハイネケンとサッカーチームの共感がいい感じに影響している。
Facebookアプリもあり。


●NIKE FOOTBALL+ TEAM EDITION / NIKE+AKQA London
サッカー選手の紹介、サッカーのプレイテクニックビデオやインタビュー映像の集約アプリ。
iPhone版もあり。
サッカーの試合を楽しむというよりも、NIKEがターゲットとする、
サッカーそのものをプレイすることを楽しみ、練習/鍛錬に励む層に向けたアプリなのがポイント。


●TABIO SLIDE SHOW / TABIO+PROJECTOR Tokyo
靴下のTABIOのiPadアプリと広告映像。
なんというか、もう脱帽するしかない感覚を揺さぶる素晴らしさ。
靴下で板の間の廊下を滑ってみたいという、
昔の子供の頃の欲求というか、なんかちょっと悪いことしているような気分にさせる。
あと、靴下ってたいてい折り畳んで売られているけど、
実際に足に履いているところを見ると、その「モノ」としての靴下がよりよく分かる。
映像のかわいらしさ、浮遊感が素敵。
普通こういうアプローチをすると、女性寄りになったり、男性寄りに偏ったりするんだけど、
男女ともに好んでもらえる映像と配役。商品そのものが本来もつ魅力にあふれる。
Projector+関係者の感覚が素晴らしい!
そしてこんな靴下会社らしからぬ、三足1000円で売るのではない
広告戦略にお金を使おうと思ったTABIOの社長/社員も素晴らしいな。


●TRAINING CLUB / NIKE+AKQA London

http://awards.akqa.com/awards2011/CannesLions/NTC/default.html

NIKEによる、iPhoneがパーソナルトレイナーになるアプリ。
数多くのワークアウトビデオとFacebookとも連携。
トレーニングのモチベーションを保ち続ける様々な工夫が組み込まれている。


●AIRWALK IPUS / AIRWALK+Y&R New York
http://205.247.222.80/Awards2010/airwalk/
ショップの場所が分かるAR的アプリ。その場所に居ないと手に入らない限定品を知らせたり。



●THE INTERACTIVE COAL-GATE / BBDO+BBDO PROXIMITY
現実世界に現れた巨大なQRコード。
現実世界は人間にとって意味不明なQRコードで、iPhoneの中にはAR/VRの展示会が広がる。



●AUGMENTED REALITY CALENDAR / AUDI+NEUE DIGITALE/RAZORFISH Berlin
カレンダーには美しい風景が印刷されているのだが、肝心の車がいない。
iPhoneをかざすと、ARで車が上書きされ、
何も無い風景に車が加わることによる楽しさやワクワク感を見せている。
無理矢理「物質」としての商品を押し付けるのではなく、
引き算で考えて「体験」を提供しようとしているところがポイント。


●SEND A MESSAGE TO THE FUTURE / AMF+FORSMAN & BODENFORS Gothenburg
タイトルどおり、未来にメッセージを送るアプリ。
友達に対して、20年後にしか読めないメッセージを送ったりできる。
Facebookとも連携。
20年後に読むためのコードを忘れてしまう?
じゃあ、入れ墨にして記録しておこうという強引なお薦めは笑いをとるためのもので、
実際は米国人なら忘れないソーシャルセキュリティナンバーを使う。


●REPAY FOR GOOD / UNICEF+SERVICEPLAN Munich
継続的に寄付をしてもらう。そのタイミングを喚起するためのサービス。


●HOMEPLUS SUBWAY VIRTUAL STORE / TESCO / CHEIL WORLDWIDE Seoul
スーパーマーケット TESCOの戦略。
店に行かなくても地下鉄の壁に鮮やかな商品棚が表示されており、
スマートフォンで商品を認識させると、オンラインで購入/配達される。
電車に乗る行為は、たいてい「待ち」時間が発生する。その待ちと、
スーパーマーケットに来る客ではなく、来ない客に対してアプローチしたのがポイント。

さて、一通りチェックして iPhone/Android 系はこんなもんだと思うけど、
見落としがあるかもしれないので、なんか抜けがあれば、教えてくださいな。

そうそう、こういう良質の広告映像ばかり見る上映会みたいなのがあるといいな。
広告系のイベントみたいなのがあれば、ぜひ呼んでくださいな。

6/17/2011

[&] Naoki Sato @ OpenCU


佐藤直樹 @OpenCU

広告からパッケージデザインまで各方面で活躍中の
佐藤直樹氏 ( @naokisatoasyl )がその考え方や仕事の裏話などを紹介。
書ききれなくて、ものすごく文章が荒いけど、ログとして公開しておきます。
ここでの話は7/15 のコマーシャルフォト8月号に載る予定とのこと。

-------------------------------------------
「あの広告はだれが作ったんだろう」
私たちの周りには当たり前のように広告があり、
広告スペースがあります。


佐藤直樹さんが発明したプロトタイプ
 デザインのひきだし:インキの魔術師 →
強力に編集長の世界があってこそのプロダクトであることは
間違いない。
その特殊性がこういうカタチをとらざるを得ない。
スタッフが決定している部分と僕が決定している部分の境界もあいまいになっている。

特殊印刷技術のパッケージでもある。

津田編集長が普通に極度の本好きで、ロングインタビューに出ているのだが、
衝動買い、ジャケ買いを経験してから、気になるようになった。
ブックデザインを特集したムックを手がけたのがきっかけ。
そのときは DTPWorld の編集部。こんなことになるかとはわからなかった。

第一号でたときにびっくりした。

これは書籍の発明だと思った。書籍の流通に対する発明。
まいごうまいごう、定型で初版限定実物見本と書いているが、初版しかない。
増刷できないことをしてしまう。初版を作るときに考え方として、
大量に部数調整するつもりがあったのかもしれないが。
1万強刷っている。書籍の数にしてはけっこうな数。
定期刊行物であり、雑誌ではないので、いつでも辞められる。
いち時期やめていたときがあったが、書店からクレームがあった。
いろいろ僕らが週間的に思っていたことの中で、
あまりにも習慣化しすぎて、雑誌がどんどんつぶれている。
雑誌はそもそも、手をかけて、数百円で手に入るのはおかしい。
だから広告を載せて、最後にはタダになってしまう。
どこからお金をとっているの?
広告収入が主になっていて、広告入ることが前提で作ってしまっている。
人間の感性の法則で進んでいて、急に止められない。

雑誌を作ろうと思ったときに、そこまで考え無ければいけない。
ものすごく誠実にやっているだけで、変わっていることをやっているわけではない。
デザインの力で、モノを買った経験がある。
それはマジックにかかったのよう。
そのマジックの種を知りたくてやっている。
デザインを支えているのは技術。
抽象論理にいかないで、ただひたすら構造分析しているだけ。
印刷技術誌みたいになってしまっている。
特殊印刷の特集をデザイン雑誌がしたとしても話題にするだけで実際には特殊印刷しない。

シールの印刷に関して疑問に思ったところがあって、
表紙がシールになってしまっている。
シールをはがしたときの剥がし感がわかるようにギミックに凝っている。
活版の特集のときは、活版でかなりのページを印刷している。
細かい話をするといくらでもある。
つきあっているうちに、こんなところまできてしまいました。

青焼きといって、建築の図面で知られている。
麻布十番に青焼きをやってくれる会社がある。
いちまいいちまい手差しで 2500枚、手作業でやった。
青焼きを表紙にするというのは会議のときに出て、
現代の印刷でガリ版はありえない。けれども、ものすごく面白い。
とにかくガリ版が好きな人で、技術がどんどん特化していく。
いわゆる印刷のテイスト的にも非常に他のものがまねできないところまで到達している。

いまアートが流行っているけど、よっぽどガリ版の方がアート的。
ガリ版業者として印刷をやっているだけ。
本人は旅行好きというののあって、離島好きと印刷好きがくっついたもの。
よく特集に地方の印刷屋さんの話がある。
あたりまえに、すっとはいってきているのが楽しい。
だいたい1万部、初版が毎号完売している。完売したら普通部数をあげるけれどもあげない。
これで十分だと、続けている。
普通の経済観念からすると不思議。
冷静に考えるとスタッフも少ないし。
さまざまな印刷業者さんの宣伝媒体のカタログでもある。
なにが面白いものを追求するタイプなのか、何が広告的なものか、
ぜんぶが溶解していく状態。
1万という数が経験知的に安定している数。
けっこうデザイナーという人ではなく、広報とか、ポップを自分で作らないといけない人とか、
そういう人たちの反応がビシビシきている。
デザインの業界をみてみると、似たような人種がいて。
ブレーンとか見ていると気持ち悪くなってくる。
なんだろうと思って?
作っている人たちは良い人たちなんだけれど。

罪を憎んで人を憎まず。
広告媒体に頼っていくうちに、広告収入によって成り立っていると、
雑誌が出せなくなる状況になる。そこに入っていってしまう。
多分そのニオイがする。まじめに作っているが非常に均質。
広告を広告業界が作るのが外せなくなっている。
広告は何かを売りたい、となると自然に発動するもの。
そういう情報が行き来していない。

デザインのひきだしの方法論としては非常にマニアックに見えているのではないかと思っているのだが、
使っている人、そこらへんの印刷屋さんに飛び込んでもらう。
特別の人じゃないとできないことではない。
とにかく一番近くにあった印刷屋さんに行ったらできてしまうものかもしれない。
作っていても楽しいし、
そっちがどんどん向いている。

広告の気持ち悪さは無い。

でもものすごく広告。中の印刷屋さんの紹介とか、
どんなに特殊印刷しても、絶対に値段があがらない。
これ以上高くしてしまうと、手にとろうとしている人に届かなくなってしまうから。
値段はともかく設定している。
だいたい1万人に届けよう。それならなんとか無理して印刷できる。

活版とか少部数のもの、
みんなが均質化してきたものじゃないもの。
商業誌1万部の受注はいきなり来ない。
そのときびっくりして、
普通のことやっても全然満足しない。

最初から一万?

さいしょスター時、なんにもわけもわからずスタートした。
部数はほとんどかわっていないはず。
値段設定を、いろんな業者にいろんな技術を提供してもらい、安くする。
時間をかけて印刷に関わる人はたくさんいる。

デザインのひきだしだけで話が終わってしまう。。。。
見本帳としてすごく。
特殊印刷は見ないとわからない。
ちゃんと分かったひとが見せてくれる。
「上手なワニの捕まえ方」の技術版のよう。

青焼き表紙のとき、
いくらなんでも表紙が薄すぎるだろう。となった。
「いや、製本できるから」って言ってたから。
本当にどうしようもないものになってしまったらいやだと思った。
それは失敗ということ?
失敗もさらす。みなさん、やっちゃだめですよ!ということを示した。
いろんな挑戦がつまっている。
-------------------------------------

001: MAINICHI RT

新聞紙です。新聞です。
これは普通に発行されていて、
非常にリサイクルな媒体。
RT と聞いてわかると思う。
新聞業界、若い人の新聞はなれが激しい。

ずっと、毎日新聞を読んでいて、毎日新聞が好き。
縁があって毎日新聞の記者さんと会うことがあって、
なんとかしないといけないという話になった。

毎日くらいの規模なら、まだいろいろ余地があるなと思っていて、
サイトもあるし、Twitter もあるし。
普通に Twitter 連動している紙媒体。
いま試行錯誤中。やりながら考えている。
新しいことをやるのにはお金がかかる。
朝日とかは、ものすごいお金をかけて、ものすごい新しいことをする。
ものすごいお金をかけると、ものすごいお金を回収しなければいけない。
MAINICHI RT は小さなセクションでやっているので、
あまり予算はつかない。
僕のやっているものの傾向は、最初金がない。

JTのタバコ、過去にやっていて、
当然タバコだからある程度の大きなマーケットを相手にする。
緻密な計算式のもとにやる。
予算が無いけどもやってみないと。
MAINICHI RTは一日遅れの素材を使っているので、
ニュース素材はすでにある。ランキングが出たあと。
ニュースはなんとなくただで見られるように思えるが、
やわなものでは無くて、情報を得られるシステム。
情報供給の長年培ってきた、良くできたしくみ。
それをちゃんと使いながら、情報が循環するようにした方が良いと
思っている記者さんはたくさんいる。
そう簡単にかえられないこともある。
ネット上でニュースを見るが、機関から提供されるものと、インディペンデントなものとを読んでいる。
いまあるものを無理なく。
ニュースのランキングを反映しつつ、とどける。
ニュースは1日遅れてもそんなに困らない。実は。
印刷機が空いているときにつかい、
フォーマットを規定しまい、デザイナーが関与せずに、つくられる。
誰でもその日から記事をながせば。
2書体。
空間ができたときは、どう置くのかのルール作りを共有して、
それなりにすっきりとした雑誌風のレイアウトがだれにでもできるような仕組みを組み立てた。

新聞のデザインは独特。いろんなルールがあって、
そのルールによって、新聞らしいデザインになっている。
モダンデザインと呼ばれる。
MAINICHI RT を見るとデザインされていると感じる。
新聞もデザインされているのだが、ルールが違う。
新聞のリデザイン。あれはかなうわけがない。
新聞の良さが感性されていて、かなわない。
何が読み間違えないのかをルール化されている。

世の中の距離感からすると、独特の時代感をもってしまっている。
一種の骨董品としかみられなくなっている。

メディアの賞味期限。
メディアは賞味期限との戦い。
昨日おわっていたはずのニュースにフィードバックが加えられているのがMAINICHI RT
勝手な思い入れでいうと、新聞はニュースが読まされている気がしていた。

じわじわといい効果をだしていくのか?
ものすごいお金をかけて回収することを考えていないので。
大手の新聞社は若手の起用が遅い。
編集の中心に 30代、20代も中心に居てほしい。
若手を抜擢して欲しい。
そうなってくると、本当に変わると思う。
そう簡単にはいかないと思うが。
期待しています。

MAINICHI RT 新聞の販売店で申し込むと申し込める。
値段を下げて、駅とかでも。
SANKEI EX はものすごい目にする。
目にする場所がまだまだ少ない。
iPad とかでもアプリ化されている。
紙面をペタペタはっているだけだけれども。

海外の新聞はネット上のアプリと連動している。
 引用ができる。
縦組と横組と連動しているものはむずかしい。
横組にするのは実は速い。
新聞は基本縦組。
どこかに新聞らしさを残したかったので、本文は縦書きで残している。
技術の方がおいついてきて、縦組も抜き取れると思う。

縦組はとても面白いカルチャーだと思っている。
技術がなんとかして欲しい。

----------------------------------------------
002: dragged out studio
http://dragged.jp/

アトリエ、ギャラリー、写真スタジオ。
写真に活版で刷っているカタログ。
一階はファインアートのギャラリー運営。

スタジオやライブハウスは目的が決まっている。
いちいちゼロから考えていると成り立たなくなる。
音作りとか、規定された発想になっていく。
六本木のスーパーデラックスとかは面白い。
何がくるのかわからないけれどもそこに合わせている。
場所をフリーなものと思っている。
フリーな空間。ホワイトキューブとして使っているが、
空気感がちょっと違う。UStream を試してみたりしている。
別のことが起こっていてもいいかという空気がある。

地下が面白い空間で、水槽があったり、よくわからない空間になっている。
展開がこれからある。
ご期待ください。

------------------------------------------
003: H/R/C

SEVEN STAR のリニューアルの準備をしている。
一年以上ずっとやっているが面白い。
ひとつぼし、セブンスターじゃないし。
自販機に並び始めているものもある。
いろいろ展開している。
すごい色々プロトタイプを作った。
結局、ヤンキータバコのダサい感じじゃないといけない。
一年以上考えて、セブンスターのリニューアルができない。無理。
最初の命題は、国内産のタバコの王様。
他をなんとかしなくては。
結局、どんなリサーチにかけても、何やってもダメ
ものすごい種類を作った。キチガイのように作った。
知っている人からすると「いじってくれるな」というもの。
リニューアルはできない。
そのまんまでずっといってもらった方が良い。
デザインというものを、つくづく考え直した。
勝手な理想なデザインとか、デザインに優劣をつけたり、
全部幻想。全部嘘かもしれないと思っておいた方が良い。
そう見えるような政治が働いている。
デザインとは政治。
何か自分だけが正しい判断ができるわけではない。

その人のデザインが何とも言えない支持を得ている。
作った人もそれを考えて作っていない。
大量のラインナップの中にはデザインを戻したものは拒否される。
とにかく現在のありようを支持している。
それはもうデザインではない。
それも含めてデザインというか。

それはなかなかデザイナーとして言えないこと。

それはうすうす思っていた。
掘って掘って、鉱脈にあったったような確信を得た。
デザインというものでは太刀打ちできないものが
目の前にあり、別の物質が立ちはだかっている。

そもそも冷静に考えてみて、好きだと思っている造形を見て、
本当は何が好きなのかというと保留している。
そこにはいろんなものが織り込まれていて、デザインだけを取り出せない。
非常に象徴的にでている。

強いタバコを吸う。
染み付いている総合的な体験と組み合わせている。
解かなければいけない問いがあって。
他の王様とは違いますよ。似て非なるものにした。
カタチとして。名前にすると同じだが違うもの。
たぶん、これ売れると思う。
小さいレベルのコミュニケーションが影響を及ぼすものでは無い。
これで売れなければお手上げ。全部やりきった。

かえない方が良いというデザインはいっぱいある。

---------------------------------------------------------------
004: WIRED

1994年 日本語版ワイヤードの最初のデザインを手がけた。
紙媒体上のものをどう組んでどう見せるかをこの時代にやっていた。
情報の形式にあったなにかしらの器を作らないといけなかった。

この当時の日本はインターネットとかわからなかった。

確かに蛍光色を使うというのは最初の命題にあった。
今考えると、米国版はそんなに蛍光色つかってなかった。
蛍光色の緑と、銀の組み合わせを見せて、米国版がまねした。
ちょっとした蛍光オレンジを使うのがワイヤードのルールだった。
その読み間違いがおもしろかった。
それをニューズウィーク日本版のように翻訳しても、二番煎じにしかならない。
驚かしたる!と言ってきているのがお題だから、期待どうりにやってもダメ。
同じふりしても無理だし、逆手にとってもダメだし、

まんま、まねはしないという意識は?

経験値が低いのに ADやってもいいのか?
有名デザイナーからのやらせろという声もあったかと思うが、
自分に声をかけてくれた。ひどい頼み方だった。
呼ばれて行ったら、アメリカ版のスキャンされたデータがあって、
文字のところだけを消しゴムツールで消している。
それが開いてあって、ここに日本語入れて。。。。と言われた。
クォークで。
PageMaker の組み替えを苦労してクォークしたことがあったので分かったけど。

フロッピーで文字をわたされて。
表記がばらばら、校正まではりながら、表記統一も。
ただもう、粘土細工のようにこねるように覚えながらやっていった。

表示画面とプリンターと文字が違う。
表示されてもちゃんと載ってこない。
苦労して作った。

-------------------------------------------------------------------
005 :CET

神田の東日本橋あたり
全然人が居なくなっていて、問屋街が業種的に特化したために、
服飾問屋になってしまった。
町が特化してしまうと。
流通の形態が変わってしまうと、問屋を経由する商品が限られてしまう。
問屋の中心街はなにくわぬ顔でやっているが、
まわりの倉庫街が空洞化してしまった。
そこを使ってイベントをやっていたところ、にぎわって業態展開していった。
2003年くらいから。もういいかなと。
ここならではということでは、役目を果たしたかなと。
タワーの足下が問題を抱えているみたい。

デザイナーが与えられる仕組みからはみ出していて。

--------------------------
006: H/R/C

これ超カッコいい。
当時タバコを辞めようと思っていたけれど、吸ってしまった。
これは持ち歩きたくなる。
この当時、警告文が入っていない。
もうでもなれた。言ってもしょうがない。
最初にやった広告で、下の警告文だけ残して、真っ赤/グリーンにしたものを用意した。
異様な光景だった。限定販売の福岡でやった。思ったほど見られていなかった。
もう製造していない。
タバコをデザインする流れがおこっていなくて、先導役だった。
嗜好品である限りはちゃんと届ける相手がいる。
かなりのコンペから、たくさんアイデア出して。
最初の反応が大きかった。
横に開くボックス。
投入するにあたって、技術があるが使う場所が無かったもの。
かなり過激。
そうではないものを出してきた。
役割を終えた?
初動に記録的な数字を出した。
デザイナーのフィールドの先駆けになった。

---------------------------------------
デザインのひきだし、なんと中国でパクられました。
 凸版・活版 印刷でいくのだ!
 のコピー版。
 回収騒ぎになっている。
 回収は望んでいない。被害は受けていない。

活版の最大の級数がきまっていて、ゲタをはかすためのものだった。
かっこいいデザインをやっても、編集長が首を縦にふらなかった。
飾り罫も活版で。

こんなにデザイナーがいたら、似てしまう。
何々風になったらいけない。
いちおう理由あってこうなっているのに。

パクリってこういこと。
必然性が無いのに、表面だけまねているのがパクリ。
グッチをまねてるのは悪徳商法だけど。
なんでここまで、まねたのか?
ぜったい●が無いといけない。


こんなものもありました。

http://togetter.com/li/149562
ニッテレの宣伝+大日本タイポ
なんでそういうことが起こるか?
共同体制だから。
ある種のおおきなメディアになった場合、チームでやるから。
だれかが統括する。統括者が情報を知り尽くしていることは無い。
悪意は無くて。知らない人から見ると、どちらかがパクられていると思われてしまう。


著者はほんとに申し訳なく思って、
回収騒ぎになった。
きびしく処分すると言ったが。
なんでもかんでもまねしてはいけないというものではない。
もともと情報は共有すべきもの。
オリジナルを主張して、まねしたから訴えるということが過渡的なもの、
一時的な対処でしかない。
まねされてなんぼ。引き継がれてなんぼ。
資本主義的なうごきの中で、守りましょう。ということが起きていて。

いま「シェア」という考え方。
罰則とかまねするなとかは論議が進んでいない。
事例として欲しいくらい。
ずれ間の使い方も面白いし、無意識のパロディ。

「ポストトマソン」作者をもたない作品。
なぜかそこに居る。丁寧に保護されているけれども役にたっていない。
海外でもトマソンの意味が通じる。
考え方としていろんなものを解法した。
どうしても今のアートの話は、作者がどんだけがんばって秀でたことをしたのか?
もうそういう話は飽きた。
共有するということ、個人が個人として自分らしくあるというのは、どういうことなのか?
トマソンはヒントを与えてくれる。
ある意味作者の無い、トマソンを感じる。
なぜかその居場所をすみかとして入れるべき情報があった。
ヤドカリが別のものにはいって歩いているものに近い。すごく面白い事例。
取り締まって辞めさせるのではなく、不可侵の状態を作るものの方をどうにかする。

クリエイティブに対して、影響を受けたものに対して RTできる仕組みが欲しい。
影響の受け方が面白い。そっからか?
インタビューしてみたい。


----------------------------
007: FRONT

影響を受けたプロトタイプ
USSRというソ連の宣伝情報誌。
パクリと言えば、これもパクリ。体制の違う国のアバンギャルドな見せ方をしたものを
まんまパクって戦前に出していた雑誌。
こんなかっこいいグラフィック雑誌を許していいのか?
復刻版が出たときに買いそびれたときに古本を買った。
合成の嵐。
Photoshop が無いから大変だと思った。
かっこ良く見える。
グラフィックもののなかで本当に良くできている。
あこがれる。カッコいい。この背景でどんなにひどいことがあったか分からないが。
気分が高揚するとはこういうこと。
いいとか悪いとか断罪。
かっこいいというものには共通したものがある。
タネは? 平面調で、ちゃんと機能している。究極は戦争。大量のものを動かしていく使命があった。
デザインの批評がそういうことに対する整理をやっていない。
単に成功している人をインタビューしているだけで整理していない。
みんないい人。
成果をあげている人は頭もいいし、思慮深い。結果も出す。
そこに起こっている本質は何なのか?

27歳デザインをし始めたころ。

黒テント。
平野公が の影響。
フォントや文体がにおう。
これも言ってみれば場作り。
テント芝居のためのことを全投入している。

世代的には 20年ぐらいごしぐらいで、アンテナがつながっている。
ある程度の圧をかけないと、こういうものがでてこない。
今後、一人の表現ではなく、つながること、支持すること、
そういう強さがでてこない。切実?
ぐっとくる感じ。
まねして、まねして熟成して新しいものになる。
もうちょっと形式、関係性だけでなく、ちゃんと熟成していない。

------------------
hi-lite
和田誠デザイン。
モダンデザインの一番いいとき。
それまでは工芸的に作っていたが。
複製可能なもの。量産できるもの。みんなの思いが入っている。
そのあとに個性にあわせて。。となっていた。
全員吸うべきカタチの最低限のギリギリのカタチを作り複製するという気持ちが込められている。
高揚感が共通している。
まだまだモダンデザインの範疇にいきつつも、別のところに踏み出さないといけない。
今後どうなる?
---------------------------------
CET のときの 2006年のためのフライヤー
UT のロゴ、全く同じものが出回る。こっちの方が先。
太刀打ちできない。経済規模的に。
単純に知らなかった?
太さがちょっと違う。
Untitled というスペースの名前。
UT は 2007年?
宣伝することも登録することもしなかった。
UTロゴがちょっと太いな〜と思っていた。

柏木ひろしさんが出てきたときにデザイン批評

アドミラルとミツカンのロゴ。

他の何かを封じ込めるのは無効。
全くだまして劣化しているのがいけない。
マネしているのを隠しているのはいけない。
知っていてやっているのは OK.
なんでだめなのかをさらしながら解決していかないといけない。
作り手が認めてしまう場合もある。
結論は無い。一生懸命考えてほしい。これからの世代の人は。
開き直るのも良くない。

AR三兄弟というのをやりたいという人。パチンコ業界が CR三兄弟をやりたいと言ってくる。

デザインのひきだし、3倍くらいの値段がついている。
文字と即興。
http://www.asyl.co.jp/news/exhibit_event/3331_3331_presents_tokyo_part1.php

どう記事にする?
7/15 のコマーシャルフォト8月号に載る予定。

6/09/2011

[&] DAI FUJIWARA @ AXIS

AXISフォーラム 藤原 大
(ISSEY MIYAKE クリエイティブアドバイザー
 株式会社 DAIFUJIWARA 代表)

元ISSEY MIYAKEのクリエイティブディレクター
現クリエイティブアドバイザーの藤原大(ふじわらだい)氏のお話。
ファッションを軸としているのだが、ファブリックや、建築にもつながる
壮大な話だった。
なんかいろいろヒントになる言葉があったのだが、
まだ僕自身、解釈しきれてない感じ。
#あとで写真を追加するかもしれません。

ちなみに文中にたくさんでてくる A-POC というのは「一枚の布」での表現のこと。
Apple好きの人には、ISSEY MIYAKEというと、Jobsが着ている
黒いタートルネックのブランドと言った方がわかりやすい?



-----------------------------------------------------------
藤原 大:こんばんは。
ひさしぶりというか。
経歴は、お手元に配られたものをご覧いただければ。



ひとつ、お箸入れみたいな「おてもと」のような折り紙があります。
線が書いてあって、山と谷でジグザグ折ることができる。
普通山と谷で折るのだが、これはひたすら山折り。
そうするとジグザグの形状ができる。
イザやってみるとルールがあって折りにくい。
このジグザグの形状を使って、コレクションを行ったのを紹介したい。
実際に折ったのを見て比較してほしい。

三月に発表されたのが「演舞 Rondo」
ISSEYさんの仕事を通じて、丸い感覚が強いデザイナーだなというのを
自己分析した。
今後自分のキャラとして活用していきたい。
丸いことの興味を持っている。

今日はたくさん資料を持ってきました。
多くの人に来ていただいて感謝しています。

これは Rondo というものです。
これは Rondeo #2 です。
皆さんが良くしっているエッシャーです。
いろんなところで使いたかった。
コピーライトがうるさかった。
とにかく人から伝わってくる関係性がとても好き。

今回紹介した「折り紙」
折り紙という感覚ではなく、
リボン状のものを折っていって、一発でミシンで縫えれば、とまる。
いろんな造形が簡単にできるのではないかという。

テープの幅が違うだけで、折り方は同じ。
着物で50cm とか、着尺という概念が広がったが、
基本的には40cm前後の幅。
みればいろんな情報がはいってくる。
30cm の幅で作るのは日本意外でもいろいろある。
ナチュラルプロダクトからとった、麻とか、その幅を決定づける要因は
環境が決定づけている。
日本はなんで 40cm 前後なのか?
(またどこかでおはなしできれば)
テープの幅をいろいろな幅で、つくると、
世界のいろいろな人と交流しながら、いろんなものが作れる。

Rondo ということなので、いろんなことがつながって、終わりがある。
そしてまたつながって。
ピアノもひとつひとつ演奏してもらえるよう、探した。
子供に演奏してもらえるように、10歳から18歳まで、
ピアノを弾いてもらった。

 写真:veryverychic
 http://veryverychic.typepad.com/veryverychic/2011/03/issey-miyake-autumnwinter-2011.html

ビジネスにつなげていくための内容が含まれているもの。
最初にショーはピアノ調律からはじまる。
8つつくったけれども、会場の構成で5つになった。

#一番作るのが得意だった人が、直前に折山をかえたため、
#なかなか仕上がらなかった。むちゃくちゃあせっていた。
#その前の人が時間を調整して。

以前プロセスを演出していたことがあって。
こういうプロセスを見せるべきなのか?
トレンドもあるので。
やっぱりこれが好きだし。
プロセスを表現の中に取り込むことが最終的にクオリティにもつながることだし、
あとから説明すること無しで、最後までお客さんと一緒に
ゆらゆらとわかってしまう。
最終的には理解してもらえる。
それぞれに理解してもらえる。
プロセスを見せないと説明が入ってしまう。
いわゆるゼロから説明するよりも簡単。
自分たちの中で芋だった表現をどんどん作ってきている。
どちらがコスト的に良いかは一概に言えない。

一番細いテープから始まっている。
段々に縫っていない。まっすぐに縫っているだけ。
このコレクションは最初から最後まで全部この折り方で決まっている。

先ほどのエッシャーのモチーフが循環しているもの。
チューリップなど、紋章的にジグザグなもの。
はじめから最後までひとつの考え方で、落とし込むのは
昔から好きなのだが、
仕事をしていくと様々な条件があって、
毎回毎回照らし合わせていけるのはむずかしい。
ISSEY さんのところでクリエイティブディレクターとして培ってきたもの。

箱根の峠道を歩いているようなもの。
自分の会社が始まるので、微妙なところ。
17年間 ISSEYさんのところで働いて、全く社会性が無い。
とにかくついていくのが必死だった。
そう考えると長いな〜
いつクビになるか分からないと思って仕事していた。
96年くらいから、あるいみリードしてくれていたが。

ジグザグ、雰囲気がわかる。
一緒で作りたいと思っている。
(AXISでワークショップが計画されている)

Rondo ですから、バッハ。同じながれでどんどん変化していくもの。
ピアノは若いから、必死でたたいているのが伝わってくる。
弾き方が違うと聞き方が変わってくる。
聞いていて元気がでる。

ここの中では A-POC 2000年から始まった。
A-POC の技術が服の中にいっぱい入っている。
デザインを一緒にやってくれている、チーフデザイナーの宮前義之さんが
後任として発表されている。
彼のチームの中で A-POC が活用されている。
ビジネスとしてリアリティが無いものは出てこない。
A-POC がでてから 14年。だいぶ使いこなせるようになってきた。
今は欠かせないもの。
これからどう使うからは彼らにかかっている。
自分の5年間の中で、いろんな話をしながら、彼らのエネルギー
最後まであきらめない根性に支えられてきた。

いろんなものがある。
最終的にはお客さんにとって実際着てもらえてはじめて。
その循環が無いと、服はそこで終わってしまう。
まさに Rondo
今回最後なんで、恥ずかしい。チームのみんな。

ほんとにこのショーが終わって、からっと秋の空。
アーカイブコレクションでお見せしている。
ギリギリまでいろんなことがある。
でもやっぱり「やっちゃう」
ショーはF1 レースと同じ。
自分自身があきらめてしまうとチーム全体が止まってしまう。
関わっている人がおおい。
どうしても気を使ってしまうクセがついてしまう。
そこが「もっと無理してもいいですよ」というチームだった。
このチームに支えられて5年間があった。

Rondo 2007
一番最初 Rondo を始めたときは Rondo 2 で終わることは考えていなかった。
おおきなコラボレーションを仕組んでいたのだが、最後どんでん返しがあった。
こんなことはしょっちゅう。
一年半年先、こうしたら良いというのが読み切れない時代。
そのときに考えればいいという気になった。
クリエイティブディレクターとして仕事を頂けたのは
メンズとレディースと、、、、、

 #ここで地震:日本はなくなっちゃう?コメント。

A.POCまで、4つを全部こなしなさいという仕事。
クリエイティブディレクターとして仕事させてほしい。
デザイナーではなく。
クリエイティブディレクターはデザインしない。
デザイナーが技術者と組んで制作する。
ここにいらしゃる方はデザインはばっちり?
デザインは小学校、幼稚園からデザインできて当たり前の時代になる。

物事を伝達して、ものからお金に変わって、
お金でお金を作って、
作られたお金で環境を作ってモノを作っていく。
その中でデザインはどういう社会のつながりなのか?
自分たちがやっていかなければいけない「デザインスキル」
デザインを知らないと生活できなくなっていく。
デザインはあたりまえの時代。

A.POC INSIDE
全部に A.POCが行き渡る。
メンズほか、チームが全部ちがう、
勝手に解釈して、まとめさせてもらった。
合同でひとつのショーとしてやらせて欲しい。
そのときに考えてバラバラに仕事できればよい。
そしてA.POCを理解していこう。
会社の中でより広く、活用方法を考えて。
そこから利益を生み出すソリューションを活用していく。
それがまさに自分の仕事。

A.POCは見えない壁があった。
A.POCは何なの?
佐藤さんとユーフラテスにお願いした。



 VIDEO : A.POC INSIDE

いまもチームは多い。
自分たちのオリジナリティの強いものを
マーケットに食い込ませるのか、毎日考えている。
最初でてきたイメージは「天球」
最初はタッシェンの本をコピーしようかと思ったが、
最初から作った。
galaxy というジーンズのライン。

 写真:galaxy
 http://isseymiyake.co.jp/ELTTOB_TEP/jp/semba/2007/06/28191848.html

いろんなシリーズがある。
生生地のままつくったもの。
自然に作ると環境に優しいものがついてくる。
やってみると自然と語れる。

段ボールを天井から釣った。
DMもはみ出している。
これがプロセス。
無駄なものが無い。

横尾さん、ISSEY MIYAKE のインビテーションカードを作ってくれている。
この関係がいいなと思う。

これが RONDO2 につながる。まさかつながると思わなかったが。

■THE WIND
 http://www.isseymiyake.dyson.com/

ダイソン。今年の扇風機すごい。
このときから考えていたんじゃないかな?
ダイソンはものすごい数のデザイナーがいる。
会場の構成をダイソンにお願いした。
優秀なので、あっというまに埋まってしまうだろうと、
遠きところに投げ込んだ。
ブランドが 4つあって、ひとつの考え方ではなかなかできない。
このときは 21_21 デザインサイトのディレクションの展覧会が
着地点をそこまでひっぱって、ずっとやっていた。
ショーのときにはダイソンとのコラボレーションがあまり理解されなかった。

デザイナーの考えは理屈なしに動物的な直感がある。
チームもいっしょになるタイミングが欲しかったので、
3人一組で。
ダイソンのパーツを分解して、服にあてはめた。
技術者はどこの線を切って展開すれば良いのか、
氷を割るような立体と平面の境い目を感じ取る。
技術者にデザイナーの領域まで入ってもらった。

出来上がったのは、素材を溶かして作りたかったが無理だった。
ダイソンに話を持っていったとき見せたもの。

たまにはパリにきて、美しいものを吸ってくれ!
その気持ちが伝わったのか、
会ってくれた。ISSEYの名前があったから?
話を聞いてくれた。
ショーの最後にダイソンさんは万歳していた。
だから物事がひとつひとつ進んでいった。
ダイソンさん「とりあえず聞いておこうか」
チームは必死。
ダイソンに支えられた。

フェット(FETE)は別ブランド、
ひとつひとつのブランドはすみ分けて、同じ考えだが、着地点が別なもの。
命をかけて風と戦っているもの。
それを聞いて、ドレスを作った。

■A-POCALYPTIC LOVERS 恋人達の黙示録
 http://www.isseymiyake.co.jp/en/news/2008/04/issey_miyake_autumn_winter_200.html

ここにあるテーブルは人間そのもの、記憶のことを表現している。
これは販売こそしなかったが、今後必要になるソリューション。
ミョウチンさんに風鈴を作ってもらった。イメージは葬式。
生と死に携わる服はどういうものなのか。

paperlove という展示をミラノで開催。
結婚式に参加できるチャンスに恵まれた。
WEDDING 4'00

日本の伝統的なテキスタイル。
現地に行くとどんどん情報がはいる。
伝統高原と言われるものはがんばってやっていると思う。
新しいものがどんどんでてきている。

■ color hunting 2009
 http://www.isseymiyake.co.jp/en/news/2008/10/issey_miyake_spring_summer_200.html

八丈島。黄八丈(キハチジョウ)。価値がついてしまう。
扱い方によって、みんなが情報を知っている。
それに触れることによって伝統や価値が浮かび上がる仕事。
糸を譲って頂いて作った。



■ Kinetic Frames 運動するフレーム
空手家の人たちと仕事した。
以前「ストレッチ」というブランドがあった。
80年度の後半、仕事として切れる服のニーズがあがっていった。
ストレッチという分野に携われるよう努力していった。
糸が高くて、見合うものに結びつけるのがむずかしかった。
そのことが頭にあったので、
ストレッチというフィールドに挑戦。
一番着にくいスーツ。
デスクワークする人用には、袖が曲がっていることを考えて
作っている。つまり、手を下げるとシワがよる。

空手家は動く。
かれらの動きにぴったりフィットする服を作りたい。

パットをできるだけ省いて。空手家の動きにフィットする。
ショーでは、いきなり演舞が始まって、大騒ぎ。
ぜんぜん静かにならなかった。
すばらしく素早く動いている。それでも服がくっついてくる。
そのとき見ている人みんなの顔がツッパッってしまって、楽しかった。
世界で最初で最後、本気でショーで空手をやったのは。
この的のテーマがキネティック、連続しながらカタチが変わっていくもの。
映画のように連続していくもの。
人間は型を持っている。
それが一番あらわれているのが空手。
それが空手のカタ。
そのカタに注目していろんなカタをショーで出している。

■ NEWS MIX
 http://isseymiyake.co.jp/ELTTOB_TEP/jp/semba/2009/12/28110000.html

東西南北を表している。
リーマンショックの中で沈んでいたが、がんばっている人はいた。
プリントをテーマにした。
かいてかいて、いろんな文化の背景がある柄を描いて、
プリントがいっぱい。
実は NEWS MIX, の前に1年ぐらい前
パリの橋が汚い。
掃除したくなった。掃除にいった。
町の公共物を使うと相当費用がかかる。
なぜやるか? みんなで奇麗で橋を使うように。
ボートにモデルが乗り付けて。
でプレゼンしたけど、やっぱりダメだった。
だめでもかならず後に何かになる。

■Poincare Oddessay ポワンカレ予想
 
 写真:from Fashion Press
 http://www.fashion-press.net/news/944

フィールズ賞をとったかた。
いきなり授業を受けた。個人教授。
なんでか?
接点があった。
葉っぱなどの自然物から宇宙の形状を想像できるひと。
みかんの皮を剥いたものを、服として活用できるのではないか?
そこで、数学のこととかを考えた。
会場:僕たちが考える宇宙空間。

■Ghost in the Clothes
 http://isseymiyake.co.jp/ELTTOB_TEP/jp/semba/2010/12/27111740.html

一生懸命やったことが服に乗り移る。
3年越しで伸びちじみしない A.POC
いろんな多角的なものができるようになった。
しつこくしつこくやっていた。
最初はなんだか?と思ったたが、
これから ISSEY MIYAKEの新しい柱になってほしい。
服が買われてまた誰かに譲られても、
その気持ちが残っていく。
そういう気持ちが残っていくといい。
手書き友禅、髪の毛を一本一本描いている。
会社は、在庫になる。
いろんな伝統的なテキスタイルを活用。

■ The PARK
台湾で去年大きなイベントがあった。
小さい子達と、捨ててしまうものをどう考えたら良いのか、
プロジェクトをくんだ。
そこに集まった友達とペアになって、Tシャツを分解して、組み合わせる。
これを考えたのは子供達。
子供達、わがままをいう。
最後は喜んでもらえる。
すごく楽しかった。
子供達も、そんなことで友達になれる。

■大学時代
がんばれベアーズのアマンダが大好きで、
ずっと今でも覚えている。
何をいっているのか?
ピッチャーの手は何だったのか?
アマンダはどういうグローブが欲しかったのか?
普通のグローブはパーツが10ぐらいだが、パーツが5つのもの。
この考え方、集約/効率 を教わったので、A.POCに素直に入っていけた。

■ DAI&Co.
あたらしい ISSEY MIYAKEのチームができたら、はじめる。

Q&A

Q:今後の活動?

A:
ISSEYさんのところでいろいろ引き出してもらったので、
感謝。これからもお手伝いできることはぜひさせていただきたい。
新しいチームにバトンが渡せたのはうれしい。
次の世代につながって。
色のことはむちゃくちゃ興味があって、
大きな展覧会を予定していたがリセットされたが、
情報化社会の中で、色のボキャブラリーがなさすぎる。
色の持っているバランス、色が使いこなせていない。
それがずっとある。ほんとに色のことがやりたい。
まだまだ、Google で色のことが一覧できるけど、
それだけじゃない、もっともっとある。
それをやるにはコツコツやっていくしかない。

布地やテキスタイル。
服だけじゃなく、建築も、空間/インテリアも
教育も、もともともっている軸がどうもあるような気がしている。
そこはどん欲にやっていきたい。
多摩美の美術館で、建築を発表しています。ヨネヤマキョウコ。
布を活用した建築。

Q: ISSEYさんとの関係は?

A:
サラリーマンをやっていましたから、
2008年、自分の会社のこと、独立しました。
ファッション界の中で、出た/出ないは神経使うことだった。
そのまま静かにしていた。
他の仕事は受けないし、集中したかった。
ISSEYさんがどう思うのは聞けない。
今後話しができる機会があれば、聞いてもらえればいい。
大切にはしてきました。
今後新しいことをやっていきたいことは言っているが、
コツコツやっていく道を選ぶ。

Q: ひとつのテーマを決めて、違うアウトプットをしていくのが面白い。
 テーマはどう決めているのか?それを相談しているのか?

A: コンセプトを作るのが凄い好き。
やってみた結果、毎回毎回ワクワクしどうし。
多摩美のテキスタイルに入ったのもその理由。
みんなと一緒にその源流に携わっていきたい。
最終的にはものを作ったり、社会に対して責任を担う仕事をしたい。
ものを作るには素材、だからテキスタイル。
こういうものが作りたいというものが見えているときには非常に速い。
見えてないときはゆらいでしまう。
チームのみんなにつたわって、着地しなければいけない。
そこで鍛えられた。
今はすっきりとしたチームになってきている。

Q: 会社にはいるとお金のこととかクリエイティブじゃ無いときがある。
  そういうときにどうする?どう自分を奮い立たせる?

A: クリエイティブじゃないな〜というのは
瞬間、風がふくようなもの。
自分で自家発電していく。
いったんエネルギーはどこからでてくる?
物事をしつこくおいかけていったり、人のことを好きになったり。
自分の中に発電機をもっていなければいけない。
エネルギーをもっていれば、奮い立たせる。
それは「好奇心」
ふっと心が動いたことを
獣道をあるいているように、都会を歩いていく。
自分をみつめる。
僕は、熊みたいにあるいているように思われなくないけど、
追っかけているときは直感的なものを大切にしている。理屈じゃない。