[&] Book Advent Calendar (day10) the rem koolhaas file
Book Advent Calendar 10日目は
[ 行動主義―レム・コールハースドキュメント ]
を紹介します。
建築家レム・コールハースの行動を追いながらインタビューした本。
前々から IT業界に比べて、建築業界は紀元前の昔からあって、
設計図だけでは想像もつかない巨大な建築物を、
大勢の人が関わって造り上げるのが不思議で仕方が無い。
不思議なのは、なんであんな巨大なビルが 1年やそこらで完成するのか。
なぜ建築家は60代、70代でもバリバリ現役で活躍できるのか?
コンペで勝負する建築の受注は大変だろうな.... とか。
建築事務所のオープンデスクで学べることと、無報酬が前提なこととか、
どの建築事務所にもある、巨大な本棚と膨大な書籍とか。
デザインパターンをはじめとして建築発祥の思想が
ITの世界に生かされていることも 多々ある。
建築の空間デザインのテクニックは、映画やCGの中での
映像構築に役立てられている。
コールハースによると、建築には3つの危機的要素があって、
1. クライアントに左右される、他人頼りの仕事であること
2. あらゆる空間に商業的要素が入り込み、
空間に住んだり入ったりするだけにお金を払わなければいけない
3. 激しく上下する経済状態のあおりを受けて、安定性が無い
これはなんだか、IT業界にも読み替えると、そのまま当てはまる。
と、そんなこんなで、この本を読み始めた。
そして、優秀な建築家の影には、優秀な模型製作者がいるような
気がしてきた。もちろん、建築家本人が模型の達人である場合も
あるのだが。
それと建築事務所はどこも煩雑としていながらも、
素敵な仕事空間になっているのも特徴的に感じる。
[ S M L XL: Second Edition ] みたいなスケール感も建築ならではの感覚。
ITの世界で S, M, L, XL の感覚を持った開発者はまだ居ない。
ITの世界で、建築模型に相当するものもまだない。
(建築模型はプロトタイピングとはまた違うものだと思うから)
そんなこんなで、IT業界が建築に学べることはまだまだある気がするのです。
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