[&] Book Advent Calendar (day11) Steve Jobs
Book Advent Calendar 11日目は
[ スティーブ・ジョブズは何を遺したのか ]
を紹介します。
ジョブズが亡くなってから、書店にはジョブズ本が山積みになり、
読みたいと思う気持ちと、
そんなの読んでる場合じゃなくて、
ジョブズが出来なかった何かを受け継いで、前に進まなきゃとか
勝手に思って、ジョブズ本を読むのを意図的に避けていたんだけど、
この本だけは読まずにはいられなかった。
林信行さんらの渾身の作。
どうしても、超特急でかき集めた感は否めないものの、
言葉の隅々にまで、ジョブズへの想いつまった素晴らしい本。
人、仕事、作品、言葉 の観点からジョブズをひも解いている。
ジョブズが後継者のクックに残した指令?は、
「ジョブズならどうするだろう?と考えずにベストを尽くせ」というもの。
けれども、何か困難に出会った時、選択に迷った時、
どうしても「ジョブズならどうするだろう」と考えてしまう。
とは言っても、ジョブズや、Appleのデザイナー、ジョナサン・アイブ達が
実施しているデザイン手法の細かいことまでわかるわけもなく。
(聞くところによると大量のプロトタイプを作って3つチョイスして、
それを何回も改変し続けて最後に一つだけにするとか、しないとか)
よく「日本からはジョブズのような人は出てこない」と言われるけど、
アメリカだって、世界中を見渡したって、
ジョブズのような人は一人しか居なかったんだ。
iPhoneの素晴らしいユーザインタフェースはいったいどうやって生まれたのか、
そして、これは完成系ではなく、常に良いものになるよう改変が続いていること。
Microsoft の Windows Phone は単に iPhone を真似るというアプローチを
とらなかったことで、素晴らしいものになっている。
いったいこれはどういう手法で造り上げられてきたのか。
そんなトップクリエイター/デザイナー/エンジニア 達の
企画・制作技法を少しでも抽出してまとめていけないものだろうかと
考えている。 ゼロから何かを考える方法を。
ジョブズの思想の根底に流れていた事柄で感銘を受けたのは
「人は気づく」ということ。
良くないデザインや、良くないユーザインタフェースは、
なにも専門家でなくとも、普通の誰でもが良くないことに「気づく」ということ。
たとえ言葉でうまく説明できなくとも、どう改善したら良いのか分からなくとも
「気づく」のだ。
そして世の中は、気づいた人に気に入られたプロダクトやサービスと、
気づいているんだけど、なんとなく我慢しながら使い続けている
プロダクトやサービスにあふれているんだと思う。
そんなことを考えながらこの本を読んだのであった。
数年後にまた新たな気持ちで読んでみようと本棚にしまった。
<< Home