1/26/2012

[&] AXIS Forum - torafu


第40回 AXISフォーラム
「建築的思考から生み出す、モノ、空間、風景」
トラフ建築設計事務所 鈴野浩一、禿(かむろ)真哉
http://www.torafu.com/
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今日はこんなにたくさんの方にきていただいてありがとうございます。
憧れの雑誌の表紙になれて大変うれしい。
作品を紹介しながら、発想をどう考えていったのか、
それぞれの作品について説明しながら、
どういうことを考えながら作っているのかわかってもらえれば。

私たちが二人で初めて8年になります。
ちょうど8年たったところです。
もともと二人とも設計事務所で働いていて、
卒業して独立したことになっている。
最初はホテルの客室デザインを担当した。
半分手伝いのようなところかが始めた。

今、絵本を作っていて、トラフの小さな都市計画」3月発売予定。
一緒に街をみていくような、モノ、空間、風景をいていけたら。

モノ、空間、風景になっていく。
モノの目線でみたり、
風景として見たり、
街の視点にまで広げてみたり。スケールアップの視点が合致しているので。
絵本にしたがって作品を紹介していきます。

街を潜望鏡でのぞくような感じ。
やまぐちようすけさんとうペインターに書いてもらっている。

右にあるプヨプヨしたものがかむろさん。
左が鈴野さん。
二人のキャラクタのもとになったプロジェクトがあって、
その模型の写真をイラストレータの山口さんにいれてもらって、
キャラ化して、絵本のガイドに仕立て上げたというエピソード。

●テンプレート イン クラスカ
http://torafu.com/works/tem

回転体というプロジェクトの時の模型から。
クラスカ/小さいホテルのリノベーションが一番最初の作品。
最初の作品である以上に、このプロジェクトがきっかけて
トラフをはじめた。
モノを強く発想していく原点になっている。

僕らまで壁の中に入って。。。。。。
ホテルの部屋は色々な備品があって、
モノが小さい部屋だと、そのものがもっている意味あいがおおくて、
後からモノを置くことができない。
置かれるものがあれば、いったん全部だしてから、発想する。
長期滞在用の客室なので、お客の備品と、ホテルの備品と、
モノの形を決めて、収まるものを決めてしまうという提案をした。

長い間泊まっていると、たんだん自分のものがちらかってしまう。
片付けるという行為そのものをゲームにしてしまう壁面を提案した。

クラスカ(どう暮らすか?)という意味。
椅子もあって、ゴミ箱もあって、いろいろなものを
ヒエラルキー無しで扱いたかったので、
同一の壁面に埋め込むようにした。
絵をかけるような感覚。
自分の部屋に帰ってきたような感覚になれる。

椅子も壁面に埋まっている。
お気に入りの雑誌をはめこんだり。
自分の好きなようにカスタマイズしていくことができる。
最初はデコボコした壁面。
木の表情のある壁面を提案した。
照明も全部、穴の中から間接光で扱った。
壁の奥にスピーカーが仕込まれている。
全部レーザーカットで加工している。
レーザーカットでしかできないような構造を考えていった。

大きさとしては小さいシングルルームなのだが、
半分家具のような壁のようなその中間のようなプロジェクトだった。
雑誌で紹介されて、どんどん仕事がつながっていくようになった。

クラスカをプロデュースした都市デザインに声をかけてもらって、
手伝ってということころから、声をかけて、
このプロジェクトだけのつもりで二人ではじめて。
SONYのアイボを使い、雑誌に載せるために急に「トラフ」に決めた。
建築の「壁」を作るという発想でやっていた。
今から考えるともう少しインテリアとして、
そんなに重く考えなくてもいいのだが、
建築は10年、20年と残るものなのでとても悩んだ。
最初は幾何学模様を試してみたこともあった。
「戻そう」という誘発的な意味をもたせ、
機能を超えた高揚感を与えることができた。
モノから発想したきっかけを与えることができた。

学生時代の竣工写真は、モノが外されて写真が撮られる。
モノは建築に後から置かれるもの?
いったん条件として全部出してしまって、
その中で背景を作る。
建築やインテリアで完成したものは無いと考えた。
これくらい小さいと、そう発想するしかなかった。
次のプロジェクトの視点を得ることができた。

●くつの水族館
http://torafu.com/works/nik-l

ショップのインテリアのプロジェクト
くつを魚のように見立てて、グルグル同じ方向に向いていると、
水族館のようにみえる。
靴をキャラクタ化してしまう。
靴の専門店の内装の計画。
テンプレートのプロジェクトと同じで、
モノからどういう空間ができるかを考えた。

20周年のイベントで、1年間限定のプロジェクト。
1年間かけてだんだん靴が増えてくる過程を見せるようにした。
一年まだたっていないが、だんだん色がついてくる。
増えてくる過程を見せるのだが、
お店が出来た最初の頃は10足くらいしか無いのだが、
最初に白いシューズを300足置いておいて、少しづつ入れ替えていった。
靴は矢印のようなもの、エアフォースワン。
最初に一足目は特別なクロコダイルの1足。

このショップで、キャラ化という話をしたが、
靴の水族館も裏テーマであった。
ソースの形状のパターンを立体化したもの。
僕らのテーマとしては「水族館」
どいういう効果を与えるか?
Nike側がもっているハードはイメージに
別なストーリーをかぶせると深まっていく。
モノから発想することで、さらにストーリーがひろがっていく。

2Fには特注できる予約制のラウンジがあって、
下の階を覗き込むことができる。

円形のガラスに一枚一枚、小口が透明なガラス(こうとうかガラス)
紫外線を当てることによって固定されるガラス。

●airvase 空気の器
http://torafu.com/works/air-black

紙のプロダクト
2010年に発表したもの。
いろいろな展開がその後あって、
こんなところまで広がっているという。
会場にもテーブルにいくつか置かせてもらっている。

青と黄色のバージョンが最初のもの、
だんだんパターンを持ったものとか、
最近では、巨大化したものなど、バリエーションを持って展開している。
もともとは「紙の工作所」の
特色指向展でのもの。
最初は「特色」がわからなかった。
色を混ぜることだとわかって、
色を混ぜるのは建築でも良くやっているので違和感が無く、
普通の雑誌だと CMYK で作られているので、
特色の黄色と、特色の青とをぶつけて、緑を作ることを考えた。
黄色と青の空気の器が最初のもの
そこからいろいろ展開している。

いろいろスタディをした。
紙は二次元なので、できるだけコンパクトなものから、
どれだけおおきなものができるのか?
強い紙があるので、鞄のようなものになるかと思って作った。
ただ紙は堅い方がちぎれやすい。
もう少し細くしていった。黄色と青の裏表、切り込みをつくって、
黄色を青に反射させて緑に見える実験をした。

大きさの検討もして、立ち上がるように。
厚紙でも自重で崩れてしまう。
大きすぎると自立ができない。
紙はぺたっと自重で崩れてしまう。
あるところで、ピタッとバランスがとれ、自立する。
表参道にあるプラダの建物の構造と同じ。

構造的なアプローチと同じで、
最低限の構造部材でどう構造物を作るのか?
建築をベースとしているので興味があった。
いかに形態をとどめるのか?
白ならしろで、スタンプを押したもの。
黒い背景の上におくと、穴のように見えたり。

http://torafu.com/works/air-k

金沢21世紀美術館からの特注。
表はオレンジで、ピンクブルーオレンジの。
クレヨンで書いたものを印刷した。

金と銀という華やかな器。
影のようになる黒。
3月発売を目指している特色の紅白版。
イセタン用に作ったものを商品化した。
リンドゼ(家具ブランド)からたのたまれて作ったもの。

二次元的に見ていいものと、グラデーションが面白いものを
何度も何度も検証して作った。
平面のもの、立ち上がることによって違うものになる。

空気の器の展覧会をいろいろな会場で行った。
空間での見せ方、空間とのセットでイメージしたものもあった。
自分たちで設置をしたり、空間でどう見せるのかを
毎回場所に行って、その場所その場所で考えた。

300個以上の器を表参道スパイラルホールで釣った。
ミラーの上に置くことによって色が変わって見える。
空調によって揺れて見える。クラゲのように見える。
白い空気の器でワークショップをして絵柄を作った。
表と裏で絵を作るだけでも面白いのだが、
広げてのびることにようって、驚きがあった。
子供は必ず頭にかぶってしまう。

ミラノで:
キヤノンのミラノサローネの展示。
キヤノンのカメラで撮影して、キヤノンのプリンターで出力したもの。
そもそもキヤノンで誘ってもらったのも、
空気の器を見てもらって、きっかけとなった。
モノから空間に広がっている。

状態や風景も想定して提案していった。
置かれる場所を敷地を見立てて、
その環境がどう変わっていくのかを含めて提案している。
ミラノサローネは初めてだったが、子供達も無料で入ってくるので、
とても感心をもって見てもらった。
みんな記念撮影している。

イスタンブールで:
ここではすごいお金持ちの人がいて、1万円くらいで売っていて
びっくりした。全色買ってくれるお金持ちがいて
申し訳ない気持ちになった。
値付けが高いと紙というものでは無い気がする。
9割り増しの値段になった。

芝浦ハウス:せじまかずよデザイン
巨大な空気の器を天井から釣った。
ワークショップをする場所なので、
インタラクティブに関われるようにした。
100パターンの空気の器を作って、3枚セットで購入することができる。
スタンプキットを作った。
この時は試作だったが、最近販売している。
紙で作ったローラーやスタンプを押せるようになっている。
切って紙をハンコを作れるようになっている。
子供はやっぱり頭にかぶる。

http://torafu.com/works/airvase-in-shibaura-house

ここでは1日、空気の器に乗ろうとうワークショップ
空気の器にのっているような写真を印刷して作った。
ヘリウムで浮かばせるように。
飛びすぎてしまうと5mくらい天井がある。
かわかみもとみさん全身のパネル。
色々な模型でスタディしてみた。
夜中空気の器に載せて遊んでいたら楽しかった。
それがきっかけ。

●イセタンのプロジェクト
18面くらいのショーウィンドウ。
クリスマスと年末に切り替えた。
外のショーケース18面のスペースでのインスタレーション。
毎回毎回、空気の器をどう使えるのか考えている。
表は白、奥に赤、包むということが隠されているのを考えた。
境界面で空気の器をツカッtあ。
白い面が見えるのだが、横からだと赤が見えたり、
グラデーションで見えるようになっている。

美容室に空気の器を使って髪の形を作ってもらった。
自分たちの手を離れて使ってもらえるのがうれしかった。
一つの空気の器で作られたシンプルなもの。
いろいろ余白を持っているモノ。
余白があればあるほど広がってくる。
器としてモノを入れるだけでなく、ランプシェードで使ったり、
いろんな余白を持ったプロダクト。

●ザ・ステージ マルジェラの服
モーターで上下に動かすもの。
正月の2日と3日だけのために作ったもの。
貴重な体験だった。
ただ上下するのに加えて、上下した時の慣性で
不思議な動きをする。複雑な見ていて不思議な場所になった。
空気の器を面白く使ってもらえた。

●Light Loom / CANON
光の織機 (Canon Milano Salone 2011)
http://torafu.com/works/lig

発想のところから。
キヤノンのプロジェクトでは広い敷地。
プロジェクターを使ったインスタレーションということだけ決まっていて、
自由であった。
過去3回やってきたもの。
投影面をどう使っていくか?すでに色々やられてきた。
どういう投影面、映像と空間と人との関係が作れるか考えた。
まずは空気の器の大きなものをつくって、プロジェクターを当てた
スタディをした。

できるだけスカスカな構造を作ることによって、
映像に入り込むような、見る角度によって見え方が違うもの、
どういう形があるのかを探っていった。
細い糸のような紙を重ねていうか。
線材で天井が変わっていうとか、
モノの持っている形が強すぎるとか。しっくりこなかった。
映像の形を持たせること。
透明面に当たる前にも、光が前にもあって、
見えない光を可視化して、それ自身がスクリーンになるといい。
古い映画館とかでチリに光があたって、スジが見えたりする、
その中に入っていけると面白いと思った。

通常のスクリーンとプロジェクタとの関係d、え
実体を持たない光を取り出せるか?
紡績工場で、糸を編んでいるものに向かって光を当てるもの。
実際は3つのプロジェクターを使った。
入り口はいると壁面があって、"WONDER" が
刺繍の文字がかかれている。

ガリバートンネルをとおっていくと、紡績工場に入ったかのような。
プロジェクターの投影面がスクリーンとなって見えてくる。
発見的だったのは、
1/1 を作ってわかったのは、
光が落ちてくるのはわかったが、
プロジェクタの映像が自分の中を通り抜けていくような感覚。
映像が降ってくるようなイメージ。
投影面を見ないで、プロジェクタ側を皆が見る。
糸を伝わって、一本一本発射されているような。
プロジェクタの方を皆が見ている配置。

スーパースタジオの敷地。
「光の織り機」
映像は WOW が担当。光の循環がテーマ。
光をテーマで作ってもらった。
糸に吸い上げられて、映像の投射される過程が見られる。

NEOREAL WONDER



糸自体は工事現場で作るような糸。光が当たると反射する糸。
模型を作って、フォークで糸をとかしながら作った。
常に模型を作ってシミュレーションした。
小さいプロジェクタでシミューレーションした。
どういう映像を当てるとようなのか分からなかった。
外で、工事現場の水糸を使った。
綿んでしまうと、イメージが崩れる。
いろんな糸を取り寄せて実験した
1/1 を作った時。あるていど想像していたが、
びっくりした。降ってくる映像はどんなものが良いのか
実験を繰りかえしていった。
水糸を連結したものを職人が考えた。
鉄板に糸を巻いていきながら、作って、ミラノに送った。
ものすごいテンションをかけなければいけないので、
裏でテンションをかけて絞った。
光の織り機というタイトルで、刺繍の裏側を見るようなイメージも。

●テープフック
http://torafu.com/works/tap

紙のプロジェクトの第二弾。
マスキングテープを壁にはっている時にクルクルとした巻グセがあった。
そこにモノをかけるフックとして使えると面白い。
どうやって強度を持たせるか?
トレーショングペーパーで作られていて、
マスキングテープと同じ色、紙を水に濡らしてバリバリになることを
利用して強度を保った。
なにか少し立体物になると、輪ゴムやネックレスなど軽いものを
引っ掛ける弱いフックがあっても面白い。
繊細で重いものをかけるとのびてしまう、柔らかいフック。

●椅子
家具やプロダクトを考える時、
建築を勉強してきた建築家なので、
家具を頼まれても途方にくれてしまう。
敷地から読み取れるコンテクストがたくさんある。
このイスはベルリンに行った時に見た椅子。
もたれかかる椅子で、もたれる部分は壁にある板を利用する。
そこでしか成り立たない椅子。
建築的な発想で、そこをとっかかりにして考えられる。

●デッキ
http://torafu.com/works/dec

自由に家具を作ってもよいプロジェクト。
自分の家のバルコニーを想像した。
バルコニーに椅子やテーブルが置きたい時もある。
バルコニーの手すりを利用してはみ出すテーブルを考えた。
デザインイーストというイベント。
図面と材料を売って、その場で作ってもらえるようなイベント。
場所を与えるところから、
そこでの条件を引き出して、使えるものに。

●シェリフ
http://torafu.com/works/cat

丹青社の新人研修プログラム
去年参加して作ったもの。
建築で場所を与えようと思った。
建築のコーナーを捕まえるような家具を作った。
角があるところに引っ掛けることで収納ができて、モノが置けるようなもの。
手すりや隅があって、初めて成立するもの。

●NANYODO SHELF
http://torafu.com/works/nan

神保町の建築専門書店の外部に奥棚を考えた。
壁の溝に差し込むだけで使えるもの。
雨の日は使わず、毎日外に出すもの。
これが一つあると、急に通り道が図書館に見えてくる。
街の印象が変わってくる。
みんなの壁になったような感覚。
立ち止まる人がでてきた。
水糸をひっぱって、ページが風でめくれないようにした。

●pick-a-book
雑誌デザインのひきだしでノートをつくった。
風景、おかれている状況に注目して、
ちょっとずれて、取り出しやすいノートを考えた。
いま使っているノートをすぐに取り出せるように。
実際は、6度下の部分を切った。
それだけで、手前に出てくるようになる。
小口も緑なソリッドな素材感のあるものに。
逆にすると、直角になっているので、
使い終わったら、他の本になじむようにフラットになる。
ピックアップブックと名付けた。

●舞台美術
ファミリーレストランの部隊を作ってほしい。
チェルフィッシュという劇団。
普通のテーブルと椅子のセットを床から50cmのところ切って使った。
面白いなと思うのは、動いている縁者を考えるのは
建築とはまた違う楽しみがあった。

●HOUSE IN
家具の積み木。
家具をスタックしたような建築を作った。
建築と家具をミックスしたような、同時に作っていくもの。
あがってくると、二階の床から下がるところがあって、
床だと思っていたところがテーブルとして使われたり、
自分がどこにいるかによって、関係性がかわってくるもの。
木造の建築。左側に大きな棚があり、デスクになり、キッチンになる。
下の階の出っ張りを上の階のベンチに利用している。
2世帯住宅。1階も明るくて広い。
1.4m の収納階を作った。
最近、敷地が細分化されている。

●山口ともさんのための建築
ポストを目に見立てて、作った。

●HOUSE IN MEGURO
リノベーション
ビルのような場所、武蔵小山。
時間をかけて改修したい。1Fはカフェに。2F,3Fは住居に。
ビルをまるまる買い取って住宅にした。
3Fはもともと和室。解体して、4方向に窓がある。
外階段しかなかったので、穴をあけた。
中間階をおいた(ボックス)。
極端にいうと、穴をあけて、大きな箱を置いて、
穴と箱でまわりにいろんな場所ができた。
出窓を利用した大きなテーブル。7-8人坐れる。
踊り場も大きく、一つの部屋のようなもの。
なぜか屋上に水銀灯がついていて、そのまま活用した。

●オーストラリアの写真
ポストがたくさんあって、そこからさらに遠くに家がある。
局留めのポストのようなもの。
考え方が役立った。
日本だと部屋に直接郵便物が届けられる。

公園の中にバーベキューの施設がある。
それだけで公園がキッチンに見えてくる。
いろんな機能が加わっていくと豊かになる。

●スーパーに置いてある優れたデザイン。募金箱。
コインを入れるとコインが立ったまま、
ゆっくり落ちていく。
コインが入れたくなるような行為を誘発するデザイン。
自分だったら、どういう募金箱を連蔵するだろう?と考えた。
遊びの要素があると面白い。

●Run Pit by au Smart Sports
http://torafu.com/works/run

街の中に施設を作るだけで街が変わる。
地図を持って歩くだけでも面白くなる。
単なる街が建築ミュージアムに思えてくる。
いろんな人の目で街が書き換えられていく。
Run Pit という施設は街をランニングコースに書き換えてしまう。
シャワー施設やロッカーなど。
会社帰りの人が着替えて、皇居周りを走って、着替えて帰るというポイント。
ポイントができるだけで一気に街が変わる。

●WORLD CUP 2006
http://torafu.com/works/wor

ワールドカップというプロジェクト。
道路面の白線は不可侵領域。
フィールドの白線をちょっとだけいじるとどういうことが起きるのか?
コーナーだらけのサッカー
キーパーのエリアがむちゃくちゃ大きなサッカーとか。
タッチラインが無いサッカーとか。

建築の場合、線一本で人の動きが影響される。
サッカーの場合も同じ、新しいルールを考えるのが楽しい。
延々と100案くらい考えた。
白線の力、
後ろから攻められるサッカー
判定が難しいサッカー
割と整理されているサッカー
コーナーの無いサッカー
リーグ戦が早く終わるサッカー




タクシータクシータクシー
壁があるかのようにはいってくる要素。
アホみたいに守る。

ベルリンの白線は、ちょっといいかげん。
のぼりと下りの矢印。のぼりの人しか見えないのに。

2004年の水糸のプロジェクト。
1本糸を張るだけで領域ができる。

●ガリバーテーブル
http://torafu.com/works/gul

最近のプロジェクト
ミッドタウンの芝生。長いテーブルを用意した。
60mくらいの敷地の中で、1.5m 下がっていっている敷地。
おおきい、テーブル自体は水平だが、坂の関係でだんだん大きくなってくる。
富士山のようにも見えてくる。
人との関係、地面との関係で変わってくるもの。
「水平じゃないだろ」と言われるが、水平。
なぜか傾斜になっているように見える。
テーブルを置くだけで、地面が斜面だと気づくような。
端っこではベンチになっているが、もう一方では、屋根のように。
テーブルを置いただけでいろんな人が集まってきて、
いろんな行動をしてくる。
子供は遊具のようにきにせず遊ぶ。
大人は写真を撮る。
ワークショップの開催場所になったり。

構造化、オオノジャパンでモックアップを作成。
普段のテーブルと同じようなもの、
少ない部品でシンプルなもの。
一本一本足の長さが違うので、レーザーで計って作った。
10日間置いてあったもの。
石巻工房。

絵本の中では、
モノから発想する場所の作り方。
モノだけでも風景が作れたり。
自分たちが作った場所に置かれるものを前提に考える。
モノの目線になって考える。
街などの大きなものとの触れ幅は大きいが、
その間をいったりきたり。
トラフの小さな都市計画。都市に語りかけるようなもの。
もう少し小さな都市計画。モノとかから発想するもの。
自分から出来るものもあるのではないか?

それらを絵本として作っている。
3月末に発売。

Q&A

Q. 事務所に勤めていた時代の経験で現在生かしているもの。
A. 青木淳さんのところにいて、
 最終的に形にする時に、これしかないと決めつけないで、
 金属を使うべきところに、わざと金属を使わないで作るとか、
 場所なりモノなりに広がりがでる。
 人が使うものであるかぎり、人が入り込める余白を作る。
 そういった影響がある。

Q. 学生時代にこういうことをやっておいた方が良いことは?
  やっておいて仕事に役立っていることは?
A. 学生の頃、アイデアコンペだけ出していた。
 学校の課題は全然出していなかった。
 授業をしている先生だったので、対外的な評価が欲しかった。
 建築家の人ならどういう意見を言ってもらえるのか?考えた。
 現在は、講師として有名な建築家が来ていてうれしい。
 自分たちは有名な先生を呼んできて、コンペして評価してもらうなど、
 環境を作ってきた。
 対外的な評価が欲しくて、行動していた。
 学生のころにいろいろ考えてしまうと難しくなる。
 ひとつひとつその場でその時で。
 そもそも課題がどうなのか?
 重要だと思っていて、学校で教えていると、
 学生の提案で、「カフェを作ります」「カフェを作ると人が集まります」
 と聞いて。どういうカフェを説明しないで、全部が解決するわけではない。
 どういうカフェなのか踏み込んで考えないといけない。
 林の中に美術館を作るとき、なんで作ろうとしたのか?
 条件を疑ってかかってほしい。
 言葉だけとらえないで、疑ってかかってほしい。

Q. 二人でどうやって発想をブラッシュアップしているのでしょうか?
A. プロジェクトごとに一緒に考えている。
 ものを使うものを全部だしてきたり、
 条件を全部だして、その中に制約をあたえて、
 だんだん問題が見えてきたり、
 解決するためにデザインしたり、
 矛盾が見えてくると、なにかを操作すると全部が解決することを
 考えていく。
 お題と、コンセプトを考えていく。
 その中で、どうやって一緒に解決していく方法があるのかを探る。

 アイデアだけが、アイデアありきでは
 何かを解決する、回答としてデザインを使う。
 発想とかアイデアが先走ることは無い。
 Nikeみたいに、10足〜300足の棚を用意しておかなければならない?
 どうする? 解決するために300足真っ白な靴を用意しておく。
 シリンダーを作ったが、コンセプチャルにしすぎてしまうと良く無い。
 来た人には説明が書いていないが、奥行きや物語性を
 与えることができるのか?
 いろんな人が入り込める隙間をどれだけ作っていけるのか?
 素材などで工夫して。

 まずは模型を作る。面積とか、条件とかを検討する。
 それでどういう問題があるのかを考える。
 空気の器も、プロダクトを作るときもも外注するのではなく、
 自分たちで作り方が想像できるもので提案していることが多い。
 模型が作れる、作り方を把握しているから、わかる考え方がある。

※ WONDER で使っていた糸は、建築の糸引き用の光を反射する糸。「たくみ」の糸でした。