1/22/2014

[&] TypeTalks - Cyrus Highsmith





『欧文タイポグラフィの基本』刊行記念サイラス・ハイスミス トークイベント
http://www.aoyamabc.jp/culture/typetalks20/

サイラス・ハイスミス(Cyrus Highsmith)
@cyrushighsmith
http://insideparagraphs.com

私がどこに住んでいるのかから話したいと思います。
米国海岸、ロードアイランド州にプロビデンスに妻と娘と住んでいます。
1990年ごろに移ってきました。
リズディー(Rhode Island School of Design)で
グラフィックデザインを学ぶためにやってきました。
今では学ぶ立場から、教える立場になっています。
教えているのは Typography と書体デザインですが、
一学期 1 クラスしか教えていません。
できるだけ自分のスタジオで働きたいと思っています。
教えることも好きで、楽しみながら教えていて、
違った確度から物をとらえることができるのも気に入っています。

友人と一緒のスタジオで、版画も作っています。
家では、デジタルで制作していますので、対比が面白いところです。
自宅の近所にある昔工場だったところがスタジオです。
もともと製造業が盛んな地域で、工場をアーティストが再利用しているのが多いです。

私はフォントビューローという書体会社で働いています。
書体デザイナー(タイプドローワー)を担当しています。
今はなんでもデジタル化していますし、英文字は文字数も少ないので、
家で働くことができています。
メールやビデオ会議でコミュニケーションをとっていますが、
多くの時間を一人で仕事することに費やしています。

フォントビューローで上級デザイナーの職についていますが、
フォント開発部も率いています。
そしてこの立場を利用して、タスクフォースを立ち上げました。
なかなか手をつけられなかった第何問に手をつけることにしました。

●フォントはどこから来たのか?

フォントは、魔法? 工場で作られている?
フォントは体内から生まれてくる?
洞窟に潜んでいる?
空から落ちてくる?
「フォントを見た!」という啓示を受けた?
宇宙から来た?
私の場合は裏庭でフォントを掘るのが好きです。

実際フォントはどこから来たのか?
フォントデザイナーはどこからアイデアを持ってくるのか?
そしてなぜ新しいフォントを作り続けるのか?
全てのフォントデザイナーを代弁することはできませんが、
私のアプローチを紹介します。

タイプデザインの世界では二つのアプローチがあります。
古いものを参照するのと、カリグラフィーのようなものとがあります。
実際に見ていると、古いフォントを参考にしているものと、
リバイバルのものと、少し解釈を変えて作られているものがあります。
これらの場合過去をなぞっているものになります。
一つの落とし穴として、限界があり、マテリアルには限界があります。

新しい書体が同じオリジナルフォントを参考にしている場合、
よく似たフォントになってしまいます。
あまり知られていないフォントに手を出してしまいがちて、
古いフォントだから良いフォントだということにはなりません。
私が古いものが嫌いかというとそうではなく、
いつも古いものから学んでいます。

カリグラフィーのアプローチがもう一つのものです。
西洋のカリグラフィーではどのようにペンを持ってどのような書き順で描くのかを学びます。
私もカリグラフィー、レタリングはすごく好きです。
私の作品時ににも使っています。
そしてこのアプローチの良い点は、
カリグラフィーというレンズを通して書体デザインを観ることができるところです。
自然とバランスが取れた文字を達成することができます。

ただ、これにも落とし穴があって、
実際のフォントもカリグラフィーに強く影響を受けすぎてしまいます。
作品の限界が出来てしまうので、一つのツールと考えた方がいいです。

第三の手法があります。
この出発点は、この書体がどのように使われるのかを考えるところから初めています。
より具体的に描ければ描けるほどよく、実務的なアプローチです。
機能性が高まるだけでなく、書体の役割が、どのようなものになるのか、
書体自身が何か物語りを語ってくれるように描くのが重要です。

アーティスト自身が物語性に重きをおき、
熟練の技に磨きをかけ、それで作品を作るのであれば、
創造的なものになるはずです。

これは、言い換えるならば、オリジナル作品になるということです。
それこそが使い手としても見たいですし、作り手としても作りたいものです。
結果、カリグラフィー的なものも、歴史的なものにもなりますが、
どちらか一方に限定したく無いだけです。

タイプデザイナーの役割は、フォントをイメージすること、
おのおののパーツをどう作れば、フォントとなるか、
独特の表層を気にします。
ただ、ありがたい福次効果があって、ある用途だけにつかえないと思われますが、
実際はその書体が部品として強いものであれば、
あるコンビネーションだけでなく他の組み合わせでも、力つよく、
いろんな用途に使われることになります。



●serge 2010?年に作られたフォントです。
http://www.fontbureau.com/fonts/Serge/

カリグラフィー的な考えが反映しています。
細い箇所、太い箇所、自分で手書きで書く事で得たもので、
古典的なカリグラフィーフォントとは違います。
カーブは素早く、方向が空中で変わるのような印象があります。
キモの部分は、白い三角形です。
ほぼ全てのグリフに三角形を含みます。

o, c, s がなぜそう見えるのか。三角形が含まれるからです。
自分で厳しすぎるルールを作ってしまうと完成しません。
私が考えるサージというフォントは、装飾的でありながら、
結婚式用のフォントではなく、古い車に描かれたもの、ベスパのようなものをイメージしました。
宇宙のジェットパックをイメージしたものです。

ルジェットという会社を立ち上げました(笑)
我々の作るジェットパックはクールなものです。
会社のレターヘッドも、パリにオフィスを設置しました
ポスターもあります。
広告。キャラクターのジェットガール。ブーツも。
非常に人気がでてきています。
これは想像の会社です。

serge を作るにあたって、どう楽しむかを考えて作った会社です。
ただ、マーケティングのために行ったものではなく、
書体自体はあまり大きな役目を果たしてはいません。
serge の売り上げをのばそうと思うと、もっと良い方法があったかもしれません。
ジェットガールよりも、文字の量を多くした方がいいかもしれません。

なぜ作ったのか?自分を確認したかったのと、
フォントを作る行為がスムーズになります。

● The Little Bunny
もう一つの物語を紹介します。
The Little Bunny こちらのタイトル「小うさぎ」です。
5歳の娘がストーリーをつくりました。

 昔々あるところに、ちいさなウサギがいました。
 森で迷子になってしまいました。
 彼女は非常に怖い思いをし、寒くておなかがすいたな〜と思っていました。
 そんな時に突如毛むくじゃらのモンスターが表れました。
 フレンドリーなモンスターでした。
 ひょいと小うさぎをかかえて、面倒を見てくれました。
 おしまい。

次のキティになれるようなキャラクターですね。
本として小さなものになります。お話しも短いです。
短いところから始めるのがコツです。
この手法は、グラフィックアーティストとしてのアプローチです。
特定のユーザー想定します。この場合は一人です。
物語を描きたいと思い、物語を伝えたいと思いました。

このように、何かの形を描くことによってストーリーを伝えるのが
とても好きで、これが私のフォント作成のアプローチにもつながっています。

the littele bunny ではイラストもフォントも作りました。
まだ未完のままですが、いろいろ考えています。

アイデアがどこから降ってくるかはわからないもので、
2010年に日本に来た時にみたものがインスピレーションの元になっています。
日本のレタリング、看板に関心して沢山写真を撮りました。
これが日本を代表するような書体というわけでは無いことは
わかっていますが、なにかしら、私に対して訴えてくるものがありました。

例えばどういうものが好きかというと、控えめで機能的なデザイン。
文字の最後のところが丸くなっているところ。
機械的にならず、それでも機械的なところなどが好きです。
もともと作ろうとしているのは、子供の絵本なので、用途は限定されています。


http://www.occupantpress.com/product/apple-bear-cat

●apple bear cat

今考えているのは柔らかそうでフレンドリーなデザインです。
何かおもちゃのクマ、手のような形になっていると思います。
そして、交差している部分もスムーズで穏やかな感じがしますし、
オープンでフレンドリーな感じがします。
先っぽが他の文字と友達になろうと考えているように見えます。
同僚に見せたところ、子供向けには偉そうな感じがするという意見もありました。
もしかしたら、彼らが正しいかもしれません。
子供向けの絵本でも、未熟な感じがするものは作りたくありませんでした。

娘は、今の絵で解るように、最近の私の作品に大きな影響を与えてくれています。
アルファベットの本 apple bear cat という本も娘のために作った本です。

見開きに一つの文字があって、これらはすべて大文字で、
文字から始まる何かが絵で表現されています。

ほとんど娘の世界に属している絵ばかりです。ジャケット、鍵(キー)、
Y はイェティ(雪男)、なかなかカッコいいでしょ。
全ての文字と絵は娘に承認を得て作り、実際に何回も何回も読んでくれました。
オンライン販売と、日本語版が文溪堂から出版されることになりました。



●ibis
http://www.fontbureau.com/fonts/IbisDisplay/

次の書体に移ります。
モダンテキストフェイスです。
こちらはおそらく今までやってきたデザインの中で最も伝統的なもので、
それが気に入ってもいますし、気になってもいます。
ベッコウ縁の眼鏡を今かけているようなもので、
がっちりしていて、整然として、カリグラフィー的ではありません。
最初は、本組み用の書体をやっていましたが、見出し用として
いろんなバージョンを作りました。

小文字の中の白い部分は、スムーズな形、滑らかな形になっています。
文字と文字の間の白い部分はシャープなものになっています。
この交互にスムーズ/シャープとくる感じが非常に気に入っていて、
控えめな追加なのですが、パラグラフ全体、段落全体として見たときに
質感が出てくる効果があります。

だいたい個性的な興味が引かれるものを作りがちです。
ただ、今回は真逆な方法で、シンプルで飾りっけがなく、
訴えかけるものを極力はぶきました。
私が年をとったせいかもしれません。
そして、デザイン性だけでなく、タイポグラフィー、
科学的なマニュアルに使われるようなイメージを持っていました。
私のイメージの中では、白黒で、その人物は眼鏡をかけていて、
実験用の白衣を着ていて、タバコを吸っている。1950年代くらいのイメージです。
人物像としては、非常に真面目な人で、申告なミッションをかかえていて、
ロケットを作っていて、人類を火星に連れていかなければいけないというものです。
想像の中で、本のカバー、図形を想像しました。
ibis を作るとき、私の頭はすっかりSFになっていたのです。
これがデザインを先に進める良い助けになりました。
完成した時に、inside paragraphs に ibis を使おうと決心しました。
始めから想定したものではありませんでしたが、
理にかなっていて、空間、スペースについての本なので、
宇宙空間の代わりにホワイトスペースに関して書いているからです。

非常にビジュアルが多い本で、2012年に発行されました。
初心者向け、学生向けのレクチャーを発展させて作ったものです。
今回グラフィック社からの日本語版も非常に気に入ってます。

実際作っているときには、タイポグラフィーの漫画を作りたいと思っていました。
実際、漫画のようになっています。
レイアウトとイラストは同じです。
没になったアイデアですが、漫画が鉄腕アトムになったバージョンも作ってみました。

こちらは、書体を描くのが好きで、病み付きになっている状態です。
だれかが、生まれながらのタイプデザイナーだと思うか?
答えは「非常にラッキーだったと思う」タイプデザインを通して、
いろいろなことを学ぶことができ、自分にとって自然に広げることができるものでした。
生涯描く、自分のアプローチは、一文で示すことができます。
「私は形を描くことで物語を伝えたい」
基本的なレベルに立ち返ると、線を描くことにつながります。
綺麗なものも作れますし、ゴツゴツとしたものを表現でき、
いずれも素晴らしい絵につながることができます。

線はエッジ、なにかとなにかが混じり合う場所、
線というときには、線ではなく、「形」としてとらえます。
これは、ちょっとした頭の中の考え方の転換かもしれませんが、
私にとっては重要です。自分の考えと自分に見えているものがわかって、
初めて描くことができるからです。
描くことを学んだのは母親からで、
自分が木を何回書いても、木に見えないという問題がありました。
なぜか本物に見えない。写実的ということではなく、
実体を伴ったものとして見えないという問題がありました。

その時に母が言ってくれたアドバイスではなく、
「枝と枝を描くということではなく、枝と枝の間を描く」
空間を描くということを教えてくれたのです。
空白の形、空間の形は、二次元のデザインにおいては、
基本的な原則です。
これが与えられることで、ものに存在感が得られます。
このネガティブスペース、ポジティブスペースを
パズルのように組み合わせることで、単体では得られないものがあります。
日本では「間」と言うと聞いています。

突如アドバイス従ったことで二つのものが同時に見えるようになりました。
それで、生き生きと見えるようになりました。
ピカソのひとこと
「見えるものを描くのではなく、思うものを描くのである」
と同じことです。

私は毎日スケッチブックに何かしら描いています。
描く事で物事が解るからです。
友人が Thinking Eyeという本を書きました。目が考えている、手が考えているということです。
とにかく描きつづける、何度も書く。

もう少し賢かったら、書かなくても学べたかもしれませんが、
学びが遅いことを示すがごとく、80冊のスケッチブックを書きためました。
人でも椅子でもモンスターでも街でも、女の子も。繰り返し描いていきます。
スケッチブックは日々持ち歩いていますが、
何かを書き付けたりに、使っています。

元々ペンだけを作っていて、消せないということを気に入っていたのですが、
間違えてもいいから書き続けようと思いました。
ただ、寝て描くのには不向きなので、鉛筆に切りかえました。
今では鉛筆を描くのが非常に気に入って、
気に入ったものに関しては、ペンでなぞるという作業をしています。
一日の最初にする作業です。

絵から、文字に移っているスケッチです。
そして、自分の手書きの文字をタダ書いているというだけ、
それだけ時を描いているだけでなく、速くて意識がとどまっていないから。
正しい筆記具を使って、正しい姿勢で描かなければいけません。

手書き文字の話しも、いろいろ言いにくいところで、
見本としてあげられるほど、うまくないと思っているからです。
実際、字を描くときも、何かを表現しようと描いてします。
手書きの文字というのは、私にとっては絵の一種です。

例えば、考えがまとまらないとき、つなぎがわからないとき。
手書きでかいていると、物ごとが整理されます。
分析的な脳の部分にもアクセスすることができます。

黒いインクが白い紙のに落ちる時も大好きです。
もちろん単体で美しい文字というのは描くことはできますが、
書体という場合は、他のものと上手く混ざらなければいけません。
極端に言うと、単語に形成しないのであれば、美しい文字であっても意味をなさないのです。
ここで書かれているのは単なる文字、それとなしに描いているのは私の幸せです。

文字を書くのは簡単で、単純なものです。
もちろんあるべき形にするというのは難しいです。
人間の形をスケッチするのは難しいですが、文字は練習すれば描けるようになります。
もちろん練習は必要です。
文字を描くことの最も難しいのは何を描くか、正しい形を認識した上で描くものです。
与えられた形を描くのはそれほど難しいものではありません。

最近、アンケートで、
「あなたの仕事は、たくさんの読書を求める仕事ですか?」「NO」
ただ、NO と思ったあとで「待てよ?」と思いました。
読みやすさにはことさら関心を持っていますが、それは読書とは違います。
私の仕事はむしろ、描くというのが多く存在している仕事です。
私は文字を描いていますが、それが読書に使われています。

もちろん読書も大好きです。その上で本を描くこともします。
今回も講演用に60分の原稿を描いています。
文字を描くもの、読むものでもなく、
一番幸せなのは、工房にこもっていることです。
とはいいながら、旅も好きですし、話すのも好きです。

@cyrushighsmith
http://www.fontbureau.com/
http://www.occupantpress.com/
http://cyrushighsmith.tumblr.com/



Q. タイプディレクター小林氏:ウルトラマンの切り絵調のタイトルバックを見ていましたか?
A. 子供の時には実際には見ていませんが。目を鍛えることができるでしょう。
 直感ではわからなかったものが見えてくるようになります。
 実際に漫画とかコミックとかが自分にも影響を与えていると思います。
 実際、物語が好きで、何を行っているかというと、元になるものから形を取り出し、
 凝縮し、残ったものにたいしてアイデアを観る、還元していくような作業なので、
 それが仕事に役立つのだと思う。
 書体デザインとカリグラフィーとの違いですが、要素を絞ってシンプル化していくのが
 書体デザインに親和性のある作業なのかもしれません。

Q. 翻訳 田代さん:行頭下げも、行間の空きもない文字組の例
A. 実は本のレビューで、インデントの話しをしていないのではないかという指摘がありました。
 インデントは段落と段落、段落の中という本なので、それは除外されているのです。
 私の方では、パラグラフの開始を占めすのは重要で、インデントか行間は需要で、
 1行の時はどちらでも良いのですが、2行以上は、インデントの方が適切だと思います。
 そうでないと、行と行とで対立関係が生まれてしまうからです。

Q. 翻訳 田代さん:会社名を全部大文字で表記されることが多いのですが....
A. 同案です。外来語の場合、イタリックを使います。イタリックの方がそれほどアピールする感じはなく、
 大文字でも小さめの文字を使う方が良いですし、
 大文字一文字ごとに追加料金をとるというのではいかがでしょうか?
 電報のテレックスを引きずっているだけです。

Q. フォントを見すぎて、ゲシュタルト崩壊するのをリセットするのは?
A. 物を見ても、読まないという術を身につけるといいです。
 実際に書体をデザインする時は、反対向きに描いてみるのは発想の転換になります。手助けになります。

Q. 文字とフォントの組み合わせは?
A. 文字とイメージの組み合わせは最強のタッグだとは思っています。いろいろな可能性があります。
 互いが対峙するようにも、寄り添うこともできます。どの方法が良いかという答えは一概には無いです。

Q. 日本で有名な書体でナールという書体があって、日本の書体を作ってみようという興味は? ひらがなだけでも!
A. 漢字もあるし、大変だな〜という感じはありますが、モリサワといろいろなプロジェクトを進めていく上で、
 手がけることがあるかもしれません。
 実際に自分が読めない書体を果たして作れるのか?というのを考えました。
 ローマ字を中心にやっていますが、ギリシャ文字など近いものは経験がありません。
 だんだん読める文字から遠ざかると難しくなるので、他のデザイナーと協業するなど、
 言語を学ぶなど、という方法もあるかもしれません。
 実際に使われている書体と、言葉の組み合わせの問題もあります。
 ロジェリックエクスコフォンというフォントが好きなんですが、英語でもよく組んでいました。
 フランス語を組んでいるのを見たら、さらに良かったです。そこには微妙な差がありますが、
 言葉との組み合わせで何かがあります。
 よくラテンアメリカの新聞社の仕事で、スペイン語は話せるので、いいのかな?と OKを出せましたが、
 スペイン語が出来るからなのか、そうでないのかわかりません。
 実際、同僚に英語を組んだものと、スペイン語を組んだものを見せた時に、
 スペイン語はラテン系なのでと言われ....

Q. 日本語の文字は筆で描くのでカリグラフィーに近いものがあると思いますが...
A. 書き順に関しては、学べばわかるのでがんばってみようかなと考えました。

Q. 日本のカナは昔に作られたものが、そのまま今も流れがきていて、新しい流れが無い。何か作れるのでは?
A. I hope so.

Q. 自分のフットサルのロゴを作ろうと思っていて。どういうアプローチでロゴを作りますか?
A. スポーツ観ないので解らないですね。観る人が最初に気づくのは「形」だと思うので、
  そこから初めてみるのではどうでしょう?

Q. 昔の書体、活字になっていないものを観るのが好きで、古い書体が載っている本を見ているのですが、
 昔の書体で悪いものがある。なじみの無いところが面白いと思ってしまうのですが、
 古いものを参考にした時に注意すべきところは?
A. 見て楽しむだけなら良いと思います。プロは一朝一夕では難しい。
 批評家になる必要は無い。何かを映して学ぶのは、良く学べる方法だと思います。
 より深く解るということはありますが、正しく書きたいと思った時は、同じ文字は、
 可能な限り、同じ書体をたくさん見て、その中の要素、デザインやスタイルを切り離して
 観られるようになるまで、確かめます。それでもわからない時は師匠であるマシューカーターに聞くようにします。

Q. 良い書体と、良く無い書体の違いはどこにありますか?
A. 使い方次第。美しいタイプフェイスでも使われる状況で違います。長い文章に使われるのに向いている場合もあるでしょう。
 人によって良いも悪いもなく、使い方次第。
 美しいフォントでも変な組み方をしたり、合わない文章をあてたり。
 あまり良く無いフォントと思えても、完璧にうまく使えば素晴らしい見栄えになります。
 でも私は、生理的にイヤになるフォントはありますけど。
 使い方だけを気にするようにして、美しく無いフォントは無視するようにしています。

Q. マシューカーターが、マンホールにフォントが使われていて、関心した。日常のエピソードは?
A. スターウォーズ.com のWebサイトに使われていると知った時には、凄く嬉しかったです。アンテナというフォントです。
 ポルノサイトに使われたり、自分のフォントを変にのばして使われていた時には、悲しかったです。
 それならまだ良いのですが、95%縮小とか、ちょっとだけ変更を加えているのがイヤですね。
 自分が作ったものを使われているのを知るのはうれしい。
 人が読んでいるの、使われているのを観るのはうれしいです。
 仕事をいっぱいしすぎていて、日常で楽しめることはなかなか無いのですが、
 朝早く起きて、散歩に出かけるのですが、気づくことも気づかないこともあるのですが、
 歩く事に喜びを感じます。自分で意識的にやっていることは朝の散歩です。

Q. お気に入りの文房具があれば?!
A. 日本製のぺんてる、筆ペンも気に入ってます。
 万年筆、ニブがとても柔軟なので凄く気に入ってます。私のタンブラーを確認してみてください。

1/16/2014

[&] Eliot Bergman / Infographics Design



Eliot Bergman / Infographics Design

※後で写真を追加します!
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http://ebergman.com/
http://www.ebergman.com/infographics

世界に伝えるインフォグラフィックスデザイン
ブルームバーグ、Newsweek, HP にインフォグラフィックスを提供するデザイナー

高校は美術専門、そのあとスイスの大学院にいきました。
20の時に、大学院から卒業して、大きな出版社タイムワーナーに就職しました。
その雑誌はフォーチューンというビジネスの雑誌で、
インフォグラフィックが仕事でした。
その頃、パソコンもなく、Mac もなく、
どういうグラフィックか考えるのが一番大切でした。

こうゆうインフォグラフィックを書いたことがある人は?
この 30年の間、コーポレートアイテデンティティや、ファッションや
いろいろな仕事をやっていますが、
その間ずっとインフォグラフィックに興味がありました。
事務所で働くのはあまり会わなかったので、独立してはたらきました。
大きな雑誌と契約があったのが良かったです。

Newsweek との契約は 18年契約が続きました。
フリーランスだといつ仕事が入ってくるのかわかりませんが、
インフォグラフィックの仕事が定期的にあるのは感謝しました。

●チャートとグラフ

数字だけ観ても意味がわからない。
意味が無い。ゆっくり読まないと意味が無い。
テーブルのようにオーガナイズすると。これでもまだ曖昧。
読者に伝えることが使命。
ストーリーがあまり面白くない。見えてこない。

線グラフ。
線がこのデータにあうかどうかわからない。

棒グラフ
一年ごとにバラバラにする意味があるかどうかわからない。

円グラフ
100% になるかどうかわからない。

それがインフォグラフィックの大切なことは
情報を伝えること。

ポイントは、2008年の貯金を見ること。
これを良くみて、編集してこういう結果にします。
読者は、見て、一瞬でわかります。
こういうデータの意味、どの形が大切、どのデータの形を編集すべきかを
感がえるのが一番大事ですね。
すぐに理解できる形が一番いい。

●次は私のインフォグラフィック
私のスタイル、私の哲学、私の書き方がわかりやすくなります。

ブルームバーグ(経済情報)がクライアントの仕事、
月々、40-50枚のインフォグラフィックをかきました。
時間が限られていましたが、面白かったです。
これは、747とエアバスの比較のインフォグラフィックです。

値段、広さ、席数
読者に、伝わりやすく、
イラストを描くと、見やすくなる。
エアバスもまだ出来ていないので、3Dグラフィックスにしました。
記事によって適切なスタイルに変えます。

時価総額。
IPOで大きくなったので、風船のメタファーを使いました。
普通はただの棒グラフですが、つまらない。
読者に面白く見せる。

20本のタバコで、100% の円グラフになります。
利益や、税金など、を3Dで描いたものです。
写真を撮れば楽だったんですが。

ニューヨークのハンプトンという場所。高級住宅地。
絵はがきのような形が楽しいと思いました。
これはかなり古いインフォグラフィックです。

フォードとGMの借金のインフォグラフィック。
すぐに理解できると思いました。

光ファイバーのマーケット、マーケットの広さを示したインフォグラフィック。

野球の試合のチケット。
誰かが試合を見た時に、どれくらいグッズや食事に時間を使っているのか?
三つのチームで比較しました。
ただの表ですが、チケットのイラストを使わないと面白くなかった。
ロゴは良くしられたものなので。

MOMA
これは写真を使いました。有名な建物なので。

これは Photoshop で描いたものです。
場合によります。

カフェラテの値段
コーヒーカップを使わないとわからない。
良く知られていて、憧れがある。
カフェラテいっぱいの価格。

ノキアの株が下げている様子。
これは携帯電話を見せた方がいい。

インフォグラフィックは飾りという人がいますが、
それはインフォメーション。
見たらすぐに、「携帯」の内容だとわかります。

Apple のキャンペーンの真似して、
自分の顔のシルエットを書きました。

金庫の借金、
温度計、体温計を使いました。
銀行の建物はつまらないので、メタファーを使いました。
これは棒グラフでも円グラフでもどっちでもなりたちます。

解りやすい写真をとって書いたものです。

シスコという会社のサイズを示したもの。
15の会社を全部あわせたよりも大きかったので、
普通の棒グラフで見せた方がドラマティックだと思いました。
データを読み取ってから見せ方を考えないといけません。

ヨットの青写真のような見せ方。
どういう風にお金がかかるのか。

ESPN
スポーツチャンネル
この会社はテレビだけでなく、インターネットのページも、
雑誌もだしていて、それらも見せたかった。

電話の通話料金。
自分のポケットから小銭を出した感じ。

ドーナツの会社、チェーン店、お酒の会社、
70% がお酒、13.3 はチェーン店。
ドーナッツを使って円グラフを作りました。

GM車の会社。
鍵や扉や、ナビ、ステアリング、オイルは別な会社です。
車の形で見せたのが良かった。

二酸化炭素排出量。
この場合は煙突が良いと思った。
ただの棒グラフですが。
力強い形でかきたかった。

広告代理店。手書きで、軽い感じで、書きました。

エルメスがどうやってお金を儲けているかというインフォグラフィック。
65% は洋服や香水など。
バッグは有名なので、エルメスのイメージなのでこういう写真を使いました。

薬品会社。何が危ないのか示しました。
真面目な話題でこういう形が良いと思いました。

ウォールマート。スーパー。
世界中の売り上げの 3% はウォールマート。
1年の売り上げはスイスの GDPより大きいです。

スカイプが出来た時の説明。

築地の話し。
マグロの形。カトゥーンの方が面白いと思いました。

ラスベガス。派手ではなく
ただの地図としてえがきたかった。
ロゴではなく、地理的なはなし。

サッカーチームが使っているお金。

インドの航空会社の話し。
どういう新しい会社ができて、どのサイズなのか。

おもちゃの売り上げ。
電気のおもちゃは売り上げがあがって、ぬいぐるみは売り上げが下がっていること。

私のスタイルは、すべてシンプルですよね。
雑誌を見たときにすぐに理解して欲しいので、
どういうイメージが読者に深くて、一番解りやすい、意味があるのかをよく考えています。

あるデザイナーは、シンプルでポップな感じ。
複雑な絵を描くこともできますが、合わない場合があります。
情報を伝えるのが目的です。

●インターナショナルインフォグラフィック

ポイントは英語を読まない。
今見せる例のグラフィック

アルバニア、東ヨーロッパのインフォグラフィック
イスラム教の礼拝の方法。文字は読めないけど意味はわかる。

どちらのボウルがあなたの犬に合うタイプなのかを示す
インフォグラフィック。
可愛く、面白く書かれている。

アメリカ人はかなり肥満...
かなり肥満か、よく描かれている。

オーストラリアのインフォグラフィック。
地図が良かったが、波のアイコンとか、ゆるゆるなグラフは
あまり関係無い。

南米。
パソコンを使う時になんで腰が痛くなるのか

カクテルの作り方。
かなりエレガントな描き方。
これを書いたのはプロではなく、大学生。

エクアドルのサッカー

死んでから、あなたの体の部品の価値。
他の書き方なら怖いが、かなり良く描けている。

高層ビルの予定があるが、まだ立っていないビルの予定。

お弁当のサンドイッチに絵を描いている。
毎日書いているみたい。

ラザニアの作り方のインフォグラフィック。

更生部室を発見した人のタイムライン

オリンピックのインフォグラフィック

トウモロコシの使い方。

●悪い例 してはいけないこと。

TPP
グラフを見てもわからない。
数字の使い方。デザインも良くない。
ちょっときたない。ポイントが解りづらい。

新聞購読率
いらない情報がありすぎる。
繰り返すのは意味がない。

社会保障費

説明文がグラフィックスよりが多いのは意味がない。

私がデザインしたら。
新聞のイラストで、解りやすく。
新聞を見たら、話しが新聞の関係だとわかる。
それがインフォグラフィックの力。

●悪い例;トレンディ、しかし?

細長いインフォグラフィックはあまり良く無い。
編集されていない。
アイコンを使っているけど、なんでかわからない。
説明もなくてわからない。

シロアリの話し。全然わからない。
最近、いろいろなソフトがあります。
最近のトレンドは、複雑なインフォグラフィックを描いたらクール?
形は凄いけど、情報は良くない。

●国際エネルギー機関(IEA)パリ

この雑誌は年に4回。
32ページの情報をもらって、それからインフォグラフィックを描いてくださいという依頼。

最初の棒グラフは意味がわからないけど、
時間のグラフだということがわかる。
これは私の趣味じゃないけど、1ページで沢山みせたかった。
フルカラーですが、赤と青を選んだのはなぜかは覚えてません。

●5つのステップ

1. データを収集
エクセルはすすめていません。
ソフトは大切ではない。

2.データの分析と編集

大きな問題なので、一番小さいものか、大きい順に。

3. グラフの種類
4. 視覚的なメタファー
5. 編集、仕上げ

説明、ラベル、キー、情報源
情報源は大事。

●いくつかのwebサイト

http://visual.ly/
http://visualizing.org/
http://edwardtufte.com/tufte/
http://pinterest/
http://ebergman.com

私のインフォグラフィックと、グラフィックのスタイルはあまり変わりないです。
小さな雑誌の場合は好きに仕事できる。
シンプルでわかりやすいもの。
写真を真似せず、グラフィックとして描きたい。

Q&A
$ が一つしか描かれていないのは?

何回も繰り返すとノイズになる。

Q&A
失敗しない、ミスをしない方法。

ステップごとに、使っている情報を確認。
Wikipedia とか情報をとっているが、信頼できるかわかりません。
情報源を確認するのが良い。編集。目的、情報のポイントを良く考えて
選んだら失敗しないです。イラストがいるのか?イラストが要らないのか?
シンプルで良いのです。そのような事を守ったら、失敗しないです。
他の人に見せてチェックしてもらう。

Q&A
日本語で作ろうとすると、うまく締まらない。
英語は短い、日本語は長い。
考えるべきこと。込み入ったら、文が長いのはいいが、シンプルにする。
要らないものを消して、読書を尊重すべき。

Q&A
雑誌とかの場合は、書体の指定がある場合があり、
グラフィックがシンプルだとタイポグラフィを選ぶのに神経を使うので、
書体を選ぶこだわり。相性がいい書体などあれば。

私の場合は、イラストがメインの場合は、特別なフォントはいらない。
ある雑誌は固有のフォントがあります。
飾り的なフォントなど。それはイラストのため。
最初の2語、ボールドで強調したフォントの後、興味があれば読んでもらえる。
ポイントは文字ではない。
文字テーブルであれば、綺麗な文字を使うはず。
一般的にはニュートラルなフォントを使った方がいい。

Q&A
国や宗教によって、色の持つ意味が変わる。
インターナショナルなインフォグラフィックで注意すべきことは?

それぞれの国に失礼が無いように。
意味があって、色を使う。
アメリカの教科書の仕事、いろいろ決まりがあって、すごい難しい。

Q&A
何が伝えたいこと、伝えたいことがあるから形にしたいと思い。
ピクトグラムでユニバーサルなものになって。
どうやったら言葉を使わずに、表現できるか?

まず、描いて、自分の意見だけではなく、
いろいろな人にみせて、どっちが理解できる理解できないを聞いて、
客観的に見てもらう。
自分のために描いているものでは無いので、もう一人連れてくる。
自分の自信を強くするのも大事なことです。

Q&A
紙向けとWeb向けの違い。

Web 向けは、インタラクション、動きがあるものにする。
情報が複雑でもWebでは表現することができる。
それが大きな違い。
Webは、72dpi 、雑誌は 350dpi なので、クオリティが違う。
雑誌なら一瞬で見て終わり。Webなら、ちょっとテレビゲームのように
遊んでもらえれば、わかりやすいインフォグラフィックスになる。

Q&A
どれぐらい時間がかかりますか?

一番大切なのは、描き始める前に、アイデアが完成していなければ、
描き始めるべきではない。パソコンに向う時に、何を描くべきなのか解ってから
描き始める。
20人いれば、20とおりの描き方がある。

1/15/2014

[&] takram academy * NOSIGNER



takram * NOSIGNER
太刀川英輔 @_NOSIGNER
-----------------------
NOSIGNER の由来:

design の語源は de + sign サインを作る。
形が決まる前、周囲に理由がいっぱいあって、デザインされている。
椅子も重力やお尻の大きさが関係性がある。
見えない部分、すでにある部分をがんばって考えると、
勝手にデザインが出てくるんじゃないかと考え、NO+SIGN を考え、
創業したのが 2006年です。

いまかだだいたい 40分くらい、集合知化するデザインを
共有したいと思います。NOSIGNERというデザイン事務所をやっていて、
どういうデザイン事務所かというと、
デザインは可能性がとってもあるもので、その可能性を最大化したく、
領域の専門性にとらわれず、どんな機能が果たせるのか考えていきたい。
集合知は、時代において意味があり、デザインを機能させるために意味があると
考え、そういう話しを今日はします。

一番最初に NOSIGNERを作った時のはなしをします。
大学院生で、お金はなくて、デザインで、デザインに可能性があると感じていて、
その可能性を拡大するような、ある種、デザインという問いかけのプロジェクトを
やりたいと思っていました。
どんなデザイナーもどう批評性をもっているのか、差異を持つのか、
どれだけ新しいのか考えると思います。

オープンソースプロダクトという概念にうっすら気がついて、
可能性があると感じたところから始めたいと思います。

 大量生産、大量消費で僕らは豊かになったけど、....
 
 どうやらクライアントはアイデアの善し悪しよりも、売り上げに興味があるらしい。
 デザイナーって、社会や未来を変えることができるはず

 物を作る人より、お金を操作している人の方が、ずっとリッチな暮らしをしている。
 近所のスーパーで勝手みたが、愛着が持てない。
 手作りしてみたら、意外と可愛いものができた。

自分が関わっている人が作っていたり、作っているところを観に行ったりしたら、
全然愛着が違う。

 街には、もっとこうしたらいいのに。って物ばかりだ。

 デザインは、守秘義務で守るもの。
 デザインは、社会と共有するもの。

クライアントワークで、守秘義務で守られているもの。
歴史上の残っているものは、シェアされているもの。
テーブルは誰が作ったかわからない。
社会に共有されないと、その価値は拡張していかない。

そういうことを考えていた時に、オープンソースという概念を知りました。
プログラミングの世界にはありました。
プロダクトデザインの世界では、想像できませんでした。
今でこそ、FabLab という概念や、想像は着くのですが。
当時あまりなかったのです。
きっとオープンソースになる可能性があると思ったし、
Firefox のような製品でも不思議でないものがオープンソースでてている。

2007年くらい
 いままでの価値創造
 Open Source プロダクト。
スニーカーか、わらじの違いのようなもの。
スニーカーどこかで買ったと思うのです。
わらじ、100年くらい前わらじをはいていたとすると、
自分で作ったのかもしれません。
自分たちが必要なものを買っていますが、
かならずしもそうではない。
今は誰も自分で作った靴を履いてはいませんが、
100年前は身近な人が作ったわらじを履いていました。

現在から1万年を想像し、クローズドなデザインを取り入れていたのは、
歴史的にみると、不思議なこと。
生産者、消費者、デザインのループの方が素直なこと。

一番最初に作っていたのはランプです。2007年くらい。
スプリングレイン(春の雨)という名前です。
春雨でランプを作りました。
作り方を公開しました。
水につけて、針金に絡めて、散髪すると作れます。

まず、どこでも手に入ることが重要だったのと、
誰もが出来るというのが重要でした。
これが、ソケットの部分を作るとなると、難しいことでした。
ソケット買ってきて、参画のボーダーが低いことを
デザインするのが大きいことでした。
参画性の高さはいろいろな方法があります。

鳥の羽根のランプ、その頃「オレ流インテリア」みたいな本がはやってました。
ヤンキーのお兄さんがダッシュボードに置いているような羽根です。

それから、時は経ち、2012年の後半に、
オープンソースのプロジェクトと仲良くなって、
Mozilla Japan のオフィスデザインを担当することになりました。
理念は一緒。一見整然としたオフィスのように見えますが、
ここにある全てのデータがダウンドーロできて、
ガイドブックが公開され、コピーできます。
あとは、普通のオフィスデザインです。

誰でも作れるということを担保するために、
どこでも手に入るもの、作るのが簡単であることが
説明する意味でも、大事でした。
ここの、Mozilla のオフィスプロジェクトで、
もう一個オープンソースデザインになっていくので
大事な部分は、プロの図面ではなくて、
情報として解りやすい図面が必要でした。
難しい情報を噛み砕くことで、参画性のハードルを下げることができます。
このプロジェクトも半分くらいの労力をさいて、ガイドを作ることに
労力をかけています。

Mozilla 自体が世界最大のオープンソースなので、
オフィスデザインはブランディングでもありました。
やりきっているというか、誠実さを示すものなのです。
takram でもデザインエンジニアリングなインターフォンがあるのが大事なんです。

東大でやっていたテクタイルという展示でした。
2008年くらい。当時、まだ大学院を卒業したばっかりで、
たぶん、お金がなくて、当時、同じくらいの世代でがんばっている人も、
お金がなくて、東大で准教授の筧くん、なかたに君、3人で続けています。
この時は、展示空間を作るのにもお金がなくて、
だれでも作れるけど、根性のいるもの。
サランラップを圧着して作りました。

ある年は、アルミホイルで会場を作りました。
この会場つくりそのものをワークショップ化して、
皆さんに、1m *1m のアルミ箔を持たせて、街に放って、
テクスチャーを採ってきて、パトカーのエンブラムを採ってきたり、
職務質問をされながら(笑)
そのころは集合知することを考えていなかったのですが、
どうやってもそのフレームワークの中になるという環境を用意しておいて、
クリエイティビテイを確保したままで、みんなの参画性を高める
ルール設計をすることができ、
集合知化でキーになることです。

App Store がもうかっている。
ルールに基づいてクリエイティブを競っている。
レイティング、自然競争があって、
このルールの中で「勝てよ!」というきまりがあって、
クリエイティブに関わっている
0% オープンから、100% オープンがあって、
どのぐらいオープンにする設計にするかというのが
とっても大事なことなんじゃないかと思います。

ルール設計によって、最後のクオリティが担保されることもあるのです。

ねぶた市の皆さんとワークショップをやりました。
2時間で。新しいネブタを作る方法をあみだしました。
ものすごい簡単に、そこそこモノになるルールを設計してあげるだけで、
それっぽくかっこいいものが作れます。
これもルールの設計の問題だな〜と思います。
この新しい方法を上手くつかって、いろいろ作りました。
ルールが生み出す、100%柔軟性をもったルールは作りにくいので、
ルールが創り出す味が..... そういうことですよね。

2011年まで。
2011年3月に震災がありました。
オープンソースの可能性について、考えていたし、
色々な準備をしていたので、こういうことがあって、
救援物資が送るのが大変で、道路の復旧に時間がかかって、
かなりシビアな状況だったと思います。

OLIVE
Google Sites という Wiki サイトをオープンしました。
沢山あつまってくれて、あっという間に 100件、3ヶ国版ができて、
朝日新聞からも紹介されて、
たぶん500万人くらいにリーチしたのではないかと思います。
この時も同じことなんです。
プロのデザイナーが出来ることで助けてくれといったら、
すごく難しかったのではないかと思います。
クオリティよりも迅速であることが機能しました。
クオリティと参画性は天秤にかけるものです。
最高のクオリティを求めるのであれば、その人でなければできないですが、
クオリティと参画性を天秤にかけることになります。
決してクオリティが高いプロジェクトではないことがポイントです。

まず自分で試すこと。呼びかけることしかできませんでしたが、
越えていけるクオリティがありました。
アイデアを投稿することもできます。
ネット上にすでにある情報を載せることもできます。
イラストを描くだけの人もいます。
文字校正だけをやったひともいます。
翻訳だけをやったひともいます。
フリーペーパーを印刷した人もいます。
富士ゼロックスの人も 1000枚くらい(会社に内緒で)1000枚くらい刷ってくれました。

プロしか参画できないのか、誰でも参画できるように
丁寧に窓口を作っていくのか。
そういうプロセスを用意すると、小学生でも作れたりします。

Tシャツと物干が担架になったり、
オリーブオイルが、ろうそくになったり。

今、デザインの文法というワークショップをやっています。
凄いアイデアを出せ!と言われたら、結構難しいと思います。
こんなプロセスで、こう考えてとすると、意外と考えられます。
ここしか考えないと制限すると、けっこう奥深くまで考えることができます。

MIRA TUKU 
という NPOをやっていて、沢山の人たちがどんな風にはなすと
集合知がうまれるの?ということを考える NPOです。
テーマが決まっているわけではありません。
いろんな方法で対話をするのですが、
だいたいいままで集合知的なデザインの紹介です。


1/10/2014

[&] Fumie Shibata Works



@Fnote 柴田文江さんのデザインをお話しを聞いてきました!
http://www.design-ss.com/
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Fumie Shibata Works

非常にラフな会だよという話しだったのですが、
だいぶ困っています。
武蔵野美術大学の講座なので、学生さんが多いかと思いましたが、
かなり先輩がいらっしゃって、困ったな... と思っています。
一時間半、いろいろなことをお話ししながら、

どんなことを考えていること、感じている事、
悩んでいることをお話しして考える機会になればいいかな〜と思っています。

昨年作った木のベンチです。
柔らかい曲線が .... とよく言われるのですが、これは変わった作品です。
長野県のメーカーと、県の木材、杉と松のバージョンがあります。
木を沢山つかっています。よくよく観ると集積材です。
無垢ではありません。親世代だと、無垢な木がいい、木が無垢という価値観がありますが、
デザインは「なぜそうんなんだろう」と考えることです。

この仕事は木を使ってくれというお題でした。
集積材を使うのは指定ではありませんでした。
無垢が素晴らしいというのは、長年木が育った年月や、
大きな素材は貴重であることとか、値段が高いとか、
そういう価値だけではなく、逆に、無垢になりきれない木を
無駄無く使うということが価値なのではないかと思いました。

集積材をつなぐんですよ。隙間からボンドがはみ出ている様子です。
断面が美しいので、気に入っていて、待ち受けにしていて。
女子会で「木の断面を待ち受けにしている人」と驚かれました。
一つの作品によって、賛同者ができればいいなと思って考えて作りました。

昨年デザイナーズウィークの中で、エニー東京という展示で、
ベンチも置いてもらいました。奥には気鋭のデザイナーの展示があるなかで、
おだやかでほっこりしたもので、
集積された柄が正面に出しています。
こんなことを考えるようになったのは、デザイナーになってから何年かたってからです。
物を作るとき、素材の価値、デザインによって、新しい価値を
作れないかな。
無垢が素晴らしいということと、集積材を無駄無く使うということも
価値ではないかと伝えることも
使ってもらえることも、何か、せっかく作る職業なので、
自分なりの新しい挑戦を入れていきたいと思って作ったものです。
最近の一番新しい作品です。

一番最初の作品を持ってきました。1992年くらいに売り出したもので、
武蔵野美術大学の工芸を学んでいて、東芝に入ってキャリアを始めました。
バブルははじけていましたが、新人でしたが、沢山のモデルを作らせてもらえていました。
作ることに何も疑わず作っていました。
懐中電灯も合わせると、23種類も作りました。
配属が家電小物チームで、製品が出しやすいところにいて、
どんどん新しい商品をつくって、どんどんだして、
デザインって素晴らしいな〜と思っていました。

そのころはどう作る?というのがわかりませんでした。
製品をどうニーズにあわせて作るのか悩んでいた時代でした。

●必然のかたち

形に必然性がなければいけないと思っていました。
当時ソバージュヘアが流行っていました。
ソバージュはドライヤーをするとウェーブが取れるので、ドライヤーをかねないのが普通でした。
メーカーとしてどういうドライヤーが出せるのか?
髪の表面には温風を当てる事なく、地肌に当てる、
ソバージュヘア用アタッチメントを作りました。
当時は20個くらい提案して、そのうち 13個は実用新案をもらいました。
5-6年前まで、東芝から、実用新案の報酬をもらっていました!

アフロヘア用のアタッチメントも開発しました(笑
製品にはなりませんでした。

地肌を乾かしている様子をデザインしています。
手櫛感覚の、指の間の形がモチーフになっています。
自分たちで素晴らしいモチーフを見つけたと思って、一人でしびれていたのですが、
非常にジオメトリックな形で、図面から立体にすることもおぼつかなかったのですが、
今思えば、使っている状態を観察して、そこから適切な形を読み取るというのは、
その当時からデザインしていたことでした。

●目新しさ = デザイン

時代は走り出すような掃除機や、無意味なドレープがついた家電などがありました。
目新しさはデザインでないことは、今でこそそう思いますが、
企業の中でモノを売って行くという中ではそうも言っていられない現実があります。
新しいねといわれるように本質的なデザインをするのが難しかったです。
目新しさはデザインではないが、どうまわりを説得していくのか?

●コンセプト → かたち
コンセプトと形を一致させるのを考えてきました。
デザインというのは論理的なことと情緒的なことが一貫していかないと、
何も伝えていけないなと思いました。

手櫛のモチーフを使ったのも、
コンセプトから形を導き出した一つでした。
当時は作る、形にする、図面にして形にするのが精一杯だったので、
モノを作る責任は考えずせいいっぱいでした。

●オムロンの検温くん

当時は一人の事務所だったので、

たまたまベビー用品の大きな会社から、コンペに参加しませんか?と言われ、
コンペティターは大きな会社や有名なフランス人のデザイナーで、
期待はされていませんでしたが、
なんとか頑張って製品にしました。

今思うと、検温クンもコンペでした。
いろんな脇の下というのはなくて....(笑
手に入られる体温計を沢山かいました。写真の5倍くらい。
デザインが沢山あるんですよ。何をやってもやり尽されている気がして、
新たに作る必要があるんだろうか?とおもいました。

ある程度きれいなデザインもあるのに、どれも知りませんでした。
企業が自信をもって提供するものを作れるんだろうか?と思いました。
この中のバリエーションを作ろうという気もなく、暇だったので、
ここが正念場だと思い、一日中考えていました。

今スタンダードは何なのか?テルモの体温計でした。

●テルモ = 病院 = ドクター

病院で使っているというイメージで売れていて、
病院っぽい
それに対して

●オムロン = 家庭 = お母さん

ちょっとまてよ?病気になって病院に行く前に、病気を未然に防ぐのが重要で、
家庭にある唯一な医療機器が体温計。家庭としての位置づけがあるのではないか?
お母さんのような信頼性を作ることができるのではないか?
その信頼性に勝つためには、医者よりお母さんだろうと「母」というキーワードを出しました。
体温計がもたらす優しさと、確実にはかれるという賢さ、機器の精度、
メーカーとしての信頼性を「母」というキーワードに込めました。
「母」というコンセプトと形を一致させないといけないと思いました。

不思議なことに、自分の母親がどんな人であったとしても、
人が思う母の形は同じなのではないかと思いました。
やさしくて、どっしりして、割烹着を着ていて、
みんなが共感できるものができるのではないかと考えました。

製品とプロポーションが若干違います。
変わったケースも提案していますが、ダメでした。
体温計は自分のものですが、愛着をもって使っているものではありませんでした。
自分のものでありながら、愛用というものではなかったものに、
文房具のように、自分のものとして愛着をもって欲しいと思い、
こういうパッケージにしました。

液晶を縦にパッケージするのも珍しく、
それまでの電子体温計は横に表示されていましたが、
左右関係無く使えるようにしました。
形で商品そのものをつくりました。
先端が平らだと測りやすいのではないかと考えました。
子供が注射と勘違いすることも無いです。

●スタンダードとは

2003年に売り出して、すごい本数が売れています。
わりとどこに行っても見るんですよ。
沖縄のコンビニでも売っているのを見かけました。
体温計ってこうだよね? というスタンダードが出来たと、
体温計のキャラクターを作ったと考え、
スタンダードと呼ぶとすると、
なぜかスタンダードはシンプルでアノニマスで、
造形もゴリゴリやっていないものがスタンダードだと思われていましたが、
それだけでは無いなと思っています。
シンプルな形ではあっても、普通ではないのに、普及していくということは
なにも造形にブレーキをかけて、過去にならって、昔の形で、
これはこういうもんだと踏襲してくのではなく、
時代に即して切り開いていくのもスタンダードだと言えるのでは無いかと思いました。

普通のデザインのセオリーとしては、体温計は水銀計、
20世紀の体温計が思いつきませんでした。
電子体温計としての最初の一本を作ろうと考えました。

去年リニューアルしました。
当時は30秒で測るためにはこれだけの大きさが必要でした。
今は一回り小さいもので20秒で測れるようになりました。
企業が形を変えないというのは難しいことです。
全然違うデザインにしてくれというのがリクエストでした。

私とオムロンの担当の女性で、相談しました。
象徴的な体温計という形が作られているのだから踏襲するという考えもあるのではないか。
私の中ではロングライフデザイン。
支持されているものを使い続けるのも良いのではないか。
何度も怒鳴られながら、がんばりました。
形を変えることが新しいというのではない。
ただの体温計では無い。売り場で見ると変わってないように見えるかもしれませんが、
20秒で測れるし、軽くなっているし、
そういう奥ゆかしいデザイン戦略はなかなか作れないのですが、
そういうデザインで成功した例です。

●思考のセンス

先ほどの体温計も、2013年になって、10年もたつので、
いろんなことを考えるようになりました。
デザインは形だと思って、形が無いと、デザイナーに価値は無いのか?
考え方のセンス、思考のセンスに、デザイン性があるのかなと考えました。
一番最初に自分が考えたのは..

●MUJI 体にフィットするクッション

エレファントデザインの空想生活の中で考えたものです。
形があるようで無いもので、
甥や姪に「これどこデザインしたの?」と不思議がられました。
二つの柔らかい生地でできていて、
たまたまアクシデントで見つかりました。
布が足りなくなって、ハンカチを壊して作ったら、
柔らかい布と、堅い布で作られた模型ができました。
「そんなことでデザインができるの?」
手が見つけてくれた発見を、その時その時の対応力、
良い方向に結んでいくのもデザイナーの思考のセンスだと考えたものです。

●空想生活 × MUJI 「座る生活」

無印で、ソファを買うかな?と思いました。
MUJIで家具を買うというのは、きっと若い人ではないかと思いました。
若いということは暮らしも変わるし、一生使わない、
生活が変わっても対応できるものを考えました。
作るからには「これMUJI」だよね。と思いました。

●「THE MUJI」を作りたい

一番うれている商品です。

●ものに心をとらわれない。ものに居場所を縛られない。

当時、若い人の暮らしがまだまだ想像できました。
いろいろな生活が変わるので、モノに縛られない、ものに自分の暮らしを
決めつけられ無いものが作りたかったです。
テレビを買うと、テレビの反対側が自分の定位置になるじゃないですか?
なぜものに居場所を決められないといけないのか?
ソファといっても、とりまわしはクッションのように自在に作れるように。

ニトリで、ほんとに同じものを作っているのです。
説明図も、生地も同じです。
形もサイズも同じなんですよ.....
Twitter で愚痴ったら「似トル」と言われて笑いました。
自分がニトリの社員だったら、負けない商品を作ろうと考えるのに。

デザインは真似されたりします。
福井のほうに講演しに行ったら、
そっくりなデザインをしている人がいて、「勉強させてもらってます!」と言って
最低限オリジナルなものを追求するのは重要かなと思いました。愚痴ですね。

●9h ninehours

私自身、話し飽きてます。話している時に脇道にそれられるものがいいなと。

●宿泊の概念を変える

最初に 2006年にオーナーに会って、「宿泊の概念を変えるんだ!」
オーナーの希望をかなえるために、何ができるか考えました。
デザイナーは自分が良いと思ったものでないとデザインできないじゃないですか。
自分でも体験して、気づいたことを形にしていきました。
自分が納得したことを表現していこうと考えました。

カプセルホテル。まず靴を脱ぎます。
パブリックスペースが汚れないように。
女性が泊まれないホテルもあります。
最初、ペットショップ?と思いました。
原型は大阪で 35年前にできました。形はかわりません。
中にテレビがあったりして。
これは狭い広いの問題ではなく、信頼が無いということ。
怪しい、なんとも言えないアンダーグラウンドな感じがしました。

●じめじめからカラッと

普通に自分たちがつかえるようなものにするには、カラッとしなければいけない。
共感できるものにしないと。

●出張者がホテルに泰山する平均時間は9時間。

そのうち7時間は寝ている。
リゾートホテルでもなく、用途を限定して使っているホテル。

●宿泊の概念を変える、新たなセオリー

ホテルはロングステイ、ショートステイだけでなく、新しいホテルの概念。

●くつろぐためのホテルではなく、今日と明日をつなぐトランジットととらえる考え方。

新幹線で隣りの席に人がいても寝られるじゃないですか。

●高級ホテルでも、安宿でもない。ただ安心して眠るための寝床。

北海道とか、豪華なカプセルホテルがあるんですよ。
カジノがあるホテルとか。この仕事をしなければ泊まる気はありませんでした。
カプセルをリサーチした時、男性は良く使っているのですが、
女性は普段会った事が無いような人が使っていました。
どういう人に使ってもらおうか?
今まで使ったことが無いような人、そういう人たちに使ってもらえる人に
使ってもらえるのは? スタバを使う人が泊まるカプセルホテルは?

個人の考えを開いていこうと考えました。
寝るだけに特化することで、従来のカプセルホテルが持っていた
閉じられた感じを開示していこうと考えました。

●身軽で合理的という価値観

身軽な方が価値だと思うこともあるじゃないですか。
断捨離とか。
モノが無い時に育っていると、モノを捨てない。
モノを持っていることが豊かではないというのが価値観。
安いということが貧しいということではなく、
豊かさを伝えていくことがデザインでは出来ると思いました

●道具のようにつかえる都市の機能

いろんな街に作ろうと考えていました。
誰もが都市に泊まる寝床ができるとかんがえました。

 ---- オフレコ -----

とはいっても安いホテルなので、なにもかにも潤沢にできないので。

●環境は機能的に、カラダの近くは快適に

これが京都に出来上がったものです。
景観条例があります。このホテルの前は 2m くらいで、
見えないのですが、三角の屋根を作れと言われました。
リノベーションだと考えを変えて、作りました。
カプセルユニットを連続させてホテルを作らなくても、
空いているビルとか、空いている土地に、その時、その時に入れる機能と
考え直すことができました。

ことさらサインがたくさんあるんですよ。
SDNの賞を頂きました。
必要以上にサインがある(笑)
お金もなにもないし、装飾的なことが何もできないので、
狭いということを逆に機能的な空間だと置き換えたかったので、
優秀なサインの方にチームに入ってもらい、
空間に機能があるように表現してもらいました。

下駄箱にサインを書いていて、
インテリア、サイン、建築がシームレスになるように。
下駄箱の扉は、象眼されたシームレスなサイン。
今みても本当に沢山入ってますね....

立ったままのテーブルでパソコンを使います。
空間が活動を制御しています。

右側が、廣村正彰さんです。9hはカプセルの形から
考えています。床のサインも最終的では無いですが、検討しています。
サインに矢印を付けるという案がをいただきました。
数字に矢印をつけると読みにくくなるということでしたが、説得しました。

スリッパの袋、プロダクトとグラフィックがシームレスにつながった例。
ウェアは刺繍なので立体です。
このウェアは盗まれきってしまって、ほとんど残っていません。
良いもの作ると盗まれるんですね。
ある外国人のサイトで「いいものゲットしてきたぜ」と書いてあってムカつきました。

性善説ですが、商売はそんなもんでないですよ。
次の店舗はもう作れません。盗まれすぎました。
スリッパもいろいろ作りました。コストに責任を持つのもデザイナーの仕事なので、
結局普通のものになりました。

このホテルは道具だよ?プロダクトだよ?という考えで、
ホテルの取扱説明書を入れています。

シャンプーはミヨシ石鹸の「玉の肌」というオリジナルシャンプーを作ってもらいました。
なぜかいろんな人たちが仕事以上の前のめり感をもって作りました。
パナソニックに「眠り博士」がいて、
光で入睡して、覚醒できるライティングです。
シャンプーはさっぱり感、しっとり感を検証して、2年かけて、
パッケージも大量に持って変えられて、これはデザインの敗北です。

各フロアに懐中電灯を持っていきました。
男子フロアは、置くたびに盗まれていました。
会員制に登録するのに、盗まれていました。
シャンプーの個別包装もいつか復活します。

ここは朝と夜、違うタオルを使ってもらおうとしましたが、
長綿のタオルを安い業者を探して作ったのですが、たくさん盗まれてしまいました。

カプセルだけは柔らかに、しっとりに作っています。
外の空間ではだらしなくならないように。カッチリ作っています。
例えば、すね毛が見えることは衝撃的で、すね毛が見えないウェアを作りました。
いろいろ盗まれる問題や、コストのことを考えると、とても合理的なことがわかりました。
すね毛が見えないけれどもリネンも安くできるものを探しています。

ホテルは1日だけれども、その人の1日全部を考えるので、
いろんなことを勉強させてもらいました。
ハニカムで作っています。作るのは難しくないのですが、法律的に難しかったです。
カプセルの部品でありながら、居室の一部。壁に穴が空いているように作らなければいけなかった。
なんとか実現しました。
非常に有機的で、狭さは感じないといわれました。
今までのカプセルホテルと大きさは変わらないのですが。

寝てる寝台が広がって、360度に広がっているという考えて作られています。
言葉のトリックかもしれませんが、考え方をかえることによって
造形が変わることがあるので、そういうのを大事に言葉にしています。

どこにも角が無いので、ゲルコートされているので、どこが角なのかわかりません。
これはそうなったらいいな〜と 触れそうで、触れない、光の効果と、
形の効果がありました。

問題は音でした。防音装置はありますが、
すごいイビキの人もいるので、最終的には耳栓をしてもらうとか。
カプセルホテルだと思って泊まってもらうと、使い手が工夫してもらわないと
いけないことがあるかもしれない。。

カプセルの型を展開したものは、工業デザインだなーと、
カプセルの裏はこんな風になっています。今回は内側の形を作るために、
そとのサーフェスを作りました。
その後、そういう仕事が増えてきました。
構造的に無駄がなく作れる、良い効果があります。

オープンした時に、舞妓サンが来てくれて、
すごく新しいものと、すごく古いものが同居しています。

●京都 9h REOPEN

最後に、いろんなものを作ってきていますが、
最近思うことは、作ることは非常な責任があって、
考え出すとものが作れないような思いがあるのですが、
作ることでしかできないこと。
今だからこそ、デザイナーは何を作るかということを吟味しなければいけないと
考えています。

燕の包丁屋さん。ナカガワジュンさん。
1万種類の包丁があったのを 1/3 に絞り、
包丁工房 タダフサというシリーズを作りました。
包丁は選びにくい。
基本の3本を買っておいてもらい、牛刀、出刃、小出刃、刺身包丁を
商品のラインナップを作りました。
それにあわせてデザインをしなければいけなくなって、
包丁のデザインは男っぽく、やっぱり道具なので、強烈な個性がなく、
ニュートラルなものを作ろうと考えました。

最近「どこをデザインしたの?」という仕事

●みたてる

このまな板を爆発的に売れています。
販売をストップするほど売れています。
サイズ決めただけなんですけどね。
この仕立てにして、ロゴ入れただけなんですけどね。
できるだけその使い手が主役になるモノ作りと考えているのですが..

とぎ石も、ロゴ入れただけなんですけど、
とぎ順、ものの使い方、あなたにはこういう道具があってますよ!
と教えることもプロダクトなんだなと思いました。
形だけでなく、どう定義するのか?と考え、
形がなくても自分のデザインだなと思いました。
なんでも作れるものではないので、
価値観を与え、価値観が無いものを与えられ、
少し自由になれればいいな〜と思っています。

●Q&A

Q 体温計もスペックしか書いていない。
A Apple の例は理想的ですが、どんな企業もそう出来ない。
 そういうことが現状、競争力であることが解ってます。
 日々使っている時に感じてもらうことがデザインなので、買う時には説明しにくくても、
 思いもよらず良かったというのは、企業イメージの貯金になるので、
 今は仕方ないかな?と思っています。自分でやるときはそうしませんけど。

Q 包丁を作る際に、今までの包丁の寸法が決まっていると思うのですが...
A 洋包丁を使っていて、自分の手にあまるものでしたが、サイズ的には和包丁で、
 女性の手のサイズを考えて作っています。
 作って握って確かめるなど。刃の大きさは、一番いい寸法を選んでいて、
 刃にはデザイン性を与えてないです。デザインは柄と口金のところのみです。

1/01/2014

[&] Happy New Year 2014 !



( Photo by visualpanic )

Happy New Year 2014 !

あけましておめでとうございます。
今年も素敵な年になりますように。
皆にとって素晴らしい一年でありますように!