1/10/2014

[&] Fumie Shibata Works



@Fnote 柴田文江さんのデザインをお話しを聞いてきました!
http://www.design-ss.com/
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Fumie Shibata Works

非常にラフな会だよという話しだったのですが、
だいぶ困っています。
武蔵野美術大学の講座なので、学生さんが多いかと思いましたが、
かなり先輩がいらっしゃって、困ったな... と思っています。
一時間半、いろいろなことをお話ししながら、

どんなことを考えていること、感じている事、
悩んでいることをお話しして考える機会になればいいかな〜と思っています。

昨年作った木のベンチです。
柔らかい曲線が .... とよく言われるのですが、これは変わった作品です。
長野県のメーカーと、県の木材、杉と松のバージョンがあります。
木を沢山つかっています。よくよく観ると集積材です。
無垢ではありません。親世代だと、無垢な木がいい、木が無垢という価値観がありますが、
デザインは「なぜそうんなんだろう」と考えることです。

この仕事は木を使ってくれというお題でした。
集積材を使うのは指定ではありませんでした。
無垢が素晴らしいというのは、長年木が育った年月や、
大きな素材は貴重であることとか、値段が高いとか、
そういう価値だけではなく、逆に、無垢になりきれない木を
無駄無く使うということが価値なのではないかと思いました。

集積材をつなぐんですよ。隙間からボンドがはみ出ている様子です。
断面が美しいので、気に入っていて、待ち受けにしていて。
女子会で「木の断面を待ち受けにしている人」と驚かれました。
一つの作品によって、賛同者ができればいいなと思って考えて作りました。

昨年デザイナーズウィークの中で、エニー東京という展示で、
ベンチも置いてもらいました。奥には気鋭のデザイナーの展示があるなかで、
おだやかでほっこりしたもので、
集積された柄が正面に出しています。
こんなことを考えるようになったのは、デザイナーになってから何年かたってからです。
物を作るとき、素材の価値、デザインによって、新しい価値を
作れないかな。
無垢が素晴らしいということと、集積材を無駄無く使うということも
価値ではないかと伝えることも
使ってもらえることも、何か、せっかく作る職業なので、
自分なりの新しい挑戦を入れていきたいと思って作ったものです。
最近の一番新しい作品です。

一番最初の作品を持ってきました。1992年くらいに売り出したもので、
武蔵野美術大学の工芸を学んでいて、東芝に入ってキャリアを始めました。
バブルははじけていましたが、新人でしたが、沢山のモデルを作らせてもらえていました。
作ることに何も疑わず作っていました。
懐中電灯も合わせると、23種類も作りました。
配属が家電小物チームで、製品が出しやすいところにいて、
どんどん新しい商品をつくって、どんどんだして、
デザインって素晴らしいな〜と思っていました。

そのころはどう作る?というのがわかりませんでした。
製品をどうニーズにあわせて作るのか悩んでいた時代でした。

●必然のかたち

形に必然性がなければいけないと思っていました。
当時ソバージュヘアが流行っていました。
ソバージュはドライヤーをするとウェーブが取れるので、ドライヤーをかねないのが普通でした。
メーカーとしてどういうドライヤーが出せるのか?
髪の表面には温風を当てる事なく、地肌に当てる、
ソバージュヘア用アタッチメントを作りました。
当時は20個くらい提案して、そのうち 13個は実用新案をもらいました。
5-6年前まで、東芝から、実用新案の報酬をもらっていました!

アフロヘア用のアタッチメントも開発しました(笑
製品にはなりませんでした。

地肌を乾かしている様子をデザインしています。
手櫛感覚の、指の間の形がモチーフになっています。
自分たちで素晴らしいモチーフを見つけたと思って、一人でしびれていたのですが、
非常にジオメトリックな形で、図面から立体にすることもおぼつかなかったのですが、
今思えば、使っている状態を観察して、そこから適切な形を読み取るというのは、
その当時からデザインしていたことでした。

●目新しさ = デザイン

時代は走り出すような掃除機や、無意味なドレープがついた家電などがありました。
目新しさはデザインでないことは、今でこそそう思いますが、
企業の中でモノを売って行くという中ではそうも言っていられない現実があります。
新しいねといわれるように本質的なデザインをするのが難しかったです。
目新しさはデザインではないが、どうまわりを説得していくのか?

●コンセプト → かたち
コンセプトと形を一致させるのを考えてきました。
デザインというのは論理的なことと情緒的なことが一貫していかないと、
何も伝えていけないなと思いました。

手櫛のモチーフを使ったのも、
コンセプトから形を導き出した一つでした。
当時は作る、形にする、図面にして形にするのが精一杯だったので、
モノを作る責任は考えずせいいっぱいでした。

●オムロンの検温くん

当時は一人の事務所だったので、

たまたまベビー用品の大きな会社から、コンペに参加しませんか?と言われ、
コンペティターは大きな会社や有名なフランス人のデザイナーで、
期待はされていませんでしたが、
なんとか頑張って製品にしました。

今思うと、検温クンもコンペでした。
いろんな脇の下というのはなくて....(笑
手に入られる体温計を沢山かいました。写真の5倍くらい。
デザインが沢山あるんですよ。何をやってもやり尽されている気がして、
新たに作る必要があるんだろうか?とおもいました。

ある程度きれいなデザインもあるのに、どれも知りませんでした。
企業が自信をもって提供するものを作れるんだろうか?と思いました。
この中のバリエーションを作ろうという気もなく、暇だったので、
ここが正念場だと思い、一日中考えていました。

今スタンダードは何なのか?テルモの体温計でした。

●テルモ = 病院 = ドクター

病院で使っているというイメージで売れていて、
病院っぽい
それに対して

●オムロン = 家庭 = お母さん

ちょっとまてよ?病気になって病院に行く前に、病気を未然に防ぐのが重要で、
家庭にある唯一な医療機器が体温計。家庭としての位置づけがあるのではないか?
お母さんのような信頼性を作ることができるのではないか?
その信頼性に勝つためには、医者よりお母さんだろうと「母」というキーワードを出しました。
体温計がもたらす優しさと、確実にはかれるという賢さ、機器の精度、
メーカーとしての信頼性を「母」というキーワードに込めました。
「母」というコンセプトと形を一致させないといけないと思いました。

不思議なことに、自分の母親がどんな人であったとしても、
人が思う母の形は同じなのではないかと思いました。
やさしくて、どっしりして、割烹着を着ていて、
みんなが共感できるものができるのではないかと考えました。

製品とプロポーションが若干違います。
変わったケースも提案していますが、ダメでした。
体温計は自分のものですが、愛着をもって使っているものではありませんでした。
自分のものでありながら、愛用というものではなかったものに、
文房具のように、自分のものとして愛着をもって欲しいと思い、
こういうパッケージにしました。

液晶を縦にパッケージするのも珍しく、
それまでの電子体温計は横に表示されていましたが、
左右関係無く使えるようにしました。
形で商品そのものをつくりました。
先端が平らだと測りやすいのではないかと考えました。
子供が注射と勘違いすることも無いです。

●スタンダードとは

2003年に売り出して、すごい本数が売れています。
わりとどこに行っても見るんですよ。
沖縄のコンビニでも売っているのを見かけました。
体温計ってこうだよね? というスタンダードが出来たと、
体温計のキャラクターを作ったと考え、
スタンダードと呼ぶとすると、
なぜかスタンダードはシンプルでアノニマスで、
造形もゴリゴリやっていないものがスタンダードだと思われていましたが、
それだけでは無いなと思っています。
シンプルな形ではあっても、普通ではないのに、普及していくということは
なにも造形にブレーキをかけて、過去にならって、昔の形で、
これはこういうもんだと踏襲してくのではなく、
時代に即して切り開いていくのもスタンダードだと言えるのでは無いかと思いました。

普通のデザインのセオリーとしては、体温計は水銀計、
20世紀の体温計が思いつきませんでした。
電子体温計としての最初の一本を作ろうと考えました。

去年リニューアルしました。
当時は30秒で測るためにはこれだけの大きさが必要でした。
今は一回り小さいもので20秒で測れるようになりました。
企業が形を変えないというのは難しいことです。
全然違うデザインにしてくれというのがリクエストでした。

私とオムロンの担当の女性で、相談しました。
象徴的な体温計という形が作られているのだから踏襲するという考えもあるのではないか。
私の中ではロングライフデザイン。
支持されているものを使い続けるのも良いのではないか。
何度も怒鳴られながら、がんばりました。
形を変えることが新しいというのではない。
ただの体温計では無い。売り場で見ると変わってないように見えるかもしれませんが、
20秒で測れるし、軽くなっているし、
そういう奥ゆかしいデザイン戦略はなかなか作れないのですが、
そういうデザインで成功した例です。

●思考のセンス

先ほどの体温計も、2013年になって、10年もたつので、
いろんなことを考えるようになりました。
デザインは形だと思って、形が無いと、デザイナーに価値は無いのか?
考え方のセンス、思考のセンスに、デザイン性があるのかなと考えました。
一番最初に自分が考えたのは..

●MUJI 体にフィットするクッション

エレファントデザインの空想生活の中で考えたものです。
形があるようで無いもので、
甥や姪に「これどこデザインしたの?」と不思議がられました。
二つの柔らかい生地でできていて、
たまたまアクシデントで見つかりました。
布が足りなくなって、ハンカチを壊して作ったら、
柔らかい布と、堅い布で作られた模型ができました。
「そんなことでデザインができるの?」
手が見つけてくれた発見を、その時その時の対応力、
良い方向に結んでいくのもデザイナーの思考のセンスだと考えたものです。

●空想生活 × MUJI 「座る生活」

無印で、ソファを買うかな?と思いました。
MUJIで家具を買うというのは、きっと若い人ではないかと思いました。
若いということは暮らしも変わるし、一生使わない、
生活が変わっても対応できるものを考えました。
作るからには「これMUJI」だよね。と思いました。

●「THE MUJI」を作りたい

一番うれている商品です。

●ものに心をとらわれない。ものに居場所を縛られない。

当時、若い人の暮らしがまだまだ想像できました。
いろいろな生活が変わるので、モノに縛られない、ものに自分の暮らしを
決めつけられ無いものが作りたかったです。
テレビを買うと、テレビの反対側が自分の定位置になるじゃないですか?
なぜものに居場所を決められないといけないのか?
ソファといっても、とりまわしはクッションのように自在に作れるように。

ニトリで、ほんとに同じものを作っているのです。
説明図も、生地も同じです。
形もサイズも同じなんですよ.....
Twitter で愚痴ったら「似トル」と言われて笑いました。
自分がニトリの社員だったら、負けない商品を作ろうと考えるのに。

デザインは真似されたりします。
福井のほうに講演しに行ったら、
そっくりなデザインをしている人がいて、「勉強させてもらってます!」と言って
最低限オリジナルなものを追求するのは重要かなと思いました。愚痴ですね。

●9h ninehours

私自身、話し飽きてます。話している時に脇道にそれられるものがいいなと。

●宿泊の概念を変える

最初に 2006年にオーナーに会って、「宿泊の概念を変えるんだ!」
オーナーの希望をかなえるために、何ができるか考えました。
デザイナーは自分が良いと思ったものでないとデザインできないじゃないですか。
自分でも体験して、気づいたことを形にしていきました。
自分が納得したことを表現していこうと考えました。

カプセルホテル。まず靴を脱ぎます。
パブリックスペースが汚れないように。
女性が泊まれないホテルもあります。
最初、ペットショップ?と思いました。
原型は大阪で 35年前にできました。形はかわりません。
中にテレビがあったりして。
これは狭い広いの問題ではなく、信頼が無いということ。
怪しい、なんとも言えないアンダーグラウンドな感じがしました。

●じめじめからカラッと

普通に自分たちがつかえるようなものにするには、カラッとしなければいけない。
共感できるものにしないと。

●出張者がホテルに泰山する平均時間は9時間。

そのうち7時間は寝ている。
リゾートホテルでもなく、用途を限定して使っているホテル。

●宿泊の概念を変える、新たなセオリー

ホテルはロングステイ、ショートステイだけでなく、新しいホテルの概念。

●くつろぐためのホテルではなく、今日と明日をつなぐトランジットととらえる考え方。

新幹線で隣りの席に人がいても寝られるじゃないですか。

●高級ホテルでも、安宿でもない。ただ安心して眠るための寝床。

北海道とか、豪華なカプセルホテルがあるんですよ。
カジノがあるホテルとか。この仕事をしなければ泊まる気はありませんでした。
カプセルをリサーチした時、男性は良く使っているのですが、
女性は普段会った事が無いような人が使っていました。
どういう人に使ってもらおうか?
今まで使ったことが無いような人、そういう人たちに使ってもらえる人に
使ってもらえるのは? スタバを使う人が泊まるカプセルホテルは?

個人の考えを開いていこうと考えました。
寝るだけに特化することで、従来のカプセルホテルが持っていた
閉じられた感じを開示していこうと考えました。

●身軽で合理的という価値観

身軽な方が価値だと思うこともあるじゃないですか。
断捨離とか。
モノが無い時に育っていると、モノを捨てない。
モノを持っていることが豊かではないというのが価値観。
安いということが貧しいということではなく、
豊かさを伝えていくことがデザインでは出来ると思いました

●道具のようにつかえる都市の機能

いろんな街に作ろうと考えていました。
誰もが都市に泊まる寝床ができるとかんがえました。

 ---- オフレコ -----

とはいっても安いホテルなので、なにもかにも潤沢にできないので。

●環境は機能的に、カラダの近くは快適に

これが京都に出来上がったものです。
景観条例があります。このホテルの前は 2m くらいで、
見えないのですが、三角の屋根を作れと言われました。
リノベーションだと考えを変えて、作りました。
カプセルユニットを連続させてホテルを作らなくても、
空いているビルとか、空いている土地に、その時、その時に入れる機能と
考え直すことができました。

ことさらサインがたくさんあるんですよ。
SDNの賞を頂きました。
必要以上にサインがある(笑)
お金もなにもないし、装飾的なことが何もできないので、
狭いということを逆に機能的な空間だと置き換えたかったので、
優秀なサインの方にチームに入ってもらい、
空間に機能があるように表現してもらいました。

下駄箱にサインを書いていて、
インテリア、サイン、建築がシームレスになるように。
下駄箱の扉は、象眼されたシームレスなサイン。
今みても本当に沢山入ってますね....

立ったままのテーブルでパソコンを使います。
空間が活動を制御しています。

右側が、廣村正彰さんです。9hはカプセルの形から
考えています。床のサインも最終的では無いですが、検討しています。
サインに矢印を付けるという案がをいただきました。
数字に矢印をつけると読みにくくなるということでしたが、説得しました。

スリッパの袋、プロダクトとグラフィックがシームレスにつながった例。
ウェアは刺繍なので立体です。
このウェアは盗まれきってしまって、ほとんど残っていません。
良いもの作ると盗まれるんですね。
ある外国人のサイトで「いいものゲットしてきたぜ」と書いてあってムカつきました。

性善説ですが、商売はそんなもんでないですよ。
次の店舗はもう作れません。盗まれすぎました。
スリッパもいろいろ作りました。コストに責任を持つのもデザイナーの仕事なので、
結局普通のものになりました。

このホテルは道具だよ?プロダクトだよ?という考えで、
ホテルの取扱説明書を入れています。

シャンプーはミヨシ石鹸の「玉の肌」というオリジナルシャンプーを作ってもらいました。
なぜかいろんな人たちが仕事以上の前のめり感をもって作りました。
パナソニックに「眠り博士」がいて、
光で入睡して、覚醒できるライティングです。
シャンプーはさっぱり感、しっとり感を検証して、2年かけて、
パッケージも大量に持って変えられて、これはデザインの敗北です。

各フロアに懐中電灯を持っていきました。
男子フロアは、置くたびに盗まれていました。
会員制に登録するのに、盗まれていました。
シャンプーの個別包装もいつか復活します。

ここは朝と夜、違うタオルを使ってもらおうとしましたが、
長綿のタオルを安い業者を探して作ったのですが、たくさん盗まれてしまいました。

カプセルだけは柔らかに、しっとりに作っています。
外の空間ではだらしなくならないように。カッチリ作っています。
例えば、すね毛が見えることは衝撃的で、すね毛が見えないウェアを作りました。
いろいろ盗まれる問題や、コストのことを考えると、とても合理的なことがわかりました。
すね毛が見えないけれどもリネンも安くできるものを探しています。

ホテルは1日だけれども、その人の1日全部を考えるので、
いろんなことを勉強させてもらいました。
ハニカムで作っています。作るのは難しくないのですが、法律的に難しかったです。
カプセルの部品でありながら、居室の一部。壁に穴が空いているように作らなければいけなかった。
なんとか実現しました。
非常に有機的で、狭さは感じないといわれました。
今までのカプセルホテルと大きさは変わらないのですが。

寝てる寝台が広がって、360度に広がっているという考えて作られています。
言葉のトリックかもしれませんが、考え方をかえることによって
造形が変わることがあるので、そういうのを大事に言葉にしています。

どこにも角が無いので、ゲルコートされているので、どこが角なのかわかりません。
これはそうなったらいいな〜と 触れそうで、触れない、光の効果と、
形の効果がありました。

問題は音でした。防音装置はありますが、
すごいイビキの人もいるので、最終的には耳栓をしてもらうとか。
カプセルホテルだと思って泊まってもらうと、使い手が工夫してもらわないと
いけないことがあるかもしれない。。

カプセルの型を展開したものは、工業デザインだなーと、
カプセルの裏はこんな風になっています。今回は内側の形を作るために、
そとのサーフェスを作りました。
その後、そういう仕事が増えてきました。
構造的に無駄がなく作れる、良い効果があります。

オープンした時に、舞妓サンが来てくれて、
すごく新しいものと、すごく古いものが同居しています。

●京都 9h REOPEN

最後に、いろんなものを作ってきていますが、
最近思うことは、作ることは非常な責任があって、
考え出すとものが作れないような思いがあるのですが、
作ることでしかできないこと。
今だからこそ、デザイナーは何を作るかということを吟味しなければいけないと
考えています。

燕の包丁屋さん。ナカガワジュンさん。
1万種類の包丁があったのを 1/3 に絞り、
包丁工房 タダフサというシリーズを作りました。
包丁は選びにくい。
基本の3本を買っておいてもらい、牛刀、出刃、小出刃、刺身包丁を
商品のラインナップを作りました。
それにあわせてデザインをしなければいけなくなって、
包丁のデザインは男っぽく、やっぱり道具なので、強烈な個性がなく、
ニュートラルなものを作ろうと考えました。

最近「どこをデザインしたの?」という仕事

●みたてる

このまな板を爆発的に売れています。
販売をストップするほど売れています。
サイズ決めただけなんですけどね。
この仕立てにして、ロゴ入れただけなんですけどね。
できるだけその使い手が主役になるモノ作りと考えているのですが..

とぎ石も、ロゴ入れただけなんですけど、
とぎ順、ものの使い方、あなたにはこういう道具があってますよ!
と教えることもプロダクトなんだなと思いました。
形だけでなく、どう定義するのか?と考え、
形がなくても自分のデザインだなと思いました。
なんでも作れるものではないので、
価値観を与え、価値観が無いものを与えられ、
少し自由になれればいいな〜と思っています。

●Q&A

Q 体温計もスペックしか書いていない。
A Apple の例は理想的ですが、どんな企業もそう出来ない。
 そういうことが現状、競争力であることが解ってます。
 日々使っている時に感じてもらうことがデザインなので、買う時には説明しにくくても、
 思いもよらず良かったというのは、企業イメージの貯金になるので、
 今は仕方ないかな?と思っています。自分でやるときはそうしませんけど。

Q 包丁を作る際に、今までの包丁の寸法が決まっていると思うのですが...
A 洋包丁を使っていて、自分の手にあまるものでしたが、サイズ的には和包丁で、
 女性の手のサイズを考えて作っています。
 作って握って確かめるなど。刃の大きさは、一番いい寸法を選んでいて、
 刃にはデザイン性を与えてないです。デザインは柄と口金のところのみです。