[&] takram academy * NOSIGNER
takram * NOSIGNER
太刀川英輔 @_NOSIGNER
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NOSIGNER の由来:
design の語源は de + sign サインを作る。
形が決まる前、周囲に理由がいっぱいあって、デザインされている。
椅子も重力やお尻の大きさが関係性がある。
見えない部分、すでにある部分をがんばって考えると、
勝手にデザインが出てくるんじゃないかと考え、NO+SIGN を考え、
創業したのが 2006年です。
いまかだだいたい 40分くらい、集合知化するデザインを
共有したいと思います。NOSIGNERというデザイン事務所をやっていて、
どういうデザイン事務所かというと、
デザインは可能性がとってもあるもので、その可能性を最大化したく、
領域の専門性にとらわれず、どんな機能が果たせるのか考えていきたい。
集合知は、時代において意味があり、デザインを機能させるために意味があると
考え、そういう話しを今日はします。
一番最初に NOSIGNERを作った時のはなしをします。
大学院生で、お金はなくて、デザインで、デザインに可能性があると感じていて、
その可能性を拡大するような、ある種、デザインという問いかけのプロジェクトを
やりたいと思っていました。
どんなデザイナーもどう批評性をもっているのか、差異を持つのか、
どれだけ新しいのか考えると思います。
オープンソースプロダクトという概念にうっすら気がついて、
可能性があると感じたところから始めたいと思います。
大量生産、大量消費で僕らは豊かになったけど、....
どうやらクライアントはアイデアの善し悪しよりも、売り上げに興味があるらしい。
デザイナーって、社会や未来を変えることができるはず
物を作る人より、お金を操作している人の方が、ずっとリッチな暮らしをしている。
近所のスーパーで勝手みたが、愛着が持てない。
手作りしてみたら、意外と可愛いものができた。
自分が関わっている人が作っていたり、作っているところを観に行ったりしたら、
全然愛着が違う。
街には、もっとこうしたらいいのに。って物ばかりだ。
デザインは、守秘義務で守るもの。
デザインは、社会と共有するもの。
クライアントワークで、守秘義務で守られているもの。
歴史上の残っているものは、シェアされているもの。
テーブルは誰が作ったかわからない。
社会に共有されないと、その価値は拡張していかない。
そういうことを考えていた時に、オープンソースという概念を知りました。
プログラミングの世界にはありました。
プロダクトデザインの世界では、想像できませんでした。
今でこそ、FabLab という概念や、想像は着くのですが。
当時あまりなかったのです。
きっとオープンソースになる可能性があると思ったし、
Firefox のような製品でも不思議でないものがオープンソースでてている。
2007年くらい
いままでの価値創造
Open Source プロダクト。
スニーカーか、わらじの違いのようなもの。
スニーカーどこかで買ったと思うのです。
わらじ、100年くらい前わらじをはいていたとすると、
自分で作ったのかもしれません。
自分たちが必要なものを買っていますが、
かならずしもそうではない。
今は誰も自分で作った靴を履いてはいませんが、
100年前は身近な人が作ったわらじを履いていました。
現在から1万年を想像し、クローズドなデザインを取り入れていたのは、
歴史的にみると、不思議なこと。
生産者、消費者、デザインのループの方が素直なこと。
一番最初に作っていたのはランプです。2007年くらい。
スプリングレイン(春の雨)という名前です。
春雨でランプを作りました。
作り方を公開しました。
水につけて、針金に絡めて、散髪すると作れます。
まず、どこでも手に入ることが重要だったのと、
誰もが出来るというのが重要でした。
これが、ソケットの部分を作るとなると、難しいことでした。
ソケット買ってきて、参画のボーダーが低いことを
デザインするのが大きいことでした。
参画性の高さはいろいろな方法があります。
鳥の羽根のランプ、その頃「オレ流インテリア」みたいな本がはやってました。
ヤンキーのお兄さんがダッシュボードに置いているような羽根です。
それから、時は経ち、2012年の後半に、
オープンソースのプロジェクトと仲良くなって、
Mozilla Japan のオフィスデザインを担当することになりました。
理念は一緒。一見整然としたオフィスのように見えますが、
ここにある全てのデータがダウンドーロできて、
ガイドブックが公開され、コピーできます。
あとは、普通のオフィスデザインです。
誰でも作れるということを担保するために、
どこでも手に入るもの、作るのが簡単であることが
説明する意味でも、大事でした。
ここの、Mozilla のオフィスプロジェクトで、
もう一個オープンソースデザインになっていくので
大事な部分は、プロの図面ではなくて、
情報として解りやすい図面が必要でした。
難しい情報を噛み砕くことで、参画性のハードルを下げることができます。
このプロジェクトも半分くらいの労力をさいて、ガイドを作ることに
労力をかけています。
Mozilla 自体が世界最大のオープンソースなので、
オフィスデザインはブランディングでもありました。
やりきっているというか、誠実さを示すものなのです。
takram でもデザインエンジニアリングなインターフォンがあるのが大事なんです。
東大でやっていたテクタイルという展示でした。
2008年くらい。当時、まだ大学院を卒業したばっかりで、
たぶん、お金がなくて、当時、同じくらいの世代でがんばっている人も、
お金がなくて、東大で准教授の筧くん、なかたに君、3人で続けています。
この時は、展示空間を作るのにもお金がなくて、
だれでも作れるけど、根性のいるもの。
サランラップを圧着して作りました。
ある年は、アルミホイルで会場を作りました。
この会場つくりそのものをワークショップ化して、
皆さんに、1m *1m のアルミ箔を持たせて、街に放って、
テクスチャーを採ってきて、パトカーのエンブラムを採ってきたり、
職務質問をされながら(笑)
そのころは集合知することを考えていなかったのですが、
どうやってもそのフレームワークの中になるという環境を用意しておいて、
クリエイティビテイを確保したままで、みんなの参画性を高める
ルール設計をすることができ、
集合知化でキーになることです。
App Store がもうかっている。
ルールに基づいてクリエイティブを競っている。
レイティング、自然競争があって、
このルールの中で「勝てよ!」というきまりがあって、
クリエイティブに関わっている
0% オープンから、100% オープンがあって、
どのぐらいオープンにする設計にするかというのが
とっても大事なことなんじゃないかと思います。
ルール設計によって、最後のクオリティが担保されることもあるのです。
ねぶた市の皆さんとワークショップをやりました。
2時間で。新しいネブタを作る方法をあみだしました。
ものすごい簡単に、そこそこモノになるルールを設計してあげるだけで、
それっぽくかっこいいものが作れます。
これもルールの設計の問題だな〜と思います。
この新しい方法を上手くつかって、いろいろ作りました。
ルールが生み出す、100%柔軟性をもったルールは作りにくいので、
ルールが創り出す味が..... そういうことですよね。
2011年まで。
2011年3月に震災がありました。
オープンソースの可能性について、考えていたし、
色々な準備をしていたので、こういうことがあって、
救援物資が送るのが大変で、道路の復旧に時間がかかって、
かなりシビアな状況だったと思います。
OLIVE
Google Sites という Wiki サイトをオープンしました。
沢山あつまってくれて、あっという間に 100件、3ヶ国版ができて、
朝日新聞からも紹介されて、
たぶん500万人くらいにリーチしたのではないかと思います。
この時も同じことなんです。
プロのデザイナーが出来ることで助けてくれといったら、
すごく難しかったのではないかと思います。
クオリティよりも迅速であることが機能しました。
クオリティと参画性は天秤にかけるものです。
最高のクオリティを求めるのであれば、その人でなければできないですが、
クオリティと参画性を天秤にかけることになります。
決してクオリティが高いプロジェクトではないことがポイントです。
まず自分で試すこと。呼びかけることしかできませんでしたが、
越えていけるクオリティがありました。
アイデアを投稿することもできます。
ネット上にすでにある情報を載せることもできます。
イラストを描くだけの人もいます。
文字校正だけをやったひともいます。
翻訳だけをやったひともいます。
フリーペーパーを印刷した人もいます。
富士ゼロックスの人も 1000枚くらい(会社に内緒で)1000枚くらい刷ってくれました。
プロしか参画できないのか、誰でも参画できるように
丁寧に窓口を作っていくのか。
そういうプロセスを用意すると、小学生でも作れたりします。
Tシャツと物干が担架になったり、
オリーブオイルが、ろうそくになったり。
今、デザインの文法というワークショップをやっています。
凄いアイデアを出せ!と言われたら、結構難しいと思います。
こんなプロセスで、こう考えてとすると、意外と考えられます。
ここしか考えないと制限すると、けっこう奥深くまで考えることができます。
MIRA TUKU
という NPOをやっていて、沢山の人たちがどんな風にはなすと
集合知がうまれるの?ということを考える NPOです。
テーマが決まっているわけではありません。
いろんな方法で対話をするのですが、
だいたいいままで集合知的なデザインの紹介です。
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