[&] Sociomedia UX forum 2014 spring (vol.1) - Marc Retting
Sociomedia UX forum 2014 spring
Marc Retting
http://www.fitassociates.com
@mrettig
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■UX入門 - カーネギーメロン大学のUXコースより
参加ありがとうございます。
質問等ありましたら、ぞくぞくお知らせください。
Fit Associates では、
組織のリーダーや、組織のチームに対してサービスを提供しています。
企業と顧客へ深い関係を築く方法や、
クリエイティビティへのサービスを提供しています。
企業と、顧客とのクリエイティビティをつなげていくサービスをしています。
沢山の企業の人びとと関わってきました。
ここに書いてありますが、大小かかわらず、トピックを列挙しています。
本日は、ここから私たちが学んできたこと、
米国の大学で教鞭をとっているのですが、そこで話している内容をお伝えします。
第一部は、全体像に対して、
第二部は、特定の分野にしぼった手法に関してお伝えしていきます。
本セミナーでは UX という言葉を使うのではなく、
Design for Experience という言葉を使いたいと思います。
ユーザーという言葉を使ってしまうと、それを図表にする傾向があるので、
あえて、Design for Experience という言葉を使います。
また、UXという言葉を使ってしまうと、デザインの重要なプロセスを
逸脱してしまいます。
■PART ONE
デザインとエクスペリエンスに対して解説していきます。
デザインは物の見た目、スタイルだけではなく、デザインに
含まれている意図が大切です。
すなわち、そのデザインをすることによって、世界が
どのように変わっていくのかという意図です。
そして、そのデザインの原動力になるのがイテレーションです。
大学の教員や、生徒とデザインについて話すと、さまざまな定義があります。
ここでは私が考えるデザインをお伝えします。
デザインには二つのステップがあります。
理解することと、想像することです。
デザインするこは理解から始まりますが、
まずは、物事を理解していないんだということから、
デザインは始まります。
ものごとに対して部分的にしか理解していなかったり、
家族のことさえも完璧に理解することはできません。
ナショナルジオグラフィクという雑誌をご存知でしょうか?
雄大な自然のように、複雑なものです。
ですから、まずは物事をしっかり見極めて理解し、
その後に、想像の世界に入っていきます。
そして、想像したものをもう一度世の中に出していくことで、
理解して創り出したものが間違っていたこと、
正しく理解できていなかったことがわかります。
ですから、自分の理解や、作っていたものが間違っていたことを
認めて、それを繰り返していくことでデザインをしていきます。
理解する、想像するプロセスにも沢山さまざまなことをしなければいけません。
理解したことを一つの形にして、それを想像に活かしていくプロセスが必要です。
そして、作り上げたものを世界に提示して、人々がどのように使うのかを観察します。
ここに、理解と想像のプロセスが沢山ならんでいるのですが、
このプロセスを繰り返し実施することで世界に有益なものをつくりあげていきます。
ときどき比喩として使うのですが、デザインは夜中に森の中を懐中電灯を持って
歩くようなものだと言っています。
森の中を歩いて抜けたいのですが、よく見えません、懐中電灯で一つ一つ照らしながら進んでいきます。
懐中電灯で道を照らす時、足下しか照らしていなければ、蛇に噛まれるかもしれませんし、
先にある落とし穴に気づかないかもしれません。
一歩一歩、歩く道を照らしながら、進むのです。
一歩一歩前にすすんでいけば、森の向こう側に出る事ができます。
ですから、デザインというのはマネージャーが意思決定するために
有益なツールです。
では、ここまで、デザインについてお話ししました。
ここからはエクスペリエンスについてお話しします。
エクスペリエンスは人のことです、テクノロジーは経験を持っていません。
経験を持っているのは人なのです。
デザインやUXに関して活動していくには、世界と世界をつなぐ必要があります。
アダプティブパスの Chris Risdon が作成した図です。
この図の中で、マーケティングで使われる「タッチポイント」という概念を用いて
この図を説明しています。
タッチポイントは、組織である企業と、顧客をつなぐ接点のような部分です。
映画館のチケットを買いたい人と、チケットを売りたい企業をあらわしています。
例えば、企業に属している人なら、会社の中からお客さまに対して目を向けるので
Webサイトを通してしか、目をむけることができます。
Webサイトからしかお客様を感じる、分析の対処としてしか見ることができなくなります。
しかし、企業のサービスを受け取る側のお客様は忙しい生活をしている場合もあります。
家で赤ん坊を育てていて、夕食の準備をしているような場合もあるでしょう。
ですから、お客様視点から見てみると、自分の欲しいものだけを見ているわけです。
私達の仕事は、お客と企業をつなげていく作業です。
求められるものは、経験なのです。会社の経験ではなく、お客様が体感する経験です。
また、その経験はお客さまのニーズにあった正しい機能でなくてはいけません。
意味のあることでなければいけません。
また、チャーミングで喜びを見いだすものでなければいけません。
しっかりと顧客とつながっていかなければいけません。
Webだけではお客様としっかりとつながることはできません。
しかし、お客様からしてみると、チケットが欲しい、チケットを予約したいだけなのです。
お客様が経験するものはシームレスな状態でなければいけません。
企業向けのセミナーで強調していることは、
お客様が欲しているのは実際には「モノ」です。
モノを求めているユーザーがいます。
そして企業は、専門家とともに、提供するモノを作っています。
こういった状況は私達とお客様、お客と企業の棲み分け、
繋がりが持てない状況になってしまいます。
ですからUXに関わる仕事は、商品をつかって、企業とユーザーとの繋がりを
修復していく、それらを提供していきます。
しかし世の中は複雑なものです。
ですから、私たちにとっても、お客様にとっても、簡単な世の中では無いということです。
それから、映画のチケットを販売している企業、Webの会社も、社会の一員なのです。
現在、UXの実戦、現場では、図のような状況です。
会社という非常に大きな「泡」にたいして語りかけています。
その隣りには小さな「泡」があり、家族など一般の人がいます。
UXデザイナーは二つの泡の間にたって翻訳する、通訳する仕事をしているのです。
フェアな仕事ではありません。他にもするべきことは沢山あります。
私達と彼らとの隔たりを残してしまうことにもなります。
どのようにすれば二つの泡をつなげて、別の世界を作ることができるのでしょうか?
会社は意見を交換して関わりを持とうとしています。
小さな泡、家庭、一般の人々が、企業の泡のなかに含まれていく状況になっています。
ですから、どのようにすれば私たちデザイナーをつなぐことができるのでしょうか。
非常に高度なレベルですが、高度なことをしていかなければいけません。
企業のデザインは、1-6までのステップがあります。
一番最初の段階では、UXが認知されていない状況です。
この状況では UXは需要な意味を持ちません。
2の段階では、企業に資金があれば、UXに資金を使ってもいいかな〜と
思っている、少しだけ興味を持っている状況です。
そして、ステップがあがるごとに、企業の一部として活用されていくわけです。
皆様の会社で、UXがどの段階にあるかわかりませんが.....
私の会社はレベル2でしかないという話しを良くききます。
ですから、そういったお客様は、一つ上の段階に行くにはどうすれば良いのですか?
と考え、アドバイスするようにしています。
アジア、北米、一番上の6番に位置する企業は実は無いのかもしれません。
■PART TWO : methods
ここでお話しするのは、導入のパートです。そのメソッドについてお話ししていきます。
他のセッションではもっと具体的にお伝えします。
まず、理解のためのメソッドに対してお話しします。
Awareness Test
アウェアネステストというものです。
このビデオの中で、白い服の人が何回パスしたか数えてみてください。
その中で「クマ」が通り過ぎたのに気づきましたか?
デザインの課題です。世界では目に映ってくるものが多すぎるということです。
人間の目は注目しているものにしか、目にはいってこないのです。
先ほどのビデオでクマは実はビジネスチャンスだったのかもしれません。
二つ目の課題は、人々の生活は目に見えないものだということです。
私がティーポットを作るとすると、様々な種類のティーポットが可能性として存在します。
この絵を見ただけでは、どうして違った種類のティーポットが作られているのか
理解できません。生活を理解してなければいけませ。そのために時間を使わなければいけません。
マーケットリサーチとデザインのリサーチが違う点なのです。
そして、実際にあるもの、それぞれによって、意味が変わってきます。
もし、私がポケットからナイフを取り出したら、皆さんがみたら、ナイフと思われるかもしれませんが、
護身のためのナイフを持っていると思うかもしれません。
しかし、もしかしたら、父親から譲り受けた意味のあるナイフなのかもしれません。
さきほど泡のスライドを見せましたが、小さな泡の中にいる人の声に耳を傾けるのが重要です。
人々の生活を理解するためには様々なメソッドがあります。
これはシカゴのデザイン組織のパンフレットから抜粋してきたものですが、
ここで見るだけでも沢山のメソッドがあります。
メソッドの一つ、人々の生活を観察してインタビューしていくことにあります。
このメソッドを使うことで、実際のユーザーと親しくなることもできます。
私が実際に担当するプロジェクトで、マスクのプロジェクトの時の写真です。
インタビューで聞いた時、研究所でインタビューすると思われるかもしれませんが、
実際の家でカジュアルな状況でインタビューしました。
マスクを使用している人の家でインタビューしたので、詳しい状況がわかりました。
しかし、ずっと一緒にいるわけにはいきません。1〜2時間程度です。
その他のメソッドとしては、道具をわたして、さまざまな記入をしてもらいます。
時にはグループ全体、家族全体とプロジェクトを一緒にして、家族の関係、
グループの関係なども観察します。
こういった人たちは、自分たちが語りたいストーリーをキルトにしたためています。
それではこういったインタビューをどのように活かしていくのかというのをお話ししていきます。
データから私たちに語りかけてもらえるように、データを集めて小さく区切って、グルーピングしていきます。
するとデーターのパターンが見えてきます。沢山のポストイットを使用します。
エクセルを使ったものですが、このようにまとめていくこともあります。
家族の関係とテクノロジーとの関係に関するストーリーです。
横の軸が家族で、縦の軸が家族がもっているストーリーになります。
しかし、表は便利で活用でき、まとめあげることで、関係性がわかります。
同僚が撮った写真で、図書館で利用者の後をつけてとった写真です。
歩き回っている後ろについてまわって写真をとりました。
写真をとった後で、そのシーンでどう思ったのかというのをコメントとして追加しています。
こういう手法をとることで、どのような体験をしているのかがわかります。
こうすることで、企業がお客様の経験を理解するための手助けになると思います。
人型のボードに、人の特徴をポストイットで貼っていったものです。
ですから、沢山分析をしていくことで、人型のボードが沢山うまれていきます。
最終的に、人型の紙に囲まれる状況になります。
クライアントがセオリーとしてもっているどのように時間を使うのかという図です。
右側は、実際にどのように時間を使ったか?というグラフです。
非常に驚きました。なんどかクライアントの働きぶりを見ると、
実際にはセオリーどうりにはいっていないことがわかります。
想像に関してのメソッドをお話しします。
皆さん、ブレインストーミングはご存知かもしれませんが、
実際に自分たちの考えを反映している写真です。
先ほど紹介したマスクのプロジェクト、それを反映したのがこの写真です。
ですから、ここに貼ってあるポストイットは想像したものではなく、
実際の体験をポストイットで張ったものです。
これがユーザーにとって良い経験をもたらす試作です。
これが試作です。書いたものと、実物とでは違った側面が沢山見えてきます。
実際、手で触ってみると、思い描いたものとは違うことがわかります。
考えたデザインのアイデアを体を使って試すことで、インスピレーションが得られます。
これはお客様が体験する経験をロールプレイでデザイナーが体験する例です。
プロトタイプを作ることは実は簡単です。
ここに見えているのはインターフェースの課題にかんするもの。
9つのプロトタイプが、一つの課題に対して提示されています。
紙で作ったプロトタイプの写真....
これは、美術館での新しい体験のプロトタイプです。
美術館では何かを建設することはできません。
そのかわりに壁にプロジェクタで投影することができます。
そして、あたかも新しいテクノロジーとインタラクションしているかのように振る舞うことができます。
現実味を出すために、音を追加していきます。
プロトタイプは、システムの全体像を作ることもできます。
あるコミュニティでどのように食料が運用、運搬されているのかをしめしたプロトタイプです。
■まとめ
お話ししたいのは、スピリット(精神)についてです。
スピリットの一番上にある概念は、人々がどのように物を使っているのか、何を語っているのかです。
ものはどこから生まれるのか?会社の組織?
私たちが働くことで、実際のものを作っていくのです。
そして、なぜ組織が、なぜそのような決定をしたのか、違ったところかわやってきます。
それは、ビジネスの世界ではあまり語られないところからやってきます。
それはアイデンティティや目的、どういった人間なのか、組織がどういったアイデンティティを
持っているかできまります。
組織や人が何を気にかけているのかによります。
こういった目的があるからこそ、企業をこのように組織するのだ!という形になります。
design for experience は会社を開く、体験だけでなく、組織の目的やアイデンティティに
お客様が関わっていけるようにするのです。
その結果創り出されるものは、会社のアイデンティティを具現化したものになっていくのです。
それは、組織にとって珍しく、パワフルなものです。
ようこそフロンティアへ!
広大なので、その先に何があるのか解らない世界へようこそ。
そして、今日ここに来ている皆さんは、フロンティアのリーダーです。
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