[&] ZEP NIGHT x Tago Manabu
田子學×ZEPPELIN トークイベント開催!『デザインマネジメント』出版記念|ZEP NIGHT
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http://www.zeppelin.co.jp/
鳥越:今日は、よくあるイベントのような、田子さんが話して聞くのだけではないイベントにします。
3つテーマをはなしてもらいます。質問とか、どんどん出してもらいたいのです。
聞くというよりは、一緒に話すんだという時間にしたいと考えております。
一つ目に、田子さんなりの美しさとは?を話してもらいます。
次に、今日のテーマであるデザインマネジメント、
最後に本の内容に関して話してもらう、三段階ににします。
田子:田子です。よろしくお願いいたします。
美しさという、割と漠然としつつも深いテーマだと思うのですが、
この場で、あえて考えてこないで来ました。
美しさの定義、人によってそれぞれ違う、
僕がそういう意味、業務の中で、それぞれなんです。
それぞれのパターン、それぞれの組み合わせ、それぞれのプロダクトアウト、
一つだけ共通していることがあって、最終的には、
いろんなところで言っていることなんですが「愛」なんです。
はずかしげものなく話しています。
去年の TEDx で初めてふれました。
最終的には「愛」かなという感覚はあったのですが、TEDx の会場で、
テーマとして上げたのは、三年間、苦労しながら作り上げた OSORO でした。
http://www.osoro.jp
赤松康次さんとともに、三年間、一緒に市場を作り、世の中に伝播し、
世の中を変える運動にもっていきました。
単純に製品ではなく、情熱のかたまり、ひとの熱量で
作り上げられたので、三年、世界じゅうのあらゆるデザイン賞を10ももらうことができました。
デザイン賞はいろんな見方がありました、
海外で頂く賞、かっこよければいい? OSORO に関してはコメントが違うものがでてきました。
よく老舗が新しい舞台に対して、商品をリリースした。それは商品だけでなく、
社会への動きを見据えたうえで、立ち振る舞いをしたことを評価します。
単純に形色ではない、という確信につながってくる。
これがデザインマネジメントなんです。
日本で言われているデザイナーとはちょっと違います。
企業体、運動に対して、ともに動けるか?そこにかかっているわけです。
本当に苦労しています。紆余曲折しています。
ケンカになることもあります。それを乗り越えると
情熱が「愛」に変わってきます。
今日、沖田正友さんから電話がかかってきたんです。
「沖田正友さんは、この本のなかに出てくるのですが、リタイアした伝説の原型師、
洋食器の一大文化を作った人。戦後間もなく。
難しい形にもチャレンジし、日本中に夢を与えた人なんです。
そのひとをたよらないと形にならない人。土をなめると状態が分かるひと。
ちょっと転機がありまして、継承者を作らないといけなくなりました。
モノづくりに、ブレイクスルーがおきない。伝承が原因。
沖田さんが、もういちど
モノには、目に見えないノウハウがもしかしたらあるかもしれない。
藁をも使む気分で、沖田さんに会うことにしました。
マイセン展をやっている時に、海外の歴史をみながら、話しました。
70をすぎたおじいちゃんなので、話しがあうかどうかわかりませんでした。
美術館を出たあとは、話しがあいました。
その時に感激をうけたのですが、
「こんなもの、おれらがやらんで、だれがやる」
この言葉で一気に好転していきました。
できるかどうかわからないが、やってやろうじゃないか。
ある文脈で話して、情熱を持っている、その時は消えているかもしれないが、
火がつくとモチベーションになる。
それから、どんどん開発が進み、継承ができてきた。
今日電話がかかってきて
「本を頂きました。その節はいろいろ苦労をかけたけど、ありがとうございました」
短いコメントでしたけど、ありがたく思いました。
年齢でいうと、だいぶ上ですが、
これからの時代にむけて情熱を傾けていて、
愛を見つけたからだと思っています。
こういう愛がいろんなものを美しくするんじゃないかと思っています。
いろんなデザイン、美しいもの、裏側にある、
深層にあるものを掘り下げています。
それがデザインマネジメントです。
実際には、本を読んでいただくのが早いのですが
経営者も迷いがいっぱいあるんです。
MBA のいわゆる、短期決算の中で、どうやって好転させるか?
というなかであくせくしていくのですが、
世の中、それに飲み込まれているだけじゃないの?
どういう方向であるべきなのか?本当にそうなの?というなげかけを。
あまりにもスピードが早い。
加速的になっていますが、便利は反面、人間らしい、
生物らしい生活を壊している可能性は無いのか?
本でもっとも言いたいことは、Why なぜ?
まあ、Why から始めるのは単純なようで難しい。
単純にすればするほど、美しい現象。
だれかがやっているからではなく、
自分が語れるような内容で相手を説得できるか?
本質に迫れると思う。
なぜから派生して、どうやってやるべきなのかが見えてくる。
プロダクトの話しをすると、「何をつくりましょうか?」ではなく、
そうじゃなくて、「なぜ作らなければいえないのか?」を考える
必要がある。
それが美しい社会を作るための基盤です。
鳥越:最近、話しをさせて頂くのですが、田子さんが凄いのですが、
話しをする相手がかわってしまうのです。
みなが楽しく働いている。
多分、田子さんの、田子さん自身が何かを発していて、
楽しく働いている。
大事なことを学んでいるのすが、「時間をかけていい」
一回ミーティングすると、長く話すんです。
相手とできるだけ長く話すよう、心がけているます。
田子さんの熱をうけとったり、熱をわたしたりして欲しいのですが。
質問でも、なんでもいいです。何かあれば是非。
Q. 文脈の中で、「物を愛する」ことに愛情がこもっているのかなと思ったのですが、
社会に体する愛とか、どこに向けての愛が一番大切なのか?
A. 僕はブロダクトを作りますが、物に執着してはいません。
単純に時間軸は、過去から未来、未来にむけていかに人間の英知をもって
解決していくようなソリューションが作れるか。
マーケットがうんぬんであはなく、本来あるべき形が作れるのか?
それの最終アウトプットがモノのときも、サービスのときも、
全然違う回答になるかもしれない。’
パートナー企業と、期待されている回答と全然違う回答をする時もある。
最初は「えっ?」と言われるが、最終的には合致する。
最終的に「モノでいんだっけ?」となる。
そもそもなんでこれを作る意味があるんですか? とか言ってしまうので。
それが最適なソリューションだと思っていますし、そういう根本原理が
大企業の中では語られていない。
昔東芝でやってきたことは、モノを通してでも、なんで?そうでなければいけない?
ということを平気にやっていたのが身に付いていた。
Q. 気持ちの面では、「愛が大事」、まわりにいっても理解してもらえなくて、
今日こういう話しを聞けて良かったと思います。
A. 愛とか熱量が無いと、自分ごとにならないのです。
大きい会社の欠点は、自分ごとにならないことです。
そこが一番キーになっています。担当にして、社長にしても。
Q. お話しを伺っていて、めから鱗。存在できない理由」にインパクトがあって、
MBA的な理屈をこねて、こうあるべきだと言うのですが、
アイデアや考え方が、企業には無い。あるべき論を言っているだけでは、変われない。
存在できない理由がある。ある提案をする時に何をやるべきか?ではなく、
こういう理由があると、そこを直されるベキというのがベストな提案では無いかと。
ついでで言うと、得られた価値というのは、今までにできなかったような
判断ができたということ。それをデザインというのかわからないのですが、
形ではなく、判断というのが世の中に評価されるのも凄いこと。
A. 非常にわかりやすくて、あらゆるものが流通していて、飽和状態になっている。
細かいところを新商品で埋めようとするが、本質をついていない。
そういうマーケティング理論にいってしまって、本質にいかない。
お皿は、絵柄を書く事がよかった?レリーフがついていることがお皿の価値でしたっけ?
ある意味タブー、その会社の歴史を壊しかねない。それを老舗がヤルということ、
老舗があえて気付いたことが、メッセージになった。
先進国では物があふれていて、価格が下落している。
潜在的な Want がある。わからないけど、正常化するものが欲しい。
いかに出してあげるのか?という時代になった。
たまたまちゃんとメッセージが届いた、評価につながり、ありがたいメッセージをもらうことになった。
■デザインマネジメントについて
デザインマネジメントの本の宣伝みたいになりますが、
この本っていうのは、書こうとおもった理由があります。
僕がデザインを志、行動にかえて、プロになった話しが 400ページ、
20年をまるっとこの中に入れました。
ここに至るまでに苦労しまして。
素晴らしい高田さんという編集者がいたおかげです。
ページをビジネス書を書くにあたって、250ページでお願いします
と言われました。2000円以下がいいでしょう。
文字数で? 20万字くらいでしょう。わからなくなりました。
いままで本を書いたことがない。
とにかく書けば削ることはできる。
ゴールデンウィーク終わってから、原稿を渡すと、
まあいいか。と。
田子さん、かなり読み切れます。これでいきましょう。
430ページ、そういう意味ではむちゃくちゃお得です。
小出しにすればよかった。
出版関係の人と話すと、3冊分くらいありますよ!と言われます。
というぐらいに、僕としてはぎゅっとつまった一本なので、
ぜひ読んでいただきたい。
おすすめしたい理由はもう一つあります。
アマゾンのランキングを見たら、この本、デザイナーが書いたくせに、
会社経営のカテゴリで、1位になってしまいました。
僕も正直驚いています。総合で 100位くらい。
ということで、
去年のTEDx をするさいに、いろいろ、裏側で入念なワークショップをやりまして、
どう人につたえるかトレーニングをします。
だいたい 10人くらい集まりますが、たまたま全然人がいなくて、
一人で、いいので、やりますか?と言われて、
ちょろちょろっと冒頭を話していた時に、
その時、フジサワクミさんがいらして、
じっくり聞いて、テストで話していたことで、
「このことって本に書かれています?」全然本書いてないし、
「是非本にしてください」と言われ、僕の肩を押してくれたので、
フジサワさんに、一番最初に原稿をお渡しし、
帯を書いてもらいました。
中小企業に限らず、大企業を立ち直らせる、気付かせるのは
本質的なこと。彼女も実業家、本質論にせまり、中小企業の活性化をしている。
やっているアプローチは違うのですが、本質的には同じ。
ありがたい接点、ひきよせてくれた。
こういう、書くという勇気を与えてくれた。
この中におきていることは、全てドキュメントなんです。
ほんと?小説みたい?と思う人もいるかもしれませんが、マジです。
橋口さんというかた、今日くる予定だったのですが、
彼にも話しをしてもらいたかったのですが、
なんで共著をしてもらったのか?
彼は、鳴海製陶を色々どうしたら良いのか?そもそも
この10年間で、国内陶磁器に関する売り上げは六割減、
10年前に比べて、企業体としてはヤバイ、そのアプローチを
どうかえるのか?どういう形でアウトプットを考えるのか?
鳴海製陶に僕を引き込んでくれたのが橋口さん、
橋口さんは元鳴海製陶の人間で、デザイン部の仕事を会社からまかされるのです。
彼こそ、MBAを取得し、アクセンチュアにもともといた人で、
鳴海製陶の立て直しを頑張っていた人だったのですが、デザイン部で、プロに頼まなければいけないということで
僕を呼んだのですが、
僕がいっているのは普通のデザイナーじゃなくて「形じゃないよね?」とか言うので、
ともに、走るということがなんとなく見えてきた。
そもそも役割が違いますが、デザインを通して、経営をみて、
本気になってやっていましたし、彼は経営にいながら、デザインでどう変えられるのか
その事実を一冊の本にするときにデザインという視点だけでは書けなかったので、
オソロの開発の時に、実は、副音声的に、
僕が上の部分を書いていて、その時経営に何が起こっていたのか下段に書いています。
だから彼に共著を頼んだのです。
デザインのうわごとではないし、経営にとっていかにデザインが大切なのか、
結果的にみてみると、どっちからでも入れるものになったのかなと。
という意味で、2160円で売ってますので、ご購入ください。
Q. 話しを伺ったところ、経営者と一緒に走っていく、それはコンサルティングの考え方、
一緒に考えて、開花していく。デザインコンサルティングと、デザインマネジメントの違い、
今の違い、デザインコンサルティング、現状、コンサルティングファーム、どういうお考えを持っているか?
A. デザインコンサルティングは新しい言葉で勝手に言わせていけばいい。
デザインマネジメントはデザイン経営学、1960年代、
一番最初にあつかったのは、東京造形大学で始めたのが最初、受け皿がなかった。
世の中的には普通にやっているのだが、最近だとデザイン思考とか、
僕がそういう言葉に近いところ、
デザイン思考という言葉は嫌い。本質ではない。言葉にオドロされている。
コンサルティングしかしない。そのほかの部分が誰かに任せてしまう。
「愛」を作る根底から、最後まで面倒をみないと、それがどうやって跳ね返ってくるかまで。
それはコンサルはやっていますか?
誰がなんと言おうと、マネジメントだと言いたい。
教授の後がまとして、デザインマネジメントを教えている、言葉を大事にして、
デザインシステムマネジメントを慶應で教えていて、あらゆる角度でみたうえでの
デザインマネジメント。あまりうわついた言葉は僕にとっては無意味だなと。
Q. ひとつはサラリーマンは自分ごとにできない。一方、今の新人とかでも自分ごとにできているやつはいて、
証券会社で働いていますが、どの層でも 1% ぐらいは自分ごとにできていて、
当たり年だと 5% ぐらいいて、先輩を追い抜いてしまう人がいたりして、
自分ごとにできることと、できない人の違いは?
伝説の沖田さんが、田子さんの何が沖田さんの職人の心意気まで昇華させたのか?
A. 1%、当たり年?世代的な話し。やはり戦後は何かやらないといけない。
何かを作らないといけないという切迫した状況。
デザインはまず模倣ではっていたものを、模倣ではいけなくなった。
先進国としてはオリジナルを作るべき、デザインが活性化していく。1955年に
グッドデザイン賞が制定されたりした。それによって日本は先進国の仲間入りをし、
復興を遂げていくのですが、その中で当時思い切りのあった経営者がいた。
本田宗一郎とか、ソニーの経営者や、それ以降、残念。
売りは誰かにまかせたり、如実になってしまったのが、家電です。
昔は街の電気屋さんに頼んでいた、マーケティングにつながっていたはず。
いつのひか量販店ができ、横並びで、価格勝負。
確かに楽かもしれない、そこで何かがおきたのかというと、横並び現象。
価値が見えなくなってしまった。
何がつくったら売れるか? という原理になってしまった。
その危機感をどれだけ持っているのか?
その危機感はたぶん一巡している。
年代でいうと、74世代。僕が生まれた、僕の世代はまた変わっていて、
かなりバブル期を体験しています。就職をする時が最悪でした。
就職氷河期元年でした。僕が東芝デザインセンターに就職しましたが、
その時は、3人でした。僕の前の年6人、その前のとし10人でした。
同じ新入社員でも、危機感を感じている度合いが違うんです。
スタンスが違う、こういうことがどっかで巡ってくるような気がして、
日本はズタズタになっていて、ほんとうに危機感がある人は動くし、
5年くらい定年までに過ごせればいい人。
尻拭いができない。何か失敗すると、飛ばされる。
銀行だと本当にとばされる。
そういう社会でいいのか?一生うかばれない。
そいう巡りがある。
なんで匠がうごいてくれたのか?
東芝時代に、僕が東芝に居た時に、富士通さんから東芝のPCを担当していた時、
富士通さんから、「新しいネタがあるのですが、あって見てもらえませんか?」
何なのかな?わざわざ事業部長が来て、
プレゼンテーションしてくれたのです。
うちの会社の新しい事業のチラシなのですが、「透明樹脂の技術を確立しました!」
マウスやキーボードを OEM で渡していた事業もあったので、
新しい事業ができないのか? なんでこんなことが?
「実はですね」目をキラキラさせて話し始めた。
その当時、スティーブジョブズがおしのびで、当時、透明なマウスがありました。
すごい厚肉で、変態的なマウスがありました。
インドネシアで作っていたのですが、設計図をわたせばいいのに、
わざわざジョブズが来て、その人に目を向けて、自分たちが作りたいマウスはこれなんだと
とうとうを説明するのです。
説明するのは、マレーシアアのマウスではなく、
ガラスの削り玉なんです。
これの通りに作ってくれ?というのではなく、リスペクトを感じる、
技術者に火をつけるという、
ジョブズがこんなこと言っているし、やってみたら、なんとなんと成功してしまったので、
中がインドネシア製が黒いのですが透明で白いタイプのマウスが富士通製です。
そいうところに「やっぱそこだな」という職人さんとか、
こだわりのある人と話すのが大好きなんです。
いろいろ知っているし、とことんコアなところを話していくのが
大好きなんで、相手にとってもそういうのが嬉しいところがあるのかなと。
●デザインマネジメントってなんだろう? 言葉そのものに対して、こんなことを思っているんですと。
本の始めにかいてあったようなこと。
本の冒頭に書いてあったのですが、
あるちょっと衝撃的なパートナーの話しでぶつかったことがあって。
FB で書いてしまったことがあって。
デザインは見えない人に向かってラブレターを書くようなもの。
ラブレターって自分の想いを受け止めてもらいたいがために、工夫を凝らすと思うのです。
このタイミングでこういう書き方をすれば、相手のことを思えばいろいろな方法が考えられます。
それが大事で、それが自分ごとだと思っていて、
インターネットでコピペするのか?一文一文行間まで考えてかくのか?
ほんとうに響くものを作ろうとすると、ラブレターに近い。
ただし、誰が受け取るかわらかないラブレターですけど。
どうやって具体的に実行していけばよいのか、体系的に書いてあるのが、
もう一つ、ロジック、センスがあること。
黄色いカバーに隠れてしまっていますが、これを開けると、ロジック・センスがある。
本当のメッセージはこういうところに隠されている。
世の中におきているデザイン、なりたっているねというものは、
だいたいロジックとセンスで固められている。
デザインマネジメントはそれだけで足りなくて、そこに LOVEが重なっていかないと。
ロジックだけでもないし、センスだけでもない。
ラブレターを書くことを一緒。センスとロジック。
口説き文句がロジック&センスであれば、そこに書く本心、そういう意味ではロジック&センス
が重なればいい。
ロジックだけではエンジニアリングだけ。間違ったセンスがない。
センスだけだとアーティステックなこと。
もっともやっていけないのは、LOVEが蚊帳の外で、その場所に広告代理店が入っているのが最悪。
かたちは上手くいっているように見えても LOVEが無い。
Q. ジョブスが iPod の開発を始めた時に、キッチンのシェフが友達で、
ピカピカのプロトタイプを朝から晩まで持っているんです。オフィスの中でも、
キッチンでも傷をつけているんです。何日か立って、手触りの話し。
つるつるの金属も傷がいっぱいついてくると、霜がついたような状態、
これが欲しかった。そのへん、デザイナーからご覧になってジョブズの行動は?
A. よく分かります。彼は、経年劣化を楽しむプロダクトを考えていた。
ジーンズを履いていて、経年劣化を楽しむファッション。
そういう見方で考える。ピカピカが美しいのではなく、
洗濯機にシボをつけない? 経年劣化がカッコイイデザインもある。
枠が外れた時、リアルグリッドという会社で、PCを作った、
そのPCのパームレスとに本革を使った。あの時代に、
パームレスとに本革を使うのは無い。いわゆるイミテーションはある。
裏話をすると、東芝工場は、聖地なんです。みんなが拝めるくらい。
そういう PC 工場だからこそ、基準が厳しい。
画面にぶるかるじゃないかと、いろんな基準にあわない。
気にする人もいるが、それがスタイルになっていれば、気にしない。
解決案は、PCは現代の手帳、二三年で捨てるようなものが本当に良いプロダクトなのか?
本当に良いプロダクトを作りたい、10年くらい、遅くても楽しめるもの。
本革を使っているので、いい感じの、エイジングしていくんですよ。
そういう楽しいが本来あるべきですし、それが普通のこと。
ものごろ楽な方向にいってますよね。
ユニバーサル住宅、真っ平らになった住宅がありますよね。
あれをやると、日本人の寿命がちぢむ。
何も考えなくなる。
日本家屋は段もあるし、ケガもあるが、長生きできる。
Q. 自分ごとになかなかならない人に対して、恐れは感情として強いような気がして、一緒に仕事をする、説得する、
そういう時にどういう風に一緒に引き込むのか?
A. たぶん、そういう人たちは、近視眼的になっている。会社の枠でしか動いていないので、
こっちの世界に引き込むしかない。一緒に遊びに行ったり。
最初にあったときは、くたびれたおじさんだったんです。
いろいろ遊んだり、いろいろなところに行ったり。
ある時、眼鏡が変わったんですよ。そして、鞄が変わったり、
その次はスーツが変わって、その後、海外で堂々とプレゼンするんですよ。
見えないことを共有するのが一番大事です。
Q. ビジョンの話しをされていて、なんでこのイベントを開いているのか?意識を共有して広げていきたい。
人と同じ目標を持つとか、それはどういう風にやっていけばいいのか?
わかりにくうモヤモヤを感じていた。
Q. デザインをするのは、見えない誰かにラブレターを書くこと、
普段公共事業のデザインをしている、同じことかなと思っていて、
今の公共事業は今は「愛」が無い。愛までは考えきれていない。
使う人があまり見えない、明確ではない。80%の人が NOと言わない事業をする。
見えない誰かにむけてラブレターを書くには、どう気をつけていて、どういう風にやって
ラブレターにしたためるのか。
A. あるていどフックとなる狙いはあって、その後どういう伝播するのか?というフック、
多くの人に使ってもらうのも重要だが、情熱の有る人にきてもらって、コアとなる人が来ないと、
良いものにならない。40%満足というベースになってしまう。80%になんていかない。
80-90% の満足度は、次にまた行きたい。それに憧れている人。
世の中なんだかんだいってピラミッド構造。そこに対して情報をあたえると、広がる。
みんなマスを目指しすぎる、はずしたら、全然伝播しない。
その構造を理解していない人が多い。リアルフィート、日本ではなんでラグジュアリーブランドが無い?
そんなものでは満足しないよという世代がでてきて、その差分を埋めるのが重要。
メッセージを与える人がいっぱいいて、沢山メッセージがきて、
それが降りてくると、社員5人の会社が携帯電話を作り、
出荷台数日本ナンバー1を成し遂げてしまう。
コアに対してちゃんとメッセージが届いているから。
これをやりとげたら、結構メッセージは突き刺さると思います。
あとはどうやってコミュニケーションを作るか?
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