[&] craigmod x numabooks
「ぼくらの時代の本」クレイグ・モド @craigmod x @numabooks
内沼晋太郎氏:
全員が本を持っているというトークショーは珍しいです。
クレイグモド氏:
今まで10回ぐらい出版記念のトークショーを経験しているのですが、
普通だれも本を買ってくれないんですよね(笑)
皆が本を頭に上げてください!(写真撮影)
内:
最初にページをめくってもらって、最後に種明かしをしようと思うのですが、
引用があって、しばらく謎めいたイラストが続いています。
ちょっと考えると分かる人は分かるのですが.... これをちょっと眺めて頂いて、
分かった人は黙っていて頂いて、最後に種明かしします。
ク:
秘密があって、5000年前からの秘密のイラストとか、
楽しんだりしているところがあって、
電子版、こういうエッセイ達はいろんなところで出版されているが、
その時よりもいろいろ遊んでいる本。
内:
今朝ドットプレイスという Web マガジンに書いたのですが、
テキストは Web 上で読んでいるわけですね。
クレイグのサイトで公開されているものの翻訳なので。
この本の中で具体的に書いてあるが、Web に公開してしまった方が本も売れると。
こういう本だよねといっていることを、この本で完全に体現している。
ク:
そういう風に考えてもらえるとうれしい
内:
凄いこだわりの想定じゃないですか。箔の感じとか。
ク:
日本で本を作り始めたのが 11年前から、本は電子ではなく、紙だけで、
日本大好きなのは紙を大切にしている。綺麗な本を作るのは、
アメリカで作るより日本で作るのが簡単。この本には哲学があって、
表紙はラッピングされていない。カバーがかかっていない。
読者にどうやって一番きもちよく伝えるのか?
カバーが無いと、一つのものに感じる。
カバーが引っかかったりすると、一つの物体じゃなくて、
ユーザーエクスペリエンスのためにカバーをつけないほうがいいと思っている。
帯が面白いのは、キャッチコピーを見て、買ってから捨ててくださいというふうに
帯を考えています。この本もカバーがなくて、
表紙を丈夫にしてあります。
ク:
青色の紙を使っているから、真っ白を出すために箔押しするしかない。
中身の紙は真っ白ではなくて、目に優しい黄色がはいっていて、
インクは真っ黒じゃなくて、青色インクで、一色でどうやったら
独特の色が出来るのか?考えて。
イラストや写真も独特な。印刷物の良さを感じます。
内:
手にとったときに、表紙の紙が青い紙で、端末が光っている、
周りを黒で塗ることで、白で光っているのが、かなりカッコいい。
ク:
ナナスエさんというデザイナーと、ルイスさんが、こういうデザインを
非常に力を入れて、表紙とかだけで、数週間かけてずっと作り直したり
作り直したりしていました。
内:
最初タイトルも違ったですよね。
ク:
「本をハックせよ」となっていました。
ハックしようとはしていないよなとなって。
この全部のエッセイを、3月に作りましょうという話しになって、
その時には、この中のエッセイはけっこう前に書いたので、
疲れていて、自分では読みたくなかった。
ク:
昔のものをまとめて編集されて、デザインされて、
イラストいれて、前書きをいれると、全然あたらしいものがうまれた。
びっくりした。今の時代に対して、
5年前から考えが続いていることが、
どうやって本がかわっているのか?
すごく近くで見て来た。
電子が絶対勝つわけでもないし、紙が死ぬわけでもないし。
それぞれの良さがすごくあって、
5年前なら、紙が終わりとかも言っていた人がいたけれど、
iPad が登場して。2003 年で、電子本の売り上げがあがっていないのです。
内:
横ばい。
ク:
やっぱり紙の良さ、紙の良さ、みんな忘れていないと思って、
こういう時代は、今って紙の本を作ろうとすると、
10年毎よりも100倍簡単に作れる。
明日作ろうと思えば、だれでも作れる。
電子だけじゃなくて、紙の本も作れる。
電子の本もだれてもつくれる。
自由さがあがってきた。
ク:
エッセイでは、印刷の良さ、電子のよさ、
両方バランスをとって考えている。
本をハックせよ!よりも、ぼくらの時代でも、2000年頃と、
本への感謝はそんなに変わっていないんじゃないかと。
内:
本の当然変わってきた、本の歴史も長い間に変わって来た。
最初は手書きだったり、印刷になって、それまでは写植があって、
今はなくなって、デジタルの本がでてきて、今のぼくらの時代はこれが本だよ。
ということが書いてある。
出し方も、紙の本は美しく、電子の本は機能的。
Webにもあるが、お金を出して本が欲しい人がいる。
大きな出版社から出すのではなく、考え方を理解している出版社から。
届けたい人に届く本。
本のたたずまい自信が僕ら感があって、とってもいい本になった
ク:
しかも、これを紙版を買うと、電子版も手に入るように設定されているので、
紙と電子の使い方はちがって、
検索は電子のほうがよくって、結構楽しい。
紙の本があると忘れなくくなる。
電子は画面に出ていないと忘れる。
内:
電子の時代になったら、場所をとらないといいけど。
実は場所をとるからいいんです。
この空間のこの感じは、本が場所をとっているからいい感じがする。
こんな雑誌!と気付いたりする感じがいい。
Flipborad の本を作る P202-203 を開いてください。
そうすると、203ページにある写真が、調度そこに置いてある本です。
ク:
4年前に Flipboard に入ったんですよね。4年前から、ずっと iPhone 版のアプリを
作っていました。出来上がった頃には、非常に寂しくなっていた。
非常に苦労したし、アプリを作るのに非常に時間を使ったし、徹夜したし、
力がかかった。電子のものを作っていると、残るものが何にも無いじゃないですか。
フォルダには 2000万のファイルがあっても、同じもの。
どうやって、皆ががんばって苦労した大変さを
心で理解できるものにできるのかな?と
こっそり、この本を作ったんです。
ク:
全部のデザインのデータを撮ったりオフィスのデータを
git のコミットのメッセージを 1万メッセージくらいかかったのを印刷して、
この本ができあがったんです。最後の日に、これを2冊しか作っていなくて、
2冊を会社に持っていって、2週間で作って、
お礼として会社にあげて、これを見ただけで泣き始めた人が至り。
5kg ぐらいの重み、やっとちょっと何をやったのか、やっとわかってきて、
それがすごく素晴らしかった。作ってよかったな〜
俺もやっとわかった。
この一年間なにを苦労したのがわかった。
AppStore に出しても 1.0 を出しても、それを守ることはなく、
2.0 になったら 1.0 をもう触れない。
地球が終わるまで触れるように、本を作った。
内:
7章はハイライトだとおもう。本はだれでも作れる。僕らの本の時代。
本棚にならばない寂しさ。フォルダに一個ファイルが入っているものと、
万単位のファイルが入っているものが同じものに言える。
本はうれしい感じもするし、本でしか体験できないことがある。
ク:
本にはいっていない話しになるのですが、
なんでここでイベントをやりたかったとなると。
本屋は大好きで、週に3−4回きていて、
執筆していたりしますが、
3年前にできて、アメリカではボーダーズが潰れて、
日本でこんな素敵が立ち上げたとは衝撃で、
こんな本屋をアメリカで作ろうといったら変に思われる。
ク:
出来てから、ものすごくうまくいっている。湘南店も。
そのギャップが面白い
本は文化とつながっている。
全国の本屋を見ていて?
内:
アメリカと日本のギャップで言うと、
来月でる &プレミアム 1月号が、本屋特集で、
代官山、函館にも、湘南にもいきました。
ここがなんで特別か?なんで出来たのか?
本がある空間をつくって、その空間が売り。
本の売り上げだけじゃなくて、カフェや、他にテナントが入っていたり、
高級な本屋を作るということは、本を売る、利益を得ることだけを考えていたら、
成り立たないのですが、
本のある空間は素敵だね。
カッコ良く作った本が好きで、素敵だね!と思うという気持ちを商売にしている。
どこかテナントとか、湘南に行くと、30ぐらいテナントが入っていて、
高い家賃をだしても入りたいのは、人があつまって、別のものも買いたくなる。
全体をデザインしている。
ク:
伝統的というか、文化の繋がりが深いと思う。
アメリカだと、本を起きっぱなしだと、盗まれたりします。
こういうことができるアメリカ人はいないんじゃないかと。
内:
日本においても、さっき言った、本を売る以外のことを考えるところは
そんなに多くないんですよ。
下北沢で B&Bという本屋をやっていますが、本自体は売れなくなっていて、
本が好きという気持ちは、皆のなかでむしろ高まっていて。
そういうことがある空間にはいってみたい。
それをビジネスとして成り立たせるように、もりあがってきた。
全国をまわっていて、大阪にあるスタンダードブックストアとかも、
雑貨を売っていますし、
ビレッバンガードも本の魅力で雑貨を売っているし、
ク:
ある意味印刷物は、全部の本は Facebook と戦っている。
本だけじゃなく、空間も、
インターネットで時間をつぶしたり、本があると....
デジタル時代に入りすぎて、ここ3年くらい、ものすごく入り込んでいるのも
一つの原因じゃないかなと。
内:
そうだよね。
そろそろ時間....
続きはまたご歓談で...
ク:
こころから感謝を伝えたいのですが、
この本が出来上がるおかげて、僕の力は少しで、
ボイジャーの高山さんが編集のために
力を入れてくれたし、翻訳者のヒグチさん、
エッセイを読んで、勝手に翻訳していた人が、
デザイナー、ボイジャーを立ち上げたハギノさん、
4年前 SFで出会って、ヤクザの人だと思って、
親しくなるにしたがって、やさしい人だと思って、
いろんなコラボレーションが出来て良かったと思って、
この本を作っている間、なにも言わずに、やっと二ヶ月前ぐらいに
皆に紹介できて、社長がそういうことを許してくれたのがうれしい。
ボイジャーの他のスタッフ皆さんのおかげで作れました。
ク:
じゃあ、本が出来上がる直前で出て来たアイデアだったんだけど、
印刷のために 8月9月、アメリカのライブラリー、コーネル大学と
いろんなやりとりしていたんですよ。
昔のイラストとか、ハーパーズの 1865年の雑誌から、
どうやって作られているのか? 100年以上前からいろんなイラストを手に入れた。
やりつつ、いろんなことを調べつつ、
1万年前の本の作りとか考えると、
本の作りの歴史を入れようか!というんのがデザインのポイントです。
石から、木から、皮からも作られていて。
シルクでも作られていて、ワックスも使っていて、
そして、僕らの時代にはいってくる。Kindle と紙の本。
本の歴史がここに入っている。
内:
歴史をリスペクトしながら、これが僕らの本
ク:
ここで見るとやっぱり。本ていろんな素材で作られているし、
現代で、紙でも電子でもおかしくないんじゃないかと思ってくる。
昔は石が一番だと思っていた時もあったけど。
P14-15 で、iPad でスクロールができた!と言っている人が多いんだけれども、
言っているんだけれども、大昔のバイブルも現代でもスクロールで使われている。
ペーパーバックだけじゃなくて、これでも普通だし、木でも普通だし。
内:ク:
皆さんどうもありがとうございました!
※伝説の Flipboard 本。全部の github の checkin コメントが載っている!
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