[&] Visual Web Analytics
ビジュアルWeb解析
UX流Web設計&分析でアクションにつなげる方法/清水誠さん
2000年ごろIAをやっていて、UI設計もやっていて、
限界を感じて、
UIはいくらがんばっても上手に作るだけで、それ以上は難しい、
ビジネスにコミットしているわけではない、
いいものを提案しても社内で進まないとか、
もどかしい想いをしたので、そこから試行錯誤しました。
自分が事業会社側にはいって、CMS導入とか、
楽天とか。前よりも手応えを感じましたが、
それでも UXというのは成果にコミットしづらい。
マーケティングの法はデータの活用が進んでいて、
同じことを UXでも、貢献度を数字で表現できるのではないか?
ユーザー視点でサービスを作っていくのもマーケティングでも活用できるのではないか?
私がやっているアナリティクスは、マーケというよりも、UX的アナリティクスです。
ビジュアルWeb解析の特徴。
UXアナリティクスとかとも言います。
特徴としては、ユーザーの視点で考える。
大事なことだけをざっくり分析
数字や文字よりもビジュアルを重視。
ユーザーにとってみれば細かい分析は要らない。
エクセルの大きなシートよりも、パッと見で見えるように、
そこからアクションにつなげていく。
サンクトガーデンという会社を手伝っています。
ビンで、冷蔵しなければいけない。知名度が低い。
オンラインもあるが、お店で飲んだ方が美味しい
物理的に足を運ぶと、週間づけができる。繋がりを維持したい。
バレンタイン、お歳暮、リンゴの季節など、季節性が高いので、
一年に一回ではなく、いつもつながっていたい、エンゲージしたい。
それを受けて、作ったのが、コンセプトダイアグラム
コンセプトダイアグラムは想いが入っています。
ビジネスとしてはこうなって欲しい。
その想いのマッピングです。地図ではありません。
こう動いて欲しいという矢印が大事になります。
二種類のペルソナに分けてあり、
飲んだ事が無い人、飲んだ事がある人に分けています。
人によっては長い期間をかけて、また飲んでみようという良い体験をして、
ビールのうんちくを語れるようになって、レベルアップしてもらう。
地ビールにハマって、レベルアップしてもらうのをビジネスゴールにする。
ネット上の資料請求とか、会員登録とかをゴールにしがちなのを、
流れで考えて、思い出してもらうなど、流れの方が自然でかつ視野が広がる。
短期的なゴールを考えてしまうと、広告で集めてきて、
いったん使っても、二度と飲まないとか。
視点を変えることをした。
登場人物とステップと最終ゴールを矢印でつなぎます。
誰にどうなって欲しいので、どういうマーケティング施策をするのか考えていく。
知ってしまうには、話題作り、ギフト用、特徴、歴史、ラインナップ、商品詳細
知ってもらうきっかけを増やす。
初めて飲むときに、どれが一番自分に合うのかチャートを作りました。
自分の好きな銘柄を見つけられるようなコンテンツを追加。
思い出すためのきっかけ、オクトーバーフェスト、定期試飲会、
広報ブログでマニアックな情報を発信しています。
泡立て方の解説とか、周りに語り出す。また新しい人が知ってくれる循環が回る。
いろんなコンテンツ施策の位置づけが明確になってくる。
流れを考えていくと、必要なコンテンツが明確になってくる。
これらは全部指標化できます。
軸が見えてきます。
プレゼント用ビールが必要だとなってくれば、
どちらの商品が買ってもらえるのか?
自分で買うのとギフトとして買うのと、どちらの割合が多いのか?評価軸が見えてくる。
結果的には、オンラインの売り上げが2倍に、来年には3倍に向けて。
コンセプトダイアログとは
サイトのコンセプト、つまりユーザーの意味
図・行動と運営者による取り組み
見ると気付く。ディスカッションが進む。
意思統一ができる、俯瞰できる。必要な施策を洗い出せる。
会員性のコミュニティサービスの場合、
仕事で解析ツールが難しくてわからない。成果を出したいというニーズ。
検索で調べる。サイトのコンテンツを読んでもらって、
何回か読んでもらって、会員になってもらって、イベントに集まってもらって、
人とつながってもらう方が良い場合もある。
それによって、その人がエンパワーされることをゴールと置きます。
モデルはビジネスによって色々です。
コンテンツを読むようなサイトの場合は、訪問、表示、読了、満足という流れ。
B2B の場合は、
選び方を理解し、必要なブランドを知り、機種を選んで、アクションする。
発注主がWebを使って、販売会社に問い合わせる場合もあれば、
大手の取り引き先の場合は、取り引きチャネルがある場合もある。
発注主が必要な部分を考えた上で資料請求する。
さまざまなコンタクト方法がある。
コンセプトとしては、既存の営業方法の方がボリュームが大きい。
Webでの問い合わせは件数が少ない、でも絞り込んでいるので、
理解して自覚した状態になっているので、ゴールが近い。
Web経由の問い合わせは対応が楽で、成約率も高い。
量から質にゴールを変更した。
大きな図を書くと、Webの役目が絞り込まれていく。
書いていくと、いろんなことが見えてくる。指標化。
話題作り
PR
SEO
イベント出店
どのようなステップを経てきたのか。
どれが効いたのか、理解した上で、判断をしたい。
効果の濃淡を観たい。
クリック率、コンバージョン率をみてしまいがちですが、
いろんなアクションからスコアリングして判定しています。
重み付けして、点数をつける。意思表示など。
経験値みたいなもの。
長い目で経験を可視化していく。
いろんな取り組みも、そういう視点で見ていくことができる。
ブログを見ている人と、見ていない人で、
流れがどれぐらい違うのか比較できるようになる。
単純な訪問数ではなく、理解できる。
3つの切り口で見る
1. 全体の流れ
図解したおおきな流れの現状や達成感の確認
数値の少ないところ、総合的にあたりがつけられる。
全体のバランスを確認することが重要。
2. きっかけ/要りグリ
集客の直接、間接効果を把握
オンライン購入とお店の地図を見た人の両方を。
飲んでみたくなったというのを指標にしている。
バナーの評価も同様。掲載開始の最初の7日間のクリック回数を見ている。
3. コンテンツの効果
コンテンツの場合は、沢山の状況が掛け合わされるので、難しいですが、
知ってもらいたいための特徴コンテンツを見た事がある人と、
見た事が無い人と、セグメントを切って分析する。
よりエンゲージしてくれるのに違いないということが数字に表される。
これで違いが出ない場合は、コンテンツが役割を成していないことがわかる。
特徴を伝えるコンテンツが大事だということがわかったので、
グローバルナビゲーションを二つ使って、コンテンツを追加。
直接リンクはっているわけではないのに、より商品を見てくれるようになった。
どのページから見られると、その後の動きに違いがでてくることが多いのか。
「ビールの特徴」コンテンツから見始めた人は、商品を見る確立が高く、購入者も多い。
ブログの位置づけは、レベルアップのためのマニアックな記事と、思い出してもらうためのブログ記事、
それを評価する時、記事タイトルと、その後の動きを確かめる。
ブログは購入を直接的に狙っているわけではない。
商品への到達。記事の中にさりげなくリンクを張っている。
書いた人は、記事の話題、改善につながっていく。
Web人材募集の人は、回遊につながっている。
数字で見れるとブログを書いている方も楽しい。
Web やコンテンツの目的を明確にし
目的に応じて評価すること
記事を見て、下までスクロールしたらとか。
マウスポインタが 3秒以上載せていたらとか、
メルマガ経由で訪問したらとか、
JavaScript やクッキーで工夫すると、気持ちが見えてくるので、
コンバージョンとして数値化される。
狙いどおりになったのかを数字で評価できる。
■ビジュアルWeb解析とは
顧客をビジュアライズ:ゴールをステップに分解
施策をビジュアライズ:施策をマッピング
効果をビジュアライズ:効果を見える化する
レポートの作り方も、パッと見でわかるように工夫します。
ワークショップをやっています。
1. ゴールを決めます。 モノを買うだけでなく、使う、使ってどうなりたいのか?まで考える
企業視点ではなく、顧客視点で。
「シェア拡大」とかではなく「いつも使いたい」とか
2. ゴールまでのステップを決める
ユーザーを主語とした動詞で表す。
記事を読む。会員になるとか。
消費者行動モデルも参考に
違いを知り→買う方法を調べ→お店にいって→食べる
納得する→飲んでみる→思い出す→又飲む→レベルアップ
3. 流れをパターン化する。
分岐したり、入り口をわけたり
軸を作ると効果的です。縦軸、横軸。
高めて導く、モノを買うとかは、だんだん納得して最後に買うパターンも。
お試しでまずは購入して、続けるうちにだんだんハマっていくパターンと。
大きくわけて2つになる。
●制作会社の例
発注者
ゴールとしては、単発の依頼ではなく、もっと広い、戦略的な相談をされて、大きな仕事をしたい。
発注者からくる問い合わせをわけて、作業依頼と、
戦略的な相談と二つにわけて、その割合を見ていく。
その依頼を受けてコンペで勝って、プロジェクトを成功させる。
件数と割合を表現し、数字をぱっと見で全体像で見えるように。
●B2Cの場合。車や携帯電話メーカー
乗り換えるまでにいかに維持し、活用レベルを上げていくか?
単純に2年間維持するだけでなく、上手に活用してもらえないと、
別のものに変更してしまうので、活用向けのコンテンツを提示していくのを設計する。
図がどうなるのかはビジネス次第です。
同じ業界でも会社によっても変わります。
サイトの位置づけを明確にして、改善していきます。
一見、Web解析っぽいのですが、ユーザー視点でいかに Web そのものを評価していくのか、
ビジネスそのものもユーザー視点を入れていく。
モデルがユーザー視点になっていけば。
ワークショップやるだけでも視点が変わる人も多い。
UX で声高に言うよりも、図を書くだけで、ユーザー視点がジワジワ広がっていう。
UX のことを別の言葉でやっていくだけ。
実際、いくつかの制作会社と、一緒にやっていて、
もっとバリューをだしていきたい。
アドバイスしたり、社内もお客様側も講評で、
マーケティングとは?サービスが変わっていったり、手応えがあるので、
やってみる価値はあるのではないかと。
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