3/05/2015

[&] Design Sprint Night - THE GUILD fladdict



Design Sprint Night / THE GUILD 深津さん
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UIデザイナー、インタラクションデザイナー、メンタリング、コーチングをしています。
Google I/O に行った時にデザインスプリントのセッションがあって、
Google ベンチャーのセッションと Google-X のセッション、
さらに日本のワークショップもやったことあります。
そこで感じた事を話せればな〜と思っています。

●デザインスプリントの特徴

もともとは、IDEOやスタンフォードのデザインシンキングを
Googleベンチャーズが自社用に改造して、適応しはじめたものです。

理想のリーンはあるが、現実のリーンは、なかなかあてはまらない。
そこで生まれたのがデザインスプリントで、5つのプロセスを5日で回す。

一番重要なことは、

●部署をまたいで、チームを結成する
●一つの作業をものすごく短い時間で行う
●個人作業とグループ作業を何度お往復する

理解/発散/決断/試作/評価
お試しバージョンで 2時間バージョン
Google I/O では5日間のものが2時間に圧縮されています。

全方向からの人材で、全方向の分析をして。
2セットや3セット回すのが正しいデザインスプリント。

■ 1. 理解
理解のフェーズで 1日使ってしまったりしますが。



2時間版のデザインスプリントでは Google が用意したペルソナを使いました。



Google グラスのデザインスプリントでした。

■ 2. 発散
超高速でまわします



一言プレゼンやって、40〜50分を脳みそが枯れるまでやっていきます。

HMW(How might we?) 最初にアイデアを書くときに「我々はいかにして解決できるか?」を考えます。
ポジティブなこと、ネガティブなこをと排除します。

Crazy 8s アイデア大量生産法。
ロンドンのデザイン大学でもやっていました。
Game Storming にある 6-8-5 という手法が元になっています。
http://www.gamestorming.com/games-for-fresh-thinking-and-ideas/6-8-5s/

そのアイテムをいったんグループワークとして共有し、個人の作業に戻ります。

Yes, And 手法
他人のアイデアに上乗せしていく。
共有フェーズでは、パクリもあり。
その後にグルーピングしてみたり。
ドット投票をします。
発言しないで、プレゼン無しの投票です。

アイデアにシール X個で投票
同じアイデアに複数票も可能
普通の多数決と違って、強さのマッピングができます。
それをもとにリーダーが決めたり、責任者が倍の票をもったりして、
責任者が重みをつけた上で最終決定する。
トップダウンのある決め方。

■ 3. 決断



バトルロイヤル
ベストアイデア1点勝負
詳細なストーリーボード作成

2day の場合は、8つに分けた紙にしたり、
ポストイットで4コマ漫画のように書いたり。

■ 4. 試作

僕の場合は、グーグルグラスのワークショップだったので、
Google Glass サイズの紙が配られて、
自分のアイデアで画面を書いていく。
ディスカッションして、一本のアプリに。

■ 5. 評価

ワークショップ上では、ここのところは代わりに1分間プレゼンをしました。
僕は運がいいのか悪いのか、
チームで採用されて、アメリカ人いっぱいのところで、
いんちき英語をしゃべってなんとかプレゼンしました。

作ったのは自転車乗りのオッサンが趣味で使うギターのスコア管理アプリ。
音楽に合わせて、楽譜のページめくりが送られるアプリでした。

■スプリントの長所

●初期段階から全員を巻き込み、自分ごとに
クライアントワークだと、プロデューサーの人が決まったことが
落ちてきたり、営業サイドで後から蹴られたり、
どんでん返しや硬直化が無い。
全員巻き込むので、スプリントが終わるころには
共通認識ができている。

●全ステークホルダーからの大量かつ、多角的アイデア
●全体を俯瞰して共有できる
●民意を把握しつつ責任者が明確に

軸がぶれない!
政治的にひっくり返らない!

デザイナーだけでデザインスプリントをするとそれほど有効では無い。
スプリントは銀の弾丸か?そうではない。
有効に機能しないケースもある。

全方向の意見を埋めて、コアの部分、見落としを無くす機能が強い。
チームの中にジョブズや孫さんが居れば、その人に任せて、権限を集約するのがいい。
ボスが居るタイプのところで、スプリントをやっても、単にボスの意見が通るだけ。

言われているより重い(大変)
軽くする工夫や使いどころが重要
全員がまるまる5日間スケジュールをあけるのが辛い。
でも意思決定者を抜かしてやっても意味が無い。

全員が他の締め切りをすっぽかしてもかまわないくらい、重要度のある議題。
来ない人は、権限委譲をしっかりして、ひっくりかえらないようにしてもらう。

意思決定に高度な専門判断が必要な場合、
統計や薬学的判断が必要なケースは、スプリントは要らない。
全体からの知見が必要なものはスプリントで、
プロフェッショナルに権限委譲するのも良い。

●あくまでフレームワーク
●エース不在のチームでも安定して85点を出すための手法
うっかり事故や交通事故を無くすためのメソッド

条件や環境が整っていることが前提

●スプリントの対象が的確である
●意思決定者から現場まで広く巻き込む
●フラットな立ち位置での意見が保証される
●なんども繰り替えすこと

■ こんな時に有効!
みんな価値観がバラバラな場合
何を考えて何が重要なのか、どこにリスクがあるのか俯瞰できる。
声の大きさでプレゼンが決まる場合。
後半に入ってきた人達が引っくり返す場合「赤嫌い」とか。

ボスが直感で決める。気まぐれ、打率低い場合。
一つ俯瞰することでミスを無くす。
全員の共通認識
政治的なひっくり返りを無くすために一番最初にコンセンサスを作ることができる。

デザインスプリントの具体的な話しは、
サイトの方でまとめています。
labs.theguild.jp