[&] PLAYFUL - Additive manufacturing
素材とデザインする 素材をデザインする - 谷川聡志さん
http://www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/exhibition/proto2015/
谷川聡志さん(パナソニック株式会社デザインカンパニー)
山中先生:皆さん展覧会はご覧になりました?
まだの方は?
一番大きいテーブルの一連のモノ、触られた方もいらっしゃるかもしれません。
3Dプリンタでの触り心地を試してみています。
パナソニックから、半年間研究員として参加した、谷川聡志さんです。
93年に入社してからブラウン管など、その後、素材やマテリアルなど、
3Dプリンティングを研究している。
テーマとしては 3Dプリンタの曲げる変形とは違う使い方、
産業界では、 Additive Manufacturing で、何が作れるか?
その成果を発表するとともに、ゲストの方をお迎えして、マテリアルで話します。
ゲストとしてお招きしたのは、 玉井美由紀さんです。
最初は本田技研で、カラーマテリアルの専門会社を設立し、
マテリアルコネクション東京を設立されました。
今回は、最近になって、デジタルと関わるようになったそうで、
今回のデジタルファブリケーションのおける素材感に関して議論してもらるのではないかと。
この建物に初めてこられた方は?
こんなところがあったのか!
もともと実験用の風洞施設で、2013年に改装して、
ギャラリーと、研究棟になりました。
ここでは最先端のテクノロジーとデザインとの関わりを探しています。
大量生産品にたいして価値を与える、
3Dプリンタみたいな産業構造を変えてしまうものが出て来たときに、何が起こるか。
いままでデザイナーが関わってこなかった部分などを研究しています。
未来が見えてくるといいな.... と。
■谷川聡志さん
この半年 Additive Manufacturing の研究をしてきました。
●背景
AM(3Dプリンタの粉末床溶融結合方式)によるプロセス革新
設計/試作を迅速化
生活性向上
材料の無駄が無い資源性
製造技術の行動化
ローカライズ/市民課
複数部品を一体整形
自然や人体との親和性
少量生産、カスタマイズ性
●プロダクト寄りの直感的なテーマではなく、
より根源的なテーマ設定を目指す
根源的で心底やりたいテーマを設定した方が良いとアドバイスをもらい。
動植物の特殊な能力を参考にすることに。
最初に参考にしたもの.........着生植物(動植物の特殊能力)
Viscin 組織、ものすごい螺旋構造で、
幅がわずか数ナノメートルで、ものすごく伸びるバネのようなもの。
伸びる螺旋構造をまず作ってみた。伸ばしても透けてみえないようなもの。
なかなか上手くいかな....
握っている感触が変。ナイロンの素材だから、うまくいっていない?
いろんな構造を作ることで、いろんな触感が出せるのではないのか?
構造による触感を試してみました。
●構造触覚を持つ形
さまざまな握り心地
3Dプリンタならではの、それぞれが触感を持つ。
空間をもうけて、四角いのだが、手に柔らかいものなど。
繊維構造を作り、芯材を作るもの。
ハニカム構造のもの、強度を変えることで、感触を変えることができる。
複雑な構造ですが、一発でプリントすることができる。
三連の骨構造、力一杯握ることで、形が変形され、固定される。
もとに戻らないので、戻す時は手で戻す必要がある。
螺旋状のもの、一枚ずつ別の動きをすうr。
フィン状のもの。
螺旋状の繊維のもの。位置と角度を違うだけで違う動きをする。
握ると伸びるようなものと、握るを繊維が乱れるようなもの。
指でなでると複数の構造に変化し、面白い。
●ある向きにだけやわらかい
薄くても割れないシェル(貝)構造。
1ミクロン以下の薄いセラミック構造の板を
張り合わせたような構造。
積層にすれば固いものができるのかな?と重い。
0.2mm ピッチで積層を作ってみた。
逆に極端に柔らかい素材ができた。
積層とやわ会ことは関係がある?と深堀してみた。
パターン弾性体という形があり。
相応道理、柔らかくなる。
さっきと同じ構造ではありますが、スティック状に。
縦方向だけでなく、横方向にも柔らかいものができた。
ひねり小方向にはほとんど動かないものができた。
さらに発展させて、三角形、三点連続してつながっているものを作ると、
ひねり方向には動かない。一カ所をねじると全部がつながって回る。
あらかじめひねった形状で雪像kすると、メビウスの輪のような立体的な輪ができる。
ひねり方向に動かないということは、
輪全体を回すと、ねじる方向に回る輪ができる。
展示会では上手く動いていませんが.....
●トカゲ
なんでトカゲなのか?
つまんでグニグニしたときに、非常に生物的に感じたので、
抽象化したトカゲを作ってみました
実際のトカゲも骨と筋肉によって動きが生まれている。
実際の本物よりも誇張した動きを表現することができる。
今回3つの大きさを作りました。
大きさによって触感を変えることがでいる。
つまんでいるところは固いのですが、揺らすと柔らかい。
生物的な動きをする。
モーターを仕込んで、針金を回転させているだけで、このような動きができる。
切れたしっぽがマグネットで動く仕組みなぢ。
●いろいろな触り心地のキューブ
細い波
囲まれた波
一枚でできた形
めくる
フラクタル
フラクタル x 8
この中で一番軽い
ドットのつながり
思ったよりやわらかい
凸と凹
ワイヤー
とげとげを切り取る
とげとげを切り取る2
とげとげを切り取る3
いままでの金型整形では出来ない造形が可能になり
さまざまな構造触感を作りだすことができる。
複雑な構造が1パーツで作れる。
従来の触感は素材に依存するため均一な触感であるが、
構造触感では弾力性や場所をコントロールできる。
自然界に存在する触覚は基本的に構造によるものであるが、
自然界よりも誇張したものを作ることができる
●飛ぶかたち
紙飛行機の魅力としては、大空を飛ぶこと。
タウベ、全翼機など.....
旅客機が構造が良い。
鳥は、キャンパーと呼ばれる円弧状の構造。
スズメはアスペクト比が低い、
トンビはアスペクト比が高い、長く飛ぶのにむいている。
トンボは羽根に空気抵抗を減らす凹凸がある。
アルソミトラの種。
遠くまで飛んでいく種。
紙飛行機で再現されていて、それらを参考に。
おもりの部分があると、安定して飛んでいく。
ふらふらとしながら前に進む。
WhiteWing 競技用の紙飛行機。
最初は紙飛行機をトレースして作ってみました。
最初は羽根がたわんでしまったり、垂直尾翼が整形されなかったり。
飛ぶようになりましたが、断面のがたがたがあって、まっすぐとんでくれない。
いろいろ補強しながら、羽根を大きくすると、揚力があがる?
揚力が上がりすぎて、失速してしまった。
羽根だけ大きくしてもダメだということがわかった。
●Twin Ring という自分で作った形状。
前に尾翼がある機体。輪っか状に羽根がつながっている。
非常にコントロールが難しいものを作ったが、案の定飛ばなかった。
紙で先のような形を作った段階と
作り直して、7-80回やっと飛ぶことができた。
こつは力一杯投げる。
紙に比べて比重が重たいので、工夫。
余力が足りないので、スピードを出す。
改善していったのは、もう少し回転を抑えた。
●Circular Shape
なかなか上手く飛んでいった。
300take ぐらいムービーを撮った中から良いものをつなぎました。
実際に飛ばすことができるオリジナルの模型飛行機を作ることができる。
紙より比重が重いため、紙飛行機とは異なる繊細なコントロールが必要。
薄い構造物は面の角度によって造形されないことがあり、厚みの調整が必要。
通常の金型成形ではできない長いものなども作れる。
●造形誤差の把握
いろんな機械によって違う。
周囲も固まったりして、0.5 の板を作ろうとしても実際は 0.9 だったり、
9.0 で厚みのあるものが収縮したり。
造形可能な厚みと角度の検証をするために、薄い円筒形を試作。
ピンポイントで 0.3mm は作れるが、ある特定の角度で出力できなかったりする。
プリンタの特性を知りながら作るのが大事。
●まとめ
さまざまな構造触感の発見
最薄造形のノウハウの蓄積
課題を多く残した。
AMの最大のメリットは、金型の制約、キャビ、コアの概念からの解放。形状の自由化。
AM(粉末床溶融結合方式)のデメリットは、
粉が抜ける形状にしなければいけない。
自由度は上がっているが、じゃまくさい問題。
光造形や、ロストワックス方式など、出力する形状に合わせて最適な選択が必要。
深堀したいという興味深いテーマを見つけることが重要。
直感を大事にする。
失敗したものを別の角度から見る事で新しいヒントが見つかる。
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