[&] IKEA Trådfri - Kat Davis (frog design)
frog design の Kat Davis さんに IKEA の IoT電球 Trådfri の
デザインプロセスについてお聞きしました!
Kat Davis です。
frog デザインのアソシエイトクリエイティブディレクター
六年半勤めております。
もともと初歩的なデザイナーからスタートしました。
まずは新人のデザイナーとして入社しましたが、インタラクティブデザイン
デザインのリサーチ、アクティベーション、ファシリテーションの経験をつみまして
いまの仕事についています。
デザインについてどうお話するのか?
ビジネスとデザインの両方に関心をもっていただけるお話をします。
直訳できないジョークの場合は「ここで笑ってください」と言います。
我々のクライアントの一つ、IKEAにビジネスの価値をいかにデザインで作り込むか?
という話を。
アクシスにこの場を提供してもらい、SONYや日本と繋がりが深く、
日本で話せること、電通との提携を光栄に思っており、期待を膨らませています。
多くの人にとってデザインというのはそこにあるモノのデザインだと
思っている人がいる。デザインはプロセスのはじめから終わりまで重要になってきている。
not just --- but also
お悩みはなんですか? で問題解決することだけに止まっていました。
デザインの一つのステップに止まっていたわけです。
こういうものを作ってください。見栄えをするものを作ってくださいという
ことにとど止まっていました。
単なるモノやサービスだけでなく、全体として経験として実感する
一貫性のあるデザインというものになりつつあります。
問題解決だけでなく最初から最後まで首尾一貫してデザインするようになってきた。
例えばビジネスはお金儲けの厳選はコスト、経費を下げることだけで捻出していました。
コンテナを運ぶ際のコストをさげるなど。
シックスシグマなどビジネスプロセスの簡素化で、経費の削減を捻出しようとしていました。
これはみんながするようになってしまいました。
create new sources of value
あたらしい価値の厳選をさがすようになりました。
デザインはまさに新しい収益の源泉にはすばらしい働きをする。
what is いまある姿 というアプローチをしていました。
これは通常市場調査や分析、競合が何をやっているのか、産業界や業界のデータを
浮き彫りにするところから改変、改善をしようとしていました。
今後はあるべき姿というものを重視するようになってきました。
デザイナーからすると世の中をこう作り変えられるのではないか?と
考えるようになりました。
世の中はそもそもこうあるべき、より作り変えるという目線から遡って
いまどういうニーズがあるのか?という考えから。
デザイナーの視点、デザインから作り込むというのはどうあるべきなのか
本質的なところから今のニーズを考えていきます。
これもビジネス思考の人もデザイン思考を持つようになりました。
ハーバードビジネスレビュー、ブルームバーグビジネスウィークでも
取り上げるようになりました。アメリカではMBAの過程の中に入っています。
それから3つのインターンシップ、実は frogでもストラテジストを採用するようになっています。
それから、株価も大きく変わり得るんだ。株価にも違いがあらわれています。
この10年、デザイン思考を指数化した企業の成長を可視化しています。
2015d design valule index , apple, coka-cola IBM, Nike SAP
デザイン思考の会社です。
平均企業に比べて株価が2倍に開いています。
この10年でこれだけ大きな価値が生み出されています。
デザインに特化した収益、株価に現れていますが、
それよりもどういったところに差別化されているのかに注目が集まってきました。
ROIを投資額以外にも
マーケットシェア
ユーザーあたりの平均単価
成約率
満足度
開発コスト
組織の一体化
まずは、ビジネス価値をより早く収益化するために
短期間でサービスを市場に投入できます
つまり実際のサービスを投入するまえに試行錯誤やテストができます。
そもそも成功しないものを市場に出すことを防げますし、不具合対応をしなくてすみます。
MVPといっていますが、最低限対応している標準をみたしているプロダクトを
早く商用化する手法もあります。そういうデザインのプロセスが可能になっています。
それから2つめの価値は、市場の対象とする範囲を広げることに貢献できます。
実際には顧客サービスへイノベーションで新しいサービスや新しい顧客を開拓するのです。
デザインしている経験を通じてロイヤリティを深める高めることができます。
これは止まることがなく、イノベーションは無限に続きます。
2年まえの商品でいいものがあれば、現在は当たり前になっています。
新しい革新を続けることでロイヤリティを与えることができます。
4番目の方法としては社内にイノベーションの力を培うということです。
それから実際に顧客からよりいいアイデアをデザインプロセスの中で
どういった反応があるか?どうやったら高めることができるかわかっています。
より付加価値の高いプロダクト、サービスを生み出せるようになっています。
もうすでにどの時代においても変わりませんが、ビジョンに満ちた変革を起こす
助けになってきてる。
いまの技術革新の激しい時代においては、これまでの事例を踏襲していては生き残っていけない。
時代にあった変革を常に続けていく。
ビジネスとデザインをどう一体化できたかを紹介します。
IKEA Trådfri
スマートホームのシステムです。2014年に IKEAとプロジェクトをはじめ
17年に実現しました。
このように電球があり、制御しながら照明を調整するというシステムです。
モバイルアプリもあります。
自在に色や明るさを調整できるというものです。
IKEAでベーシックキットから始まります。
この電球をかえて、照明の明るさ調整のスイッチの2つだけであれば
インターネットがなくてもどこでも使えます。
具体的には明るさ調整だけでなく色調も変えることができます。
ゲートウェイキットを加えるとインターネット接続が可能になります。
どのように機能するかお見せします。
「IKEA Tradrfiのビデオによる紹介」
大変機能的なアプリです。
それからアプリをダウンロードすると特別なセッティングをすることもできます。
どのようなムードの色調にするかも設定できます。
それからタイマー設定もできます。
サードパーティのサービスとも繋げられ、グーグルホームやアレクサとの連動も可能です。
これ自体はプロダクトの紹介です。
2014年当時スタートした当時のスマートホームでは
どういった競合商品があったかというと、非常にスマートホームは注目されていて
話題にはなっていました。もちろん非常にマニアの人、
人に先行して家に入れようという人にとっては、自分には早いだろう
そこまでやる必要ないと思っていました。
そこにありました、調査したわけではないのですが、
本当の問題解決にスマートホームにいたってないのではないか。
期待が高すぎて実際に購入した人が満足していない状況なのだと考えました。
スマート化するというのは延長戦上のスマート化という状況でした。
NESTの室温計です。通常室温を調整するには物理的に画面のまえで温度設定を変えたりします。
NESTはなんでも接続できればいいと考えると自分で設定できないものになってしまいます。
実質的には機能不全になっています。
2014年はまだそういった段階でした。
他の競合商品としてはフィリップスの色調が変えられる電球があった程度でした。
IKEAでは本当のスマートホーム化にならないと考えていました。
To create better everyday lighting for everyone
全ての生活者にたいして快適な居住空間を提供するというのがスローガンであった。
それは実はIKEAが世界最大の電球のサプライヤーになっている。
基本的に確保しなければいけないのだが、全ての人にベストな経験を提供したいと考えていた。
最初に考えしなければいけないのは NOKIAのあらゆる機能を全部のせるか
iPhoneのようにシンプルで必要な機能に集中するか?と考えました。
初代 iPhone と NOKIA 95との比較のように
フィリップスの競争相手、普通の電球といかに差別化するかというところが重要です。
室内の電気で ON/OFFするのは物理的にとても簡単です。
アプリ化してしまうと、スマホ探して、アプリ探して、アプリ起動して、照明を調整して
けっこう面倒です。。非常にデザインの作り込みが大きくかわりました。
まず技術ありき、あまりにも技術的になりすぎるのをまずは避けなければいけない
家でつかう時の利便性をあげないといけないか?
オタクの技術思考にしないために、ログインしないといけない?ログインする必要ある?
あまりにスマート化をすると、接続してないといけないとか面倒なので、
インターネット接続がなくても制御できるものにしようと考えました。
そして、単体のコントローラを創るというデザイン判断をしました。
子供もスマホをもっていなくても簡単に使えるようにしました。
リサーチの結果わかったことは通常設定するのは男性で。
家族は設定したのが、家族は使い方がわからないので使えなくなりました。
スマホを関係なくすることで、誰でも使えるようになりました。
フォーカスしたのは最初から最後までのカスタマーエクスペリエンスを
どう作り込むか考えました。単なるプロダクト、一つだけのデザインではなく
店舗対応、フォローアップはどうするか?
はじめから最後まで一気通貫でつくりこみました。
それから逆説的ですが、固定回線つきのプロダクトもつくりました。
インタビューでわかったことは Wifi のセットアップが難しすぎて
諦める人がおおいので、QRコードセットアップできるようにしました。
今考えていると、根源的なもの、直感的なものになっているとおもいます。
what make it hard to desing for?
どういった課題を解決しないと本質的な解決ができなかったか?
We can't rely on command patterns
パターン化された常識は google , facebook など技術系の会社の行動パターンです。
IoTデバイスは技術一辺倒になってはいけないと考えています。
というのは、CPUの処理速度、常時ネットワーク接続、常に電源がONとか
家庭のIoTデバイスはCPUも遅いし、常時接続でもない。レスポンスも遅い。
スマートフォンアプリはすぐ通信が行えています。
多くのものがかかわっているとゲートウェイとスマホが通信し、
ゲートウェイとライトが通信し、正常に機能するにはかなり時間がかかります。
ということでリモートコントローラについてもどれぐらの時間が最適化
遅延のことを考えておかないといけません。
data is not reliable
すぐにボタンを押したからといってすぐに動かないのでかなり遅延を見込んで
おかないといけない、まだ繋がっていないという第三の状態を考えないといけません。
ボタンを押してから反応があって、作動が完了するまでの中間の遅延時間を
どうしのぐかといいった課題ですが、こういったリモートコントローラーには
3つのやり方があります。
アプローチAは、送信中なのでちょっと待ってくださいと、
通信が完了するまで何も動作しないという方法
アプローチBは、ぐるぐる回っているだけでどれぐらい待たされるかわからない
アプローチCは、先行して通信が完了して作動が終了していなくても、
アップデートしたように見えるように見せてしまいます。
問題が生じる場合もありますが、大抵の場合は大丈夫です。
小さな戦略かもしれませんが、みなさんがこれだと直感的には使いやすい
という細かな点で受け入れてもらえるようにする小さなプロセスです。
ユーザーがテストしてもらって、デザイナーが主導権をもって
直感に訴えるような商品のデザインを生み出しました。
ただ単に技術重視ではなく、リリースの反応や使いやすさを検証せずに
リリースすることはなく、実際に作動するか?スタジオの中に
IKEAの家具をとりそろえたスペースを用意してデザイナーが使ってみました。
実際にユーザーが IKEAの家具に囲まれた中で心地よく使ってもらえるか?
実地にテストしました。実際にテストしてくれる人に招き入れて。
テストしたおかげで実際に見落としていたミスもわかりましたので
とても役立ちました。
テストをしてくれた人は、口ではパーフェクトだと言いましたが、
プロトタイプを開くと、紙が入っていて、本人がバッテリーがうまくはいらかなったので、
紙を入れたということがわかって、そのおかげで十分な機能が発揮できないという
ミスを免れました。私たちはすべての不具合を直してからリリースすることができました。
なのでプロダクトを解体してみることが大切です。
IKEAがあらゆる人にとって便利な製品を出すこと、
家で使いやすいもののバランスがうまくいきました。
実は IKEAのこれまで出した電化製品のなかでもっともうまくいきました。
モーモーという家電評価サイトでもとてもよかったです。
口コミサイト Trusted Reviewsでもこの商品を買うべき、IKEAならではという
基本的な機能だけで贅沢な機能はないけれど、それがかえっていいという評価
まさに新しい市場も開拓できましたし、
すでにいるイケアのお客様にもマッチングできました。
かつてデザインというとプロダクトの一部の細かいところ、
プロダクトやサービスだけでした。
例えばリモートコントローラならいくつでもデザインをかけると思います。
そういったプロダクトやサービスのディテールの作り込みだけに注力していました。
いまやデザイナーはプロセス全体で、最初から終わりまで
お客様の経験をデザインすることになっています。
デジタル化に対応したさまざまなことがら、データを見ながら
いろんなものをデザインするようになりました。
お客様のタッチポイント、期待、ブランドに対する接点で
デザインの作り込みが完璧に一貫性をもってできることを期待しています。
ビジネスバリュー、ビジネス価値をいかにあげるか?
マーケットへの投入スピードを早め
マーケットリーチ、多くの人に届き
エンゲージメント、ロイヤリティを高め
ビジョンのある先駆的な変革を率先できるか?
社内でのイノベーション文化とプロセスを培うということ。
このポイントこそが IKEAは家具の会社なのでハイテク企業ではないので、
そういう企業でイノベーションを培うのかがポイントだったと思います。
それからプロダクトを使い勝手のいいものにするか?
今後ともイノベーションが自らできるような体制をととのえた上でこのプロジェクトを終了しました。
私たちのプロジェクトそのものが組織がリリースする方法すら
抜本的に変え、戦略的なインパクトを生み出すことができたと自負しています。
これまでの従来のやり方をかえ、私たちはこのお手伝いをさせてもらいました。
デザインそのものが企業のビジネス価値を生み出していることの事例です。
Product and operational excellence are nolonger enough.
プロダクトと対応が素晴らしいからといって十分ではない。
To compere in the arge of the customre, you need the tools of design.
差別化にそなえたあらゆる接点を一体感のある完全なものにしていくか?
これはデザイナー一人一人が生み出していく価値なのです。